シルヴィアンナと取り巻きたちは、当然のことながらぐぬぬとなっていた。「シルヴィアンナ様。あんなのはオカシイですわよ」「そうですわ。ズルみたいなものですわ」取り巻きたちの言葉にシルヴィアンナは目で頷き、教壇の前に躍り出た。教師が彼女に用件を訊ねる目をする。シルヴィアンナは切り出す。「ちょっと先生。ブラッドヘルムさんのは不合格ではないですか!?」シルヴィアンナの声は鋭く響き渡り、一瞬でクラスが静まり返った。教師はシルヴィアンナに問う。「と仰いますと?」「あのような、椅子の下で低空飛行し続けることを、魔法で浮遊させることとして認めてしまってもよろしいのですか?あんなもの、魔法とは認められないと思いますわ」「しかし、ルール上も問題はないですから」「そういうことを言っているんじゃありませんわ。あんなものを魔法と認めてしまってよろしいのかと、わたくしは申しております!」シルヴィアンナは肩をそびやかし、退く姿勢をまったく見せない。クラスメイトたちが息を飲んで見守る中、リザレリスが足を踏み出した。
最終更新日 : 2025-06-05 続きを読む