「ほら、つけてあげるね」すみれはブレスレットを凛の細い手首にはめ、彼女の雪のように白い肌を一層引き立たせる。「やっぱりね!このデザインと色、あなたにぴったりと思ったよ!」凛は俯いて眺め、見れば見るほど気に入った。「これで終わりだと思ってないよね?」「え?」凛はきょとんとして、顔を上げる。他にも何かあるの?すみれは笑みを浮かべたまま、ウェイターに軽く頷くと、次の瞬間、レストランにシンフォニー『歓喜の歌』が響き渡る。優雅な音楽の中、陽一がケーキを運んで現れ、二人に向かって歩いてくる。ピンクと白のクリームの上には、大きな目と自信に満ちた顔の可愛らしいシュガークラフト人形が立っている。まさに凛の顔に似てるちびキャラで、周りはピンクのパールで飾られている。シンプルで可愛いのだ。「先生?」凛は驚きを隠せなかった。陽一は彼女の視線を受け、薄く唇を上げる。音楽が盛り上がってきたせいか、あるいはレストランの暖房が効きすぎていたせいか、それとも男の笑顔が眩しすぎて目が熱すぎたせいか、揺らめくキャンドルの光の中で、凛は一瞬見とれてしまう。そして――「誕生日おめでとう」陽一は凛の前に立ち止まり、手にした青いアイリスの花束を差し出す。凛ははっと我に返って言った。「あ、ありがとうございます。先生、お花もケーキもとてもきれいです……」青いアイリスの花言葉は、優雅と機敏、夢と希望、そして賞賛と……恋慕だ。すみれはそれを見て、意味深に笑いながら言った。「凛、よく見て?お花とケーキだけじゃないわよ」凛は一瞬戸惑い、手にしたアイリスを見下ろす。突然、視線がある物に止まる――花束の中に、ピンクがかった銀色の小さな箱が隠されている。すみれの励ましの視線と陽一の期待の眼差しの中、彼女が箱を開けると、中からネックレスが現れる。「これは……?」すみれは言った。「兄さんが準備した誕生日プレゼントよ」ネックレスの外側は丸みを帯びた弧を描き、惑星の軌道のようで、「軌道」には9つのダイヤモンドが散りばめている。まるで惑星のようだ。よく見ると、そのダイヤモンドの色は……「カラーダイヤモンド?!」ただの黄色、ピンク、青などではなく、一つのダイヤモンドが光に照らされると、虹色に輝いている!凛は思わず息を飲んだ。
続きを読む