俺とバルト、エリーゼの三人は魔法都市マナフォースに向かう前に、俺の家に立ち寄った。「旅の準備もあるし、何より手土産が必要だからね。何の見返りもなく動いてくれる人なんて、まずいないから」 とは、バルトの言である。「手土産は何がいいと思う?」 俺の質問に、バルトが答えてくれる。「そりゃあ魔法関連だよ。マナフォースは魔法オタクたちの巣窟だから。レア度の高い魔法書や古文書、魔法使いにぴったりの護符や杖、法衣なんかをどっさり持っていけば、物欲で働いてくれるはず」「魔法書ならかなりの数を溜め込んでいる」 ダンジョンに行けばときどき魔法書が落ちている。 難易度の高いダンジョンであれば、レア度の高い魔法書もある。 昔は取っておく場所がなくて売り払っていたが、今は家と倉庫があるからな。 貴重そうな魔法書は倉庫にしまってあるぞ。 で、俺自身は魔法使いとしてせいぜい中級クラスなので、レア魔法書は読んで身につけることができない。 ルクレツィアは生粋の戦士だし、クマ吾郎は熊だ。 うちじゃ誰も高度な魔法を使えないので、倉庫の在庫が増えるばかりなのである。「倉庫はこっちだ」 バルトを連れて行くと、彼は絶句した。呆然としている。 いつも本音を見せない彼にしては珍しい。「どうした?」「どうしたもこうしたも……超レアアイテムが山になってるじゃないか!」「それはそうかも」 何せ最近は、世界最強の熊と化したクマ吾郎が大暴れ。 かなりの難関ダンジョンを安定して攻略している。 俺自身は超一流冒険者の腕前になって、めったなことでは負けなくなった。 女戦士のルクレツィアも俺に次ぐ強さで、魔物も店を襲う強盗もなぎ倒している。「儲けているとは知っていたけど、ここまでとは思わなかったよ……」 バルトに恨みがましい目で見られてしまった。「超がつくくらいのレアアイ
Terakhir Diperbarui : 2025-05-13 Baca selengkapnya