「誓って言うけど、俺はずっと結婚生活を大事にしてきた。彼女が好意を伝えてきた後は、ちゃんと会うのをやめたし、自分の立場もはっきり伝えたんだ。『俺は既婚者で、妻を愛してる。浮気する気なんてない』って。志穂も『わかった、もう邪魔しない』って言ってさ。しばらくは本当に姿を見せなかったし、メッセージも来なかった。あの夜、バーでたまたま会ったんだよ。彼女は『海外から帰ってきたばかりで、偶然だね』って声をかけてきて。俺が落ち込んでるのを見て、何杯か付き合ってくれた。『友達として話そう』って言われて、つい飲みすぎて。ストレスもあって、全部ぶちまけてしまった。途中から記憶が途切れてて、どうやってホテルまで行ったのか全然覚えてない。翌朝目が覚めたら、彼女が裸のまま隣に寝てたんだ。頭もガンガンしてて、前の晩のことはまったく思い出せない。関係があったのかどうかもわからなかったけど。ただ、怖かった。男女が同じ部屋にいて、しかも裸で寝てるなんて。『俺、何かしたのか?』って聞いたら、志穂が笑いながら近づいてきて、『最近セックスしてなかったの?昨夜はすごかったよ、私もうクタクタ』って言うんだ。もう頭が真っ白になったよ。その瞬間、お前に顔向けできないと思った。何をどうすればいいかもわからなくて。でも志穂は俺の顔を見て、『責任は求めない。一夜の過ちってことでいいじゃない。離婚を迫ったりしない』って言ってくれたんだ」そこまで話すと、明は顔を真っ赤にして、後悔の色を滲ませながら焦り始めた。「あの朝以降、彼女が姿を消してくれれば、このまま秘密にできると思った。お前には本当に申し訳ないと思ってたけど、どうしても言えなかった、言い出せなかったんだ」あまりにひどい言い訳に、思わず笑ってしまった。「つまり、私にバレなきゃ、浮気してないことになるってこと?」「違う!この罪はずっと背負っていく。お前への償いとして、これからはもっと尽くすつもりなんだ」その言葉を聞いたとき、ふと思い出した。昔ネットで見かけたあの一文。「人に長く尽くさせたいなら、罪悪感を持たせるのが一番」ってやつ。その罪悪感が、より深い優しさと献身を生む、って理屈。確かに、状況によっては通用するかもしれないけど、少なくとも浮気には絶対当てはまらない。「へぇ、じゃあ、彼女との関係を
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