今回の誕生日パーティーに、月は多数のメディア記者を招待した。今まさに人気絶頂の彼女のために、彼らはこぞって駆けつけ、顔を立てた形だ。本来ならこの機会にさらに一段ステップアップするつもりだった。だが、突如現れた亮介が、衝撃的な暴露を持ち込んできた。現場は一気に騒然となり、記者たちはすぐにカメラを構え、「カシャカシャ」と無遠慮にシャッターを切った。「ツキちゃん、本当に彼氏がいたんですね?」「まさか、工事現場で働く彼氏の稼ぎで大学に通っていたとは!」「じゃあ、あのツキちゃんの清楚系のキャラは、ファンを騙すためだったんですか?」月はまさかここまで事態が急変するとは思ってもみなかった。今や現場は完全にカオスだった。彼女は慌てて叫んだ。「撮らないで!やめて!」そのとき、彼女がふと二階に目をやると、彫刻が施された手すりの前に一人の気品ある美しい男が立っていた。司だった。司が来ていた。彼は上から見下ろすように、その一部始終を黙って見つめていた。月の顔色が一変した。まずい、司に彼氏がいることがバレてしまった。彼にすべての真実を知られては絶対にダメだ。「本日の誕生日パーティーはこれで終了します!」と、月は踵を返して立ち去ろうとした。もう誕生日なんて祝っていられない。彼女はただただここを離れたい一心だった。しかし、亮介が手を伸ばし、彼女の腕を掴んだ。「月、どこに行くんだ?」「放して!」「君が妊娠してること、いつまで隠しておくつもりだ?」は?月は体が硬直した。亮介はどうやって自分が妊娠していることを知ったの?「な、何言ってるのかわからない……」亮介はすぐに一枚の紙を取り出した。「これ、病院からの妊娠検査報告書だ。月、まだ認めないつもりか?」数日前、自分が病院で検査を受けた。だが、その妊娠報告書はどうして亮介の手にあるの?月は慌ててその報告書を取り返した。「どうしてこれを持ってるの?」「誰かからもらったんだ」誰か?「誰か」って誰なの?「月、俺の子どもを妊娠してるのに、どうして教えてくれなかったんだ?一体何を考えてる?」「黙って!」月は激しい感情で亮介を怒鳴りつけた。「お腹の子は、あなたのじゃない!」自分のお腹の子は、司の子でなければならないのだ。今、司はあの二階に立っている。嫌だ、お願い、
Read more