修は、ずっと侑子のそばにいて、彼女の検査を見守っていた。 ただ、心ここにあらずという感じで、どうしても―若子の哀しげな顔が頭から離れなかった。 「修、顔、大丈夫?医者に見てもらった方がいいんじゃない?」 侑子は心配そうに言う。 「もう腫れてきてるし」 修は軽く首を振りながら答える。 「大丈夫だよ。あと二日もすれば治るし、心配しないで。今はお前が一番大事だから」 侑子は、修の言葉を耳にし、心が温かくなった。 「そうだ、修。昨日、私に約束したよね?今日も検査を受けるって。じゃあ、先に行ってきて。二人で一緒にやろうよ」 修は少し迷った後、優しく言った。 「大丈夫だよ。お前が終わるまで待つよ。お前を見守ってるから」 「修、いいから先に行って。結果を待つのは一緒にするんだから、時間を無駄にしないで」 侑子は修の体調が心配で仕方なかった。 彼がしっかりと健康でいなければ―それが彼女の未来を支えるためにも必要なことだ。 この男が元気でないと、どうするんだろう― 修は、侑子が少しでも安心できるよう、そっと彼女の髪に手を置いた。 「わかったよ。今すぐ行くから、お前はここで待ってて。医者がちゃんと見てくれるから安心して」 侑子がいるのはVIP病室。最高のケアを受けられる場所だ。 それがあるから、修も少しだけ心が軽くなった。 「いってらっしゃい。何かあったら、すぐに電話するからね」 修は彼女の額に軽くキスをしてから、部屋を出て行った。 侑子はベッドに横になり、ふと窓の外に目を向け、深く息を吐き出す。 ―私はこんなに頑張ってるんだから、きっと天は私を見捨てないはず。 口元に、ほのかな自信を浮かべた笑みを浮かべながら。 しばらくして、携帯電話の着信音が鳴り響いた。 侑子はスマホを手に取った。 画面に表示されたのは、見覚えのない番号。 少しだけ首をかしげながら、通話ボタンを押す。 「はい」 「山田さん、俺だ」 その声を聞いて、侑子の表情が一瞬変わる。 楚西也―彼の声だった。 「遠藤さん......どうして、私の番号を?」 「お前の番号を調べるなんて、簡単なことだ」 そう言われて、侑子はすぐに察した。 ―紙、見たのね。 自分が渡したあの紙切れが、ちゃんと
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