綾乃は、息子の期待に満ちた顔を見て、どうしてもがっかりさせたくなかった。彼女はそっと顔を近づけて悠人のおでこにキスをし、優しく言った。「今夜は、パパとママが一緒に寝てあげるね」その言葉を聞いた悠人は、目をまんまるにして驚きと喜びを爆発させた。「ほんと!?悠人もパパとママと一緒に寝られるんだ!うれしい!」そう言ってから、彼は綾乃のほっぺにキスをして、にこにこしながら雅浩の方を見た。「パパ、ママが一緒に寝てくれるって言ったよ?うれしくないの?」雅浩はぷにぷにした悠人のほっぺをつまんで、笑いながら答えた。「うれしいよ」「うれしいなら、ちゃんと表現しなきゃダメだよ?そんなだからママに嫌われるんだよ」悠人にきっちり説教された雅浩は、すぐにその言葉の真意を悟った。彼は綾乃の方へ身体を寄せ、そっと唇にキスを落とし、優しく囁いた。「ありがとう」綾乃はもう拗ねておらず、悠人を抱き寄せ、小さなお布団をかけてあげた。雅浩が読み聞かせる童話を聞きながら、三人はゆっくりと夢の世界へと入っていった。翌朝、悠人が目を覚ましたとき、パパとママはまだ眠っていた。彼はそっと二人の間から抜け出し、パパの手をママの腰にそっと乗せてあげた。それから布団をかけ直して、静かにドアを開けて部屋を出た。自分の部屋に戻ると、すぐに佳奈に電話をかけた。コール音がしばらく続いた後、ようやく電話が繋がった。佳奈の声はまだ眠気が残っていて、少ししゃがれていて、ふわふわとしていた。「悠人、なんでこんなに早く起きたの?」その声を聞いた悠人は、ベッドの上で飛び跳ねながら興奮気味に言った。「おばちゃん、いいことがあったんだよ!でも、他の人には内緒ね!」佳奈は目を閉じたまま笑って答えた。「うん、わかった。なになに?どんないいこと?」「パパとママが一緒に寝たんだよ!三人で一緒に寝たの!今もパパがママを抱っこして寝てるの!これ、全部悠人が頑張ってくれたおかげなんだよ!」佳奈はくすっと笑って言った。「悠人、えらいね!今度おばちゃんのおうちに来たら、大きなごほうびあげるね」悠人は大喜びで、佳奈にたくさん話をした。そしてようやく電話を切った。佳奈は目を閉じたまま、悠人の可愛い姿を思い出して、自然と口元がほころんだ。ちょ
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