このままではいけないと思った朱莉は自分の考えを伝えることにした。「ですが……蓮ちゃんは翔さんと明日香さん……お2人の子供なんですよ? 蓮ちゃんはどうするのですか……?」『朱莉さん……ひょっとして泣いてるのか……?』「……」しかし、朱莉は返事をすることが出来なかった。蓮がかわいそうで、口を開けば涙がこぼれそうだったからだ。『ごめん……言い過ぎた。この件は電話じゃ無理だな。明日香とも一度きちんと話し合わなければならないし』「はい。蓮ちゃんの将来に係わる話です。どうかお2人でじっくり話し合って下さい」『いや、違う。2人じゃない……3人でだ。朱莉さん、君も話し合いに参加するんだよ』「え? で、でも私は……」『朱莉さん』すると翔が朱莉が何か言う前に口を開いた。『朱莉さん、君だって、例え血の繋がりが無くたって……蓮の母親なんだ。当然話し合いには参加してもらう。いいね?』「はい……分かりました」朱莉は翔の有無を言わなさい物言いに従うしかなかった。翔には考えがあったのだ。明日香と朱莉を同じテーブルに着かせ、自分が今愛しているのは朱莉だから蓮を自分の息子にするのは諦めてくれと告げる計画を考えていたのだ。しかし、朱莉にはそんな翔の思惑に気付くはずも無かった。『それじゃ朱莉さん。今度からは時々連絡を入れるようにするから蓮や明日香の様子も時々教えてくれるかい?』「はい。でも翔さんからは明日香さんに連絡を入れないのですか?」『え……? 俺から?』「はい、翔さんと明日香さんが今後の事を決める為にもそろそろお2人で話し合いを始めたほうがいいかと思うのですが」(そうよ……もう私1人では明日香さんの蓮ちゃんに対する訴えを聞き入れるのは限界だもの)『そうだな……考えておくよ』「はい、どうぞよろしくお願いします」『あと……修也のことなんだけど……』「はい? 何でしょう?」『い、いや。何でもない。それじゃそろそろ切るよ。又ね、朱莉さん』「はい、分かりました。又」そして2人は電話を切った。電話を切ると朱莉は呟いた。「翔さん……各務さんの何を言おうとしてたのかな?」朱莉はまさか翔が修也に嫉妬しているとは思いもしなかったのだ――**** 16時過ぎ――「ただいま~」「ただいま、朱莉さん」蓮が明日香と一緒に元気よくマンションへ帰って来た。「お
Terakhir Diperbarui : 2025-06-24 Baca selengkapnya