竜虎と清婉が眠りについた頃、無明と白笶は逢魔を呼んで三人で湯に浸かっていた。乳白色の温泉は露天風呂で、顔は涼しく身体はその分あたたかい。 話し合った後に一度みんなで入ったので、無明と白笶は本日二度目の湯だった。逢魔は正直な話、湯に浸かる必要はないのだが、どうしても一緒にと無明が言うので、男三人で浸かっているのだ。(それにしても細いな。ちゃんとご飯食べてる?) 生白い自分の肌は仕方ないとして、無明は細い上に色白だ。いつもと違い、頭の天辺にお団子を作って纏めている。ほんのりとお湯のおかげで色付いているが、手足も腰も細いことに変わりはない。「どうしたの? 今日は静かだね、」 珍しいものでも見るように、無明は逢魔に声をかける。「まったりしてるだけだよ。ああ、そうだ、ほら、前に言ったこと憶えてる? 神子の印のこと」 あの渓谷で衣を剥がれたことを思い出す。無明は今更だが恥ずかしくなってきた。あの時は呆然としていたが、今思えばすごいことをされていたのだと。「俺、そんなの見たこともないんだけど。白笶、知ってる?」 なぜ自分に訊くのか、と白笶は心の中で激しく動揺をする。しかしいつもの如く顔には出ない。便利な顔だと逢魔は肩を竦める。「腰の、······右側に、······五枚の花びらの痣が······」 主に忠実な華守は、口ごもりながら答える。それを聞いて、逢魔は大爆笑していた。「あはは! もうホント、最高だよ! わ、笑いすぎて、腹が痛いっ」「逢魔、なんで笑ってるの? そんなに変な痣なの?」「ちがっ······そうじゃなくてっ······くくっ······」 バシャバシャと湯を叩いて、逢魔は涙目で引きつりながら答える。(変わらないなぁ。うん、ふたりは昔からこんな感じだった) 幸せだ、と逢魔は眼を細める。よしよしと無明の頭を撫でて、その手をそのまま頬に滑らせて囁く。「とても、綺麗だよ、」 かあぁあと無明は真っ赤になる。顔が良い逢魔は、まるで恋人に言うように真顔でそんなことを言うので、思わず言葉を失ってしまう。「逢魔って、······いつもそうなの?」「あなたにだけって、言ったでしょ?」 ふっと微笑を浮かべ、絵に描いたような美しい青年が顔を覗き込んで来たかと思えば、急にその顔が遠ざかる。「近い。離れろ」 白笶が無明の肩を抱いて自分の方へ避
Last Updated : 2025-11-03 Read more