「一人って言ってたけど、何でこんなダンジョンの中に居たんだ?」 『あぁ、それはこの泉が私達にとって居心地がいいからよ。偶に遊びに来るの。まぁ、こんな罠があったことを考えると他の子が来なかったのは幸いだったかもね』 「遊びにって、魔物とかも徘徊しているのに危険じゃないのか?」 『魔物なんて私達からしたら居ないも同然よ。気づかれることも触れられることも無いんだもの』なるほど。妖精にとっては魔物達は無害な生物ということか。それならダンジョンに遊びに来るというのも分からなくはない。「むぅ、姿は見えたけどやっぱり声は聞こえないわね。何でアキツグだけ・・・って、これロシェの時と同じね。ってことは言語知識の問題かしら?」ミアにそう言われて気づく。確かにそれなら俺にだけ聞こえるのは理解できる。とはいえ、俺が持っている知識で該当しそうなのは・・・ハーピィではないだろうし、精神体か?「質問なんだが、妖精って精神体なのか?」 『へぇ、よく分かったね。そう、私達は実体を持たない存在なの。だから通常だと実体を持つ存在には姿も見えないし声も聞こえないの・・・そのはずなんだけど、あなた何者なの?』 「ちょっと事情があってな。精神体の言葉が理解できるようになっただけだ」 『だけって・・・』やっぱりそうか。ってことはロンメルさんみたいに肉体を失ったら話が通じるようになるのか?いやまぁ、そんな事態には誰もなりたくないだろうけど。 と、そこまで考えて今回は言語の交換をしていないことに気づく。「なぁ、君は何で人間の言葉が理解できるんだ?」 『人間の言葉?あぁ、暇つぶしに覚えたのよ。妖精は基本的に寿命はないから、戯れで他種族の言葉を覚えたりすることも良くあるの。実際にその種族と話すことはほとんどないけどね。そもそもこっちの言葉が聞こえる存在がほとんど居ないし』 「寿命がない?」 『さっきも言った通り精神体だからね。とは言っても永遠に存在していられるわけでもないのだけれど、流石にそこは秘密ね。種族の存続にも関わる話だもの』よく分からないが、寿命はないが何かあれば消える?ことはあるらしい。
Terakhir Diperbarui : 2025-08-08 Baca selengkapnya