弥生はそれを聞いて、悪くないと思った。男が男を見るほうが、女である自分が男を見るよりも的確なはずだ。考え方も近いし、行動の面でも感情移入しやすいのだから。「じゃあお願い。代わりにちゃんと見てきて。適当に済ませたりしないでね」愛する女性にそう言われて、瑛介は断れるはずもなく、気だるげに返事をした。「わかったよ」まさか人生で、ここまで一人の男を注意深く観察することになるとは。それも全部、弥生のためだなんて。二人はそのまま近づき、弥生と由奈は抱き合った。ただ、年長者がそばにいるため、すぐに離れる。以前にも会ったことがあったので、由奈は瑛介の両親にも挨拶をし、持参したプレゼントを手渡した。「ありがとうございます、由奈おばさん」ひなのと陽平は由奈ととても仲が良い。長い時間を一緒に過ごしてきた彼女は二人にとって身近な家族を除けば、最も親しい存在だった。そのため、プレゼントを受け取る際も遠慮はなく、お礼を言ったあと、二人そろって由奈の頬に軽くキスをした。その後、ひなのは顔を上げ、由奈の後ろに立つ男性を見つめ、大きな瞳をぱちぱちさせながら自ら尋ねた。「由奈おばさん、このおじさんはだれ?」浩史のことを話題に出され、由奈の白い頬が一気に赤く染まった。「この人は......友だちよ。浩史おじさんって呼べばいいわ」ひなのは何を思ったのか、説明を聞いたにもかかわらず、突然こう言った。「由奈おばさん、このおじさんって、彼氏なの?」「彼氏」という言葉に由奈は表情を変え、否定しようとしたそのとき、浩史が穏やかに微笑みながら口を開いた。「今のところは、まだ違うかな。でも、おじさんは頑張ってるんだよ」その言葉を聞いて、年長者たちも事情を察した。実は瑛介の両親も浩史のことは知っている。同じ業界の人間で、直接の取引はなくとも顔見知りだった。ここに一緒に現れた時点で、薄々と察してはいたが、あえて口には出していなかった。浩史の発言で、瑛介の母もすぐに理解し、にこやかに言った。「なるほどね。前は由奈の縁談を考えていたけれど、今はその必要もなさそうね。この子も、いい話が近いみたい」「おばさま......」「はいはい、からかわないわ。若い人同士、きっと話したいことも多いでしょう。私たちは子どもを連れて先に帰るから、あ
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