弥生は、断る間もなく、瑛介が素早くシャツのボタンをいくつか外すのを呆然と見ていた。その瞬間になってようやく、彼の「一緒に入る」という言葉が冗談ではなく、本気だと悟った。慌てて言った。「いいから!私は一人で入るから、タブレットだけ持ってきてくれれば......」だが瑛介は、まるで彼女の言葉が聞こえていないかのように、にこやかに返した。「退屈なんだろ?僕が一緒にいれば、タブレットなんていらないじゃないか」いや、むしろタブレットのほうが欲しい。それに、瑛介と一緒に入浴したいとは思えなかった。そう考えた瞬間、弥生は思わず口にしてしまった。「どうせ、別の目的があるんでしょ?」その言葉に、瑛介の手の動きがわずかに止まり、次の瞬間、口元がゆっくりと吊り上がった。視線が一気に彼女を捕らえた。「......バレたか?」そう言うと、彼の視線はゆっくりと下へ落ちた。弥生は反射的に、また湯の中へ沈もうとした。だが完全に沈む前に、腕をがしっと掴まれた。「夫婦なのに、そんなふうに隠れて意味あるか?」「こんなふうに見られるのは嫌。放して」「放さないぞ」瑛介は彼女の腕の柔らかい部分をしっかり掴んだ。「一緒に入るって言うなら、放すけど」口ではまるで相談しているようなのに、彼の行動はまったく躊躇がない。片手で弥生の腕を掴んだまま、もう一方の手でシャツをあっという間に脱ぎ捨てた。そして、いかにも無邪気な顔で言った。「どうしよう。ここまで脱いじゃったら、入らせてくれないと寒いんだけど」「ちょっと!」上半身裸の彼と、その図々しい言い分に、弥生は完全に言葉を失った。必死に絞り出せたのは、それだけだった。「だめ。入っちゃだめ。まだ体を洗ってないでしょ」「へえ」瑛介は眉を上げた。「つまり、洗えば入っていいってこと?じゃあ五分待って」そう言って、彼はようやく弥生の腕を放した。ほどなくして、瑛介は立ち上がり、シャワーをひねった。浴室に再び水音が響いた。身を隠すようにしている弥生とは対照的に、瑛介はあまりにも自然で、堂々としていた。濡れた水滴が、整った頭の形に沿って流れ、はっきりした顎のラインを伝い、引き締まった胸から、なだらかな腹部へ......弥生は慌てて顔を背けた。
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