二日目、私は康平が買ってくれたマンションに向かった。まるで福袋を開ける前のようなワクワク感が胸に広がる。彼はとにかく用心深い人で、家のインテリアの雰囲気すら教えてくれなかった。まあ、普通に考えたらシンプルモダン系のマンションだろうと思ってた。執事に案内されて部屋に着くと、ちょうど朝の日差しが木のフローリングに差し込んで、美しい木目の影を作り出していた。なんだか私の好きな、都会でのんびり暮らす温かい雰囲気で、思わずうれしくなった。家電類は一通り揃っていたから、あとは自分好みのクッションやカーテンをちょっと買い足せば、すぐにでも住めそうだった。最近は、彼と話すときは自然とビデオ通話になっている。面倒なことはさておき、彼のなかなか整った顔を見るだけで、なんだか気分が明るくなる。私は康平に、買いたい物をざっと伝えた。すると彼はすぐに了承して、ネットで共有口座を作っておくと言い出した。こういう時、私は遠慮しないようにしている。こんな些細なお金は彼にとって大したことじゃないし、私が断ると、かえって彼に不安を与えてしまうからだ。彼にとって、私が少しでも頼ってくれたほうが、きっと嬉しいのだろう。画面越しの彼は少し疲れて見えたけど、口元には変わらず優しい笑みを浮かべていた。「気に入ってくれて、本当によかった。あの時は急いで買ったからさ、もしお前が気に入らなかったらどうしようって、ちょっと心配だったんだぜ」私も幸せだった。新しい生活が始まる、その予感に胸が高鳴る。そして……誰かに大切にされるって、こんなに幸せなことなんだ!少なくとも、これから康平と一緒に暮らす毎日は、絶対に楽しくなるだろう。「ねぇ、俺が着いたらさ……キスしてもいい?」彼が子犬みたいな顔でおねだりしてくるので、思わず目を丸くしてしまったけど、「じゃあ早く来て、待ってるから!」と返した。画面の中の彼が、これでもかというくらい満面の笑みで、何度も大きくうなずいた。完成済みのマンションは、すぐに住めて楽だし、面倒な換気や臭いも気にしなくていい!さっそく執事にお願いして、ハウスクリーニングを手配してもらった。五人のスタッフが四時間かけて、隅々まできれいにしてくれた。午後はじっとしていられなくて、タクシーで近くの家具屋さんへ。とにかく「買う」のが今日の最優
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