理恵の投稿には、蓮司本人からのレス以外に新たな返信はなかったが、リアルタイムの閲覧数はすでにトップに達していた。理恵は、それが裏で密かに事の成り行きを見守っている野次馬たちが、アクセス数を押し上げているのだと知っていた。トップになるのは良いことだ。わざわざ金を払ってトレンド入りさせる手間が省ける。この掲示板は業界内部の人間専用で、招待コードがなければ入れない閉鎖的な空間だ。だからこそ、情報は瞬く間に業界内に広まり、蓮司の恥ずべき本性が改めて周知されることになるだろう。理恵はまだキーボードを叩き続けていた。過去に蓮司が透子に対して行った数々の暴挙を、一つ残らず羅列して痛烈に批判するつもりだったのだ。その時、机の上の携帯が鳴った。理恵が画面を見ると、母からの着信だった。理恵は電話に出て尋ねた。「お母さん、何?」母は厳しい口調で命じた。「掲示板のあの書き込み、すぐに消しなさい」理恵はそれを聞き、心の中で舌打ちした。さすがに広まるのが早い。母がもう知っているということは、会社の誰かがIDを特定して報告したのだろう。理恵は即座に拒否した。「嫌よ。新井があんな非道な真似をしたのに、文句言っちゃいけないわけ?新井グループの門の前で横断幕を掲げたり、マスコミを集めて暴露したりしないだけ、感謝してほしいくらいよ」まだ掲示板にスレッドを立てただけだ。しかも業界内の掲示板で。理恵にしてみれば、これでもまだ生温いくらいだった。母は電話の向こうで諭すように言った。「親友のために腹を立てるのは分かるわ。でも理恵、あなたの発言は柚木家の立場を代表しているのよ」公然と蓮司を攻撃することは、すなわち新井家を敵に回すことを意味する。蓮司は、新井のお爺さんの唯一の嫡孫なのだ。たとえ隠し子が帰国したとはいえ、最終的に新井家を継ぐのは蓮司しかいない。母は理恵が透子と仲良くすることに反対しているわけではなく、むしろ歓迎していた。だが、それは柚木家をトラブルに巻き込まず、既存の利益を損なわないことが前提だ。母はさらに言葉を重ねて説得した。「早く削除しなさい。お父さんに知られたら、叱られるわよ。正義感も結構だけど、後先考えずに行動するのはやめなさい」彼女が知ったのは早かった。婦人会のネットワークは情報通で、すぐに知らせが入ったため、事態が
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