弥生はこのまま何も言わず、ひなのの寝かしつけは瑛介に任せることにした。案の定、ひなのはそう簡単にごまかされるような子ではなく、こんなことを言い出した。「ん?さっきまでママ、ひなのと話してたのに。どうしてこんなに早く寝ちゃったの?ママ......」そう言いながら小さな手を伸ばし、弥生の頬に触れて、本当に眠っているのか確かめようとした。暗闇の中でその仕草に気づいた瑛介は、はっとして表情を変え、大きな手でひなのを自分のほうへ引き寄せた。「ひなの、静かにしよう。ママがもう寝てたら、起こしちゃうよ」瑛介のそばに引き寄せられたひなのは、一瞬きょとんとしたが、少ししてようやく意味を理解したようだった。「そっか......じゃあ、ママ起こしちゃだめだね。ママ、今日はいっぱい歩いて、すごく疲れてるもん」ひなのと陽平は、ずっとショッピングカートに乗っていただけなのだから、なおさらだ。「そうだよ。ママは一日中頑張ったんだ。ひなのも今日はいい子だったし、そろそろ寝よう」瑛介はひなのを自分の腕の中に収め、腕を差し出して枕代わりにした。「今夜はパパの隣で寝よう」ひなのはまだ瑛介と一緒に寝たことがなく、ぱちぱちと大きな目を瞬かせてから、甘えた声で聞いた。「パパの腕もやわらかいの?」瑛介は細身で、腕に筋肉がついているとは言い難い。正直、枕に向いているとは言えない。少し考えた末、瑛介は口を開いた。「じゃあ......枕、持ってこようか?」すると、ひなのは明らかに不満そうな顔をした。「ママの隣がいい」「でも、ママはもう寝てる。行ったら起こしちゃうよ」ひなのはしばらく悩み、硬いパパの腕と、ママを起こしてしまうことの間で迷った末、結局おとなしく瑛介の腕に頭を乗せた。横になった瞬間、小さな顔がくしゃっと歪んだ。「パパ、枕ちょっと分けて」「わかった」瑛介は枕を半分ひなのに譲った。それでも大人用の枕は子どもには合わず、彼は起き上がって、タオルを一枚持ってきて手元で温め、それをひなのの下に敷いてやった。タオルの上に頭を乗せたひなのは、ママの腕ほど心地よくはないものの、パパの腕よりはずっと柔らかく、これはこれで悪くないと感じたようだった。ほどなくして、ひなのは満足そうな表情のまま眠りに落ちた。子どもの
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