途中、学而が手伝おうとしたが、早苗に断られた。「見下してるの?」学而は早苗の頑なな態度を見て、自分も既に大きな袋を二つ抱えていて、手伝いにくいと悟り、ようやく諦めた。ただ、7階まで登り終えた時、早苗は汗だくで、彼女を見れば今はまだ夏だったんじゃないかと誤解するほどだった。一方、学而というと、顔色はいつも通り、息も乱れず、ただ心拍数が普段より少し速いくらいだ。凛はドアを開けに来た。二人分のスリッパは既に準備されている。医者によると、凛の怪我をした足の腫れは引いていて、論理上はもう歩ける状態だが、安全を考えて、まだ力を入れすぎず、なるべく歩かないように、とアドバイスされた。だから、ドアが開くと学而と早苗は、凛が片足で跳んできて、立ち止まってからやっと怪我した足を地面につけたとしても、しっかりとは踏みしめていない様子を見た。「もう!凛さん!ゆっくりしてて!」早苗は慌てて支えに駆け寄った。学而も見様見真似で、凛の反対側から支えた。凛は二人の慎重な態度に、苦笑せざるを得なかった。「ただの捻挫で、障害者になったわけでもないのに……」「何を言ってるのよ!」早苗はすぐ言い返した。「そんな言葉は軽々しく言っちゃダメよ!早く撤回して!不吉なことは避けるべきなの!」二人は凛をソファまで支えて座らせた。凛が立ち上がって二人にお茶を淹れようとすると、早苗はもう気が気でなくなった――「足がそんな状態なのに、何をしてるの?私たちには手足があるんだから、水が飲みたかったら、自分で注げばいいでしょ?」学而は口下手だが、あまり話さない代わりに、よく聞いて頷くことができる。早苗が一言を言うたびに、学而は頻繁に頷いて同意を示した。「凛さん、どうして足はまだ完治してないの?もう退院したし、医者も大丈夫って言ってたんだよね?」「本当はもう歩けるんだけど、医者にあと2日は安静にした方がいいって言われてるから、まだ力を入れられないの」「じゃあ……これらの食材はどうする?」学而は足元の買い物の袋を指差し、どう手をつければいいかがわからない様子だった。先ほど、二人がお見舞いに来ると言っていたので、凛はもちろん大歓迎だった。午後3時に約束していたが、凛は時間がまだ早いと思い、夕食を食べてから帰るように提案した。早苗はもちろん
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