舞もすぐにつき加えるように言った。「小山さん、彩姉さんの言う通りかもよ。その子、もしかしたらデブでブスかもしれないし、会った瞬間に幻想が崩れるかも」彩と舞は、皮肉たっぷりにあの後輩のことを揶揄し始め、場の雰囲気を変えようとしている。しかし辰巳は全く気にせず、むしろ堂々と言い放った。「綺麗なだけの空っぽ美人なんて今まで散々見てきたけど、全然面白くないよ。この子が仮に見た目がまあまあでも俺は好きだ。嫁にもらえば、家系の遺伝子改善にもなるしな」彩「……」舞「……」どうやら辰巳の心は完全にその天才の後輩に奪われてしまっており、もう誰にも止められそうにない。その場にいた他の御曹司たちが笑いながら聞いた。「小山さん、その子って、今フリーなのか確認した?」実は辰巳はその人が誰なのか、いまだに全く知らない。以前、彼はチャットグループでその人をアットメンションし、彼氏がいるかどうかと聞いたのだが、返ってきたのはたった三文字だった。【消えろ】辰巳はすぐにスマホを取り出した。「今から彼女にライン送る」御曹司たちは大興奮した。「早く送れ送れ!」辰巳はグループに入り、Mをアットメンションしてメッセージを送った。【ねえ、彼氏紹介しようか?超イケメンでスマートで、君のことが大好きなんだよ】辰巳は長文のラブコールを向こうに送った。しかし、待てど暮らせど、あの人からの返信はなかった。ハハハッ!御曹司たちは爆笑した。「小山さんのラインに返信しない女がいるなんて!前の女たちは秒速で返してたのにさ!」辰巳はちょっとむっとして言い返した。「焦るなって、たぶん彼女はまだスマホ見てないだけだ」その時、グループにH大の学長であるサイから資料が送られてきた。サイは司とMをアットメンションした。【これはフォーラムの資料だ。時間ある時に目を通してね】司は、ずっとソファにゆったりと座ったままで、辰巳たちの賑やかさなどまるで無関心だった。彼はスマホで学長からのメッセージを見て、たった二文字と返信した。【了解】ほぼ同時に、Mも【了解】と返してきた。辰巳「……」パッ。辰巳は自分がビンタされたような気分だった。「ハハハッ、小山さん、スマホ見てないって言ってたのに、今バッチリ見てるじゃん!彼女、小山さんに返信する気ゼロだね!」辰巳はスマ
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