その夜、玲奈は一晩中病院にいて、ほとんど眠らず、夜明け前にようやく一時間ほど眠った。彼女が目を覚まし、顔を洗ったばかりの時、智昭と茜が病院に着いた。智昭は言った。「茜ちゃんがお前に会いたいって」そう言うと、彼女の側を通り過ぎて病室に入り、手に持っていた弁当箱を病室のバルコニー横の小さい丸テーブルに置く。人工呼吸器を付けている青木おばあさんを一瞥して言った。「まだ目を覚ましていないのか?」玲奈は首を横に振る。智昭はそれ以上尋ねず、茜も学校があるから、彼らはすぐに去っていった。夜、茜が学校から帰ると、二人はまたやって来た。玲奈は彼らがこんなに頻繁に来るとは思わなかった。それに、茜が来るのはまだしも、まさか智昭まで付いてくるとは。茜が自分にまとわりつき、見上げる目も自分にすがりつくように見えて、玲奈は、茜の自分への依存とおばあさんへの心配を感じ取れる。茜の気持ちは伝わってきたが……彼女は智昭に言った。「茜ちゃんはまだ小さいから、病院に頻繁に来るべきではないわ。気をつけて」智昭は「うん」と言った。その夜は美智が病院で青木おばあさんの付き添いをし、玲奈は翌朝になってから病院へ向かう。病院に着いて車から降りた瞬間、結菜と佳子、それに大森おばあさんたちの姿が見える。彼女たちも玲奈を見て驚いたようだ。玲奈は彼女たちを無視し、弁当箱を提げてそのまま階上へ向かっていく。到着すると、燕たち数人の医師が、ちょうど青木おばあさんの最新検査結果を見終わったところだ。状況をほぼ把握し、玲奈が病室に戻ると、智昭と茜がまた来ているのが見える。智昭は果物バスケットを置きながら言った。「先日お願いした件で、まだ直接お礼が言えていなかった。文田先生たちに感謝しに来た」玲奈はこれを聞き、茜に美智と一緒に病室に残るよう言い、自ら智昭を連れて燕たちを探しに行く。しかし、二人が少し歩いただけで、病院の廊下で燕たちに出くわした。智昭は丁寧に挨拶した。「おばあさんの容態が安定したと伺いました。先生方、お疲れ様でした」「依頼を受けたからには忠実にこなすまで。遠慮なさらずに」燕と智昭は昔からの仲らしく、玲奈を一瞥した後、視線を智昭に向けて笑った。「今回は私たち全員を呼び出すとは、さすがに気が利いているね。でも、長い付き合いなのに、こんなに大げさにするのは初めてじゃない?青木さん
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