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第581話

Author: 雲間探
その夜、玲奈は一晩中病院にいて、ほとんど眠らず、夜明け前にようやく一時間ほど眠った。

彼女が目を覚まし、顔を洗ったばかりの時、智昭と茜が病院に着いた。

智昭は言った。「茜ちゃんがお前に会いたいって」

そう言うと、彼女の側を通り過ぎて病室に入り、手に持っていた弁当箱を病室のバルコニー横の小さい丸テーブルに置く。人工呼吸器を付けている青木おばあさんを一瞥して言った。「まだ目を覚ましていないのか?」

玲奈は首を横に振る。

智昭はそれ以上尋ねず、茜も学校があるから、彼らはすぐに去っていった。

夜、茜が学校から帰ると、二人はまたやって来た。

玲奈は彼らがこんなに頻繁に来るとは思わなかった。それに、茜が来るのはまだしも、まさか智昭まで付いてくるとは。

茜が自分にまとわりつき、見上げる目も自分にすがりつくように見えて、玲奈は、茜の自分への依存とおばあさんへの心配を感じ取れる。

茜の気持ちは伝わってきたが……

彼女は智昭に言った。「茜ちゃんはまだ小さいから、病院に頻繁に来るべきではないわ。気をつけて」

智昭は「うん」と言った。

その夜は美智が病院で青木おばあさんの付き添いをし、玲奈は翌朝になってから病院へ向かう。

病院に着いて車から降りた瞬間、結菜と佳子、それに大森おばあさんたちの姿が見える。

彼女たちも玲奈を見て驚いたようだ。

玲奈は彼女たちを無視し、弁当箱を提げてそのまま階上へ向かっていく。

到着すると、燕たち数人の医師が、ちょうど青木おばあさんの最新検査結果を見終わったところだ。

状況をほぼ把握し、玲奈が病室に戻ると、智昭と茜がまた来ているのが見える。

智昭は果物バスケットを置きながら言った。「先日お願いした件で、まだ直接お礼が言えていなかった。文田先生たちに感謝しに来た」

玲奈はこれを聞き、茜に美智と一緒に病室に残るよう言い、自ら智昭を連れて燕たちを探しに行く。

しかし、二人が少し歩いただけで、病院の廊下で燕たちに出くわした。

智昭は丁寧に挨拶した。「おばあさんの容態が安定したと伺いました。先生方、お疲れ様でした」

「依頼を受けたからには忠実にこなすまで。遠慮なさらずに」燕と智昭は昔からの仲らしく、玲奈を一瞥した後、視線を智昭に向けて笑った。「今回は私たち全員を呼び出すとは、さすがに気が利いているね。でも、長い付き合いなのに、こんなに大げさにするのは初めてじゃない?青木さん
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Comments (70)
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ソメイヨシノ
トラ子さん 呆れる程の ポジティブ一家ですから 都合の良いとこ取りですよ〜 TAMAMIさん 狭い首都なのに レストランでも 病院でも 行くところ 全てクズ一家遭遇 他の何方にも 見られることが無い 作者が重宝してても 読む方は呆れるだけ 当て馬3兄弟でも ずんいちでも どなたでも良いから 違う方にも目撃者に なって欲しいですよね
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トラ子
nさん 今は、以前とは逆に、玲奈に無視された智昭が一生懸命すり寄ってるの、楽しいですよね。 勝負事に強い智昭が、玲奈の前で空回りしているのも笑えます。 智昭は離婚したいはずだと思い込んでいる玲奈ですが、実は智昭が離婚したくないことに気がついたら、どうするんでしょうね。 玲奈は、離婚前提で一年以上を過ごしてきたから、気持ちの切り替えは大変でしょうが、茜ちゃんのことを考えて、離婚を取りやめにするかも。 離婚推奨派としては、玲奈を離婚させてあげたいから、玲奈には、智昭の気持ちに気づいてほしくない。 ニブチン玲奈さんが、このまま、智昭の気持ちに気づかないことを、願います(。>人<)
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トラ子
春野翠さん どなたかもここで書いていたのですが、外国に行ったのは、茜ちゃんの骨髄移植とか腎臓移植とかかもと思ったりします。 でも、玲奈がお世話をしていて、そんな茜ちゃんの異変に気づかないはずはないんですけどね。 もし万が一玲奈が気づいていないとしたら、玲奈に心配させないように、智昭が外国に連れていき、優里から臓器提供を受けた可能性がありそうです。 あくまでも、想像です。 どちらにしろ、智昭と玲奈は意思疎通がまるで足りてないですよね。
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