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第583話

Author: 雲間探
結菜は見れば見るほど気に入ったが、優里の顔に何の変化もないのを見て、彼女が気に入っていないことがわかる。

考えてみれば当然だ。優里は智昭と知り合って以来、何であれ、手に入れるのはすべて最高のものだった。ましてや智昭は彼女にプロポーズするために、特別に最高級のダイヤモンドを購入したのだ。そのダイヤモンドと比べれば、このリングにあるダイヤモンドは――

結菜がそう考えていると、そばにいる店員は優里と結菜が身に着けているものがすべてブランド品なのを見て、金に困っていない人たちだと察し、熱心に紹介した。「ダイヤモンドリングをご覧になりたいのでしたら、こちらにもっと良いものがありますよ。どうぞこちらへ」

優里は確かにここで並んでいるアクセサリーには興味がない。

これ以上見る価値も感じられない。

しかし、彼女が気に入らなくても、結菜は気に入ったようで、とても興味を持っている様子だ。

数千万円の宝石ならこの店にもある。店員が取り出した数点のダイヤモンド製品の中に、結菜が一目見ただけで、足が止まったネックレスがあり、目を輝かせて尋ねた。「このダイヤモンドネックレスの一番大きなダイヤは何カラットある?」

店員は結菜に購入の意思があると見て、嬉しそうに言った。「お客様、さすがお目が高いです。このダイヤモンドネックレスの石は、当店のすべてのジュエリーの中で最大で最高、最も美しい一つです。その大きさは――」

そばでジュエリーに興味がなく、つまらないと思っている茜は、そのダイヤモンドをつま先立ちでちらっと見た。そして店員の話を聞いて、その言葉が終わらないうちに眉をひそめ、不思議そうに優里を見て言った。「これが店で一番大きい物なの?すごく小さいものに見えるのに」

店員はその言葉を聞いて、笑顔が少し固まり、たぶん子供はダイヤモンドのことをわかっていないのだろうと思った。

実際、店員だけでなく、結菜と優里もそう思っている。

店員が苦笑いしながら説明しようとすると、茜が続けて言った。「この前、ママの誕生日の時、パパがママに買ったダイヤモンドは、本当に大きいよ。私の手でも持ちきれないくらいの」

彼女の言葉が終わると、店員は一瞬固まった。

茜が嘘をついているとは思わないが、彼女の言う「パパ」が、ママに偽物のダイヤモンドを贈ったのではないかと疑っている。

だって、茜の手に収まらな
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Comments (120)
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maronni_haduki
わかります。 これを機に、なんか違うな…ていうのを茜ちゃんには感じとって欲しいですね。 でもなー丸め込まれちゃうかな…んん頑張って欲しいところです。
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あおい
ニブチン礼二の覚醒待ってます 茜に空気読む能力が育てばいいねと他人事 だって玲奈には離婚して、礼二とラブラブして欲しいんだもん
goodnovel comment avatar
ゆーい
陽子さま。 親族なのに藤田おばあさまなどに会った事がない、プレゼントは凄い、ほんまもしかしたら今から命の恩人説? でも玲奈は正雄が優里を紹介した、優里は大学の授業終わりに会ったって言ってるし、もう頭がこんがらがります…。 ほんと何て説明してるんだろ…。 今智昭と茜ちゃんと出掛けてるのは「仲直り協力して」っぽいですよね。 いつまで続くんだろ、このよく分かんない状態が…。
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