魔法都市マナフォースには、到着から二週間ほど滞在した。 議会承認と手続きが終わるのを待っている間、俺とバルトは約束を果たすべく動いていた。 マナフォース内の難民をまとめて奴隷にする計画だ。……なんか、まるで悪人みたいな言い方になってしまったな。 それはともかく。 元首であるディアドラとマナフォース議会の許可のもと、衛兵たちの力を借りて難民を町の外に追い立てる。 逃げようとする者は強制的に捕まえた。老若男女、子供でも容赦なしだ。 ちょいと心が痛むが、難民たちはマナフォース住民に迷惑をかけ続ける存在でもある。それに何より、このままここに居座ったっていいことは何もない。手心は加えるべきじゃないだろう。 町の外に追い出した難民は、奴隷商人が片っ端から捕まえて手かせをつけていった。 数は百人以上はいるな。あちこちから悲鳴が上がっている。 胸くそ悪いがここで止めるわけにはいかない。「お前たちは許可なくパルティアから逃げ出し、マナフォースに不法入国をした。マナフォースにとっても、パルティアにとっても、お前たちは犯罪者だ。犯罪者が奴隷になったとて、文句はないよな?」 バルトが冷たい声で言う。 抗議の声は完全に黙殺されてしまった。 次は俺の番だ。「俺はユウ。今回、奴隷商人を手配してお前たちを買い付けた。俺は事情があって、人手をたくさん必要としている。だからお前たちを使う予定だ。ただし行き先が北の土地で、成功の保証はまだない。だからお前たちが選ぶといい。俺といっしょに北で開拓をするか、パルティア王国に残って奴隷として過ごすか」「北で開拓するだって? 無茶な!」 難民たちの間から声が上がる。「南の土地だって開拓村は潰れてばかりなんだ。北で開拓なんかしてみろ、全員寒さの中で飢え死にだろうが!」「そうだ、そうだ」「そんな自殺まがいのことに付き合っていられるか」 だいぶ評判が悪いな。ここで人手を確保できないと困る。 そこで俺はさらに言った。「勝算はある
Last Updated : 2025-05-18 Read more