言葉が終わらないうちに、個室の外でノックの音が響いた。来たのは清司と辰也だった。清司がドアを開けて中を覗くと、人の多さに驚いた。「こんなに人がいたのか?」このレストランは彼の家の経営だ。彼と辰也は夕食に来ていたが、マネージャーから智昭が来ていると聞き、挨拶だけと思って立ち寄ったところ、こんなにも人がいるとは思わなかった。しかも顔見知りばかりだ。これだけ人が集まっているのを見て、清司は二人だけで食事するのもつまらないと思い、口を開いた。「智昭、こんなに人がいるんだし、俺と辰也も加わってもいいかな?」智昭は言った。「三井教授、湊さん、いかがでしょうか——」さっき三井教授が大森家と遠山家を招いた手前、智昭の友人の申し出を断るのが難しかった。「もちろん構いませんが、湊さんは——」礼二は笑って言った。「島村さんも村田さんも旧知の仲ですから、もちろん構いません」最初に大森家や遠山家が加わったときは、彼も少し不機嫌だった。でも今は、世界中の人が来ても構わないくらいだ。二人増えたところで気にするはずもない。最近、結菜は辰也に会いたがっていたが、彼は避け続けていた。ようやく会えた彼女は立ち上がって言った。「辰也さん、こっちに座って」辰也は彼女を無視し、清司と一緒に智昭の隣へ椅子を二つ追加させた。二人が座った途端、またノックが響いた。今度入ってきたのは、淳一と彼の会社の主力エンジニア三人だった。藤田グループのこのプロジェクトには、彼の会社も関わっている。中に入ってこの人数を見て、彼も驚いた。けれど彼が驚いたのは、玲奈や礼二がいることではない。智昭がこの案件で長墨ソフトと手を組んでいるのはもう周知の事実だった。驚いたのは、優里や遠山家、それに大森家の人々までいることだった。入ってきた彼は優里の顔に一瞬視線を走らせてから言った。「皆さん、遅れてしまいすみません」智昭は言った。「遅くありませんよ、俺たちも着いたばかりです。徳岡さん、どうぞ」淳一は座る前に三井教授に挨拶した。「こちらが三井教授ですね、お名前は以前から伺っておりました」「おお、徳岡さんでしたか。こんにちは、どうもどうも」慎也が予約していたのはもともと広い個室で、大きな円卓は二、三十人でも余裕で座れる。優里、辰也、清司ら六七人が増え
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