その頃、朱莉は修也と一緒に家具屋に来ていた。ここに来た目的は、蓮の本棚を買う為でった。明日香が隣の翔の部屋に借り暮らしをするようになってからは連日のように新しい絵本を蓮の為に持ってくるようになり、本棚がいっぱいになってしまったからである。「各務さん、申し訳ございません。折角のお休みの日なのに買い物に付き合っていただいて」朱莉は申し訳なさそうに謝った。「いいんですよ。そんなこと気にしないで下さい。僕の車は大きいので蓮君の本棚を買って持ち帰れますからね」修也が昨日朱莉に電話を入れた時に蓮の本棚の話になり、大きい本棚を買いたいと言う話を聞かされた。そこで買いに来る約束を交わしていたのだ。この家具屋は外国製の家具を扱っており、それぞれテーマ別ごとに売っている。朱莉と修也は今子供部屋コーナを見に来ていた。「あ、朱莉さん。この本棚どうですか?」修也がある一つの本棚の前で足を止めた。朱莉もその本棚を見て笑顔になった。「まあ……すごく素敵な本棚ですね。まるで図書館の絵本コーナーの展示用の本棚みたいです」修也が指示した本棚は木製の本棚ラックで、上段と下段に分かれている。上段はディスプレイとして見せられるように表紙を上にして収納でき、下段は縦置きですっきり収納できるデザインとなっている。本棚も低く作られているので小さな子供でも無理なく収納できる可愛らしいデザインだった。「へえ~この家具、北欧製ですよ。どうりでデザインが素敵なはずだ」修也は商品説明プラカードを見て納得している。「各務さん、私、この本棚が気に入りました。これにしたいと思います」「いいですね。どうやらこの本棚は組み立て式になっていますよ。それじゃ早速買いましょう。組み立てなら僕がやるので任せて下さい」修也は笑顔で言うと、商品番号を調べて梱包された商品を大型カートに詰め込み、2人でレジへと向かった。並んで歩きながら朱莉は尋ねる。「でもよろしいんですか? 本棚の組み立てなんて。そこまでお願いしても……」「ええ、いいんですよ。どうせ僕は暇な人間なので。それに朱莉さんは午後からお母さんの面会ですよね?」「はい、先週は母の面会に行くことが出来なかったので」「そう言えば、蓮君アスレチックから落ちて左腕を怪我したんですよね? もう治ったんですか?」「ええ、思った以上に怪我の具合が軽かったんです。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-20 Baca selengkapnya