Semua Bab 生きた魔モノの開き方: Bab 41 - Bab 50

81 Bab

41菓目:蜜月の琥珀糖

 僕が、血文字から再生した記憶のすべてを語り終えると、エルドリスは深く息を吐いた。 「なるほどな。ラシュトという存在は、実際にはラシュトとエンリオの双子の兄弟が融合したモノだったわけか」  エルドリスの表情にはわずかな驚きとともに、ある種の納得が浮かんでいた。 「つまりあれこそが"元人間の魔物"。まるで人間と変わりなかった。ああいうモノがこの世に存在すると確かめられたことは、ひとつの大きな成果だな」「でも、まさか転生の魔法なんてものがあるなんて……」  僕の呟きに、エルドリスの目が鋭くなる。 「それは黒魔法の類だ。深く知らない方がいい」  僕はその反応に興味を惹かれ、身を乗り出す。 「黒魔法って、そんなに危険なんですか?」「いいから、もう聞くな。お前が知っても得することはない」「ですけど、転生の魔法がメジャーな黒魔法なんだとしたら、他にもそれを使って魔物になった人間が大勢いるのかも」「メジャーなわけがないだろう、黒魔法だぞ。その意味を知っているか? 禁忌だ。それについて知ろうとするだけで刑罰ものだ」  エルドリスは話を強引に終わらせるように、背伸びをして大きな欠伸をひとつした。 「私はこれから仮眠を取る。お前も仕事に戻ったらどうだ」  このままでは追い出されると思った僕は、とっさに話題を探して口にした。 「あ、あのっ! 実は僕、今日から三日間、非番なんです。何か欲しいものがあれば街で買ってきますよ!」  必死さが伝わったのか、エルドリスは僕の申し出を無下にはせず、しばらく考える仕草をしたあと、ふっと目を細めた。 「それなら、『蜜月の琥
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-11
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42旅目:永いお使い

 往復十八時間の旅。ぼうっとしている時間はない。いや正確には、乗り物にさえ乗ってしまえば、あとはぼうっと本でも読んでいるしかなくなるのだが。  とにもかくにも、次のミラニア行きの高速船に絶対に乗りたい。僕は急いで寮の自室へと戻った。  監獄を離れるときにしか着ない私服は、生成りのシャツに、細身の紺色のパンツ、そして履きなれた革靴だ。それらに着替えて、旅用のバッグにシャツの替えと手回り品を詰め、港へ走る。出港間際の高速船に、なんとか滑り込んだ。  予定どおり二時間かけてミラニアに着き、そこからも駅まで走って、帝都行きの鉄道に乗り込む。帝都行きはいつも混むので大変だった。乗ってから一時間は席に座れず、車両と車両の連結部分でバッグを抱えて立っていた。  へとへとになりながら帝都へ到着し、西部行きの特急列車に乗り換えようと、セントラルステーションをまたもや走っていると、聞き慣れた声に呼び止められた。 「おーっと、これは奇遇。新人君じゃあないか」  振りむくと、そこにはネイヴァンが楽しげな笑みを浮かべて立っていた。 「ネイヴァンさん、偶然ですね。じゃ、僕は急ぎますので」  最短で会話を終わらせて立ち去ろうとすると、肩を掴まれる。 「おいおいおい、それはないだろう。共に死線を乗り越えた俺と君の仲じゃないかぁ」  面倒だなと思いつつ、ここで適当にあしらっては余計に引き留められると思い、僕は正直に旅の経緯を話すことにした。つまり、三日間の休みが取れたのでエルドリスに何か街で欲しいものはないかと尋ねたところ、往復十八時間かかる田舎町でしか売っていない菓子を指定されて急いで買いに走っている、と。  ネイヴァンは腹を抱えて笑った。その無遠慮さがいっそ、すがすがしい。 ひとしきり笑うと彼は僕の両肩に手を置いた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-12
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43食目:美食家と偏食家は紙一重

 走り出した列車の窓外には帝都サン=カディアの石造りの街並みが流れ、その屋根瓦が晴天の陽光に照らされてきらきらと輝いていた。  僕はネイヴァンに、先ほどエルドリスにも話したラシュトの正体をかいつまんで語った。双子が融合して魔物になったこと、そしてその記憶を識嚥《シエ》で辿ったこと。 「なるほどなぁ。やっぱり魔物と人間ってのは、思っているより境界が曖昧なんだろうな」  ネイヴァンは面白がるように顎を撫でた。 「ネイヴァンさんは黒魔法について詳しいですか?」  エルドリスに拒否された話題を持ち出すと、ネイヴァンの表情が少し曇った。 「あー、まあ、多少は知ってるけどな。深入りしないほうがいい世界だぞ」「でも、実際に黒魔法を使って人間が魔物になるケースがあるなら、知っておいたほうがいいと思うんです」「知ってどうするんだ? きみが魔物になるつもりでもあるまい」「そりゃ、なりはしないですけど……」「まっとうな役人になりたいなら、やめとけ。黒魔法なんて口にするだけで、脛に傷のあるヤツだと思われる」「そうなんですか? あ、もしかしてネイヴァンさんは黒魔法、使ったことあったりして?」「ああ、一度だけな。でも、もうこりごりだ。二度と使うことはない」  ネイヴァンは軽く笑って肩をすくめ、「冗談だよ、それより」と巧みに話題を逸らす。 「識嚥《シエ》だが、そんな危険な記憶ばかりじゃなくて、もっと面白いものの記憶を再生してみたらどうだ? 例えば、皇宮の執事が記録した"歴代皇帝の癖や好み集"とか、昔の詐欺師が詐欺電話に使ってた魔導通信機の記憶とか。それこそ、一つの番組になりそうじゃないか」  僕は眉をひそめて即座に首を横に振った。 「嫌ですよ。それ僕、無機
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-13
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44宿目:ダブルルーム

 西部の中心都市ヘロトスへ到着した僕たちは、夕焼けの中、乗合馬車に揺られてさらに二時間の道のりを進んだ。車輪の軋む音と小刻みな振動、半分開いた窓から流れ込んでくる草原の香りが眠気を誘う。  ひとつ、町を通過するごとに乗り合う客は減っていき、九人いた乗客はやがて僕たちだけとなった。セリカはヴェルミリオン帝国西端の町。御者の男によると、アクセスの悪さもあり、行き来する人は少ないらしい。  ようやくセリカの町に到着したころには、日は完全に落ちて、空はすっかり群青色だった。  セリカは小高い丘に囲まれた盆地にあるのどかな町で、木造の低い建物が並び、道は石畳ではなく土のままだ。家々の窓は早々に閉じられ、商店の軒先には、本日終了を示す札がぶら下がっている。歩いている人影もなく、町全体が静寂に包まれていた。 「田舎町の夜ってのは、まるでゴーストタウンだな……」  ネイヴァンがぼやく。だが確かに、この静けさは都会に慣れた人間には少し不安を感じさせる。  僕たちは今日の宿を求めて、宿屋の看板を捜し歩いた。そして、青い満月の上に"ブルームーン"を意味する単語の浮き彫りがされた吊り看板を見つける。  木製の扉には閉店の札が掛かっていたが、駄目もとでネイヴァンが扉を叩く。 「迷惑じゃないですかね?」「きみ、そんなこと言ってたら野宿する羽目になるぞ。この時間なら、さすがにまだ寝てはいないだろ」  時刻は午後七時を少し過ぎたくらい。確かにまだ就寝には早い。というのは、都会寄りの認識だが。  それからネイヴァンは諦めずに何度か扉を叩き続けた。僕も彼と一緒になって、「あのう」や「すみません」と加勢する。  十五分ほど続けて、ようやく扉の向こうから店主らしき初老の女が現れた。ネイヴァンが事情を話す
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-14
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45語目:恋と一人前

 僕たちはその後、夕飯を取るために外へ出た。 町のほとんどの飲食店は閉まっているようだったが、中心地の通りを歩いて明かりの漏れている酒場を見つける。軒先の看板には『ミッドナイトドロップ』という店名が記されていた。  中に入ると、数組の客が静かに酒を飲んでおり、吊りランタンが店内を柔らかく照らしていた。 「悪くないな。メニューは……っと」  僕たちは空いていたテーブルにつく。ネイヴァンが店員を呼んで注文を始めた。 「羊肉のパイ、山菜とポテトのグリル、パンプキンスープ、それから俺は適当な地酒をくれ。お前は?」「えっと、僕は黒果実のスカッシュを……」「ノンアルだってぇ? つまらないこと言うなよ。いいから一緒に飲め。コイツには林檎酒《アップルブレイズ》を」  押し切られてしまい、結局僕の前には、グラスの縁が粉砂糖で装飾された焼きリンゴ添えの甘口リキュールが運ばれてきた。『イバラの雫』なる辛口の地酒を手にしたネイヴァンと、二人でグラスを合わせる。  乾杯。  ネイヴァンは小さめのグラスに入ったそれを一気に飲み干し、すぐに二杯目を注文する。 「大丈夫ですか、そんなスピードで……」「俺を誰だと思ってる。これくらいで酔うかよ」  誰だと、と言われても、ネイヴァンの飲酒事情など僕は知らない。知っているのは職業と性格と使える魔法くらいだ。  対して僕は、口を湿らす程度にしか飲まず、主に料理を味わっていた。羊肉のパイは香草が利いていて薫り高く、山菜とポテトのグリルは塩と油の加減が絶妙だった。冷たいパンプキンスープもクリーミーで喉越しが良い。すべて、ハッと目を剥くような劇的な美味さではないが、素朴で、優しい味わ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-15
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46裸目:夜、ベッドにて

「ほぉ? 俺の恋愛事情が気になるのかい?」「だ、だって……僕ばかりからかわれるのは不公平ですし」  なんとか平静を装い言い返すと、ネイヴァンは楽しげに目を細めた。 「まあ、過去に付き合ったことは何度かあるさ。女優だったり、モデルだったり、はたまた裏方仲間だったり……華やかな世界だから出会いも多くある。けど、どれも長続きしなかったなぁ」  ネイヴァンの表情は少しだけ苦々しいものになるが、それもどこか演技じみていて、核心には触れないよう巧妙に避けている気がした。 思い切って、僕はずっと気になっていることを口に出す。 「エルドリスのことは、どう思ってるんですか?」  ネイヴァンの持つグラスの中で、氷がカランと鳴る。彼はそのまま残りの酒をあおって飲み干し、流れるような動作で次の杯を注文する。 「エリィな。彼女は俺が今一番推したい大事な演者だ。それ以上でも以下でもない」「でもネイヴァンさん、死刑囚島《タルタロメア》でエルドリスのために命を張ったじゃないですか。交換転移《ステップジャンプ》を使って彼女の身代わりになって……」「ああ、確かにあれは死んでもおかしくなかったな。だが勘違いするなよ。俺は演者を守っただけだ。それに、自分の抱える番組の演者とねんごろになるなんざ、三流のすることだ」  彼の表情は真剣そのもので、嘘をついているようには見えなかった。しかしそれでも、僕には納得できない何かが残り、酒の力を借りて食い下がる。 「でも、今回の旅に同行したのも、エルドリスの故郷だからですよね? 彼女をもっと知りたいんでしょう?」  ネイヴァンは苦笑した。 「否定はしない。ただし、それはあくまで演者を知りたいという純粋な興味
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-16
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47難目:生産休止

「おい、新人君……新人君、起きろって……」  耳元で繰り返される低温ボイス。それに続いて、肩を何度も揺すられる感覚がして――僕はようやく、ぼんやりと目を開けた。 「ん……?」  目の前にネイヴァンの端正な顔がある。布団の下で伝わってくる熱い体温。上向きに寝た自分の手の甲が、意図せずその素肌に触れていた。 「うっ、ぁあっ、ぁあ……!」  奇妙な悲鳴を上げてネイヴァンの下から這い出る。そのまま転がり落ちるようにダブルベッドを下りた。心臓が猛烈な勢いで脈打ち、全身に血が巡る。  当然ながらネイヴァンは、今朝も全裸だった。ベッドの中で片肘をついて半身起こしたまま、僕の反応に不本意そうな顔をしている。 「うなされてたから起こしたんだが……余計だったか?」「へっ?」「いやな、悪夢でも見てるのかと思って」  ネイヴァンは至極真面目に言う。確かに全身には汗が滲んでいたが、これは起きて以降の動揺のせいだ。自分が悪夢を見ていたという自覚はまったくない。 「いえ、そんな覚えは……」「ならいいんだがな」  ネイヴァンは軽く肩をすくめると、布団から全裸のまま起き上がり、シャワールームへ向かった。  ちょうどその時、部屋のドアがノックされる。 「あ、ネイヴァンさん!」  僕の制止は間に合わず、ネイヴァンは何の躊躇いもなく全裸でドアを開けてしまった。  どういう神経をしているんだ…&he
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-17
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48迷目:同じ場所

 店主に簡単な地図を描いてもらった僕たちは、さっそくセリカの町を北へ抜け、森へと続く道を歩いていた。 舗装されていない土道の両脇には野生の草花が咲き、どこか懐かしい青い香りが風に混じる。森へ続く地形の起伏はなだらかな丘のようだった。  のどかな風景だが、僕は気を抜けないと思っている。なぜなら――エルドリスの妹、リュネットのことが思い出されたのだ。  四年前、リュネットは恋人と共に町の外に出かけ、帰り道で魔物に襲われた。内臓をほとんど喰われながらも、かろうじて命を取り留めたのは、エルドリスが駆けつけて延命魔法を施したからだ。  このセリカの周囲には、今もなお、人を喰らう魔物が潜んでいる可能性がある。人の味を知った魔物は、その後も継続的に人を襲い続けるものだ。  ネイヴァンと僕は魔法を使えるが、慢心や油断は命取り。  この話をネイヴァンにするべきか、僕は迷った。けれど、結局やめておいた。リュネットの件は、エルドリスが僕にだけ話してくれたことかもしれない。それを勝手に他人に話すのは、彼女の信頼を裏切る行為だ。  僕たちはやがて森の入り口へと辿り着く。 店主によると、獣の魔物が出る前は、セリカの町の人々や観光客がよく森に出入りしていたという。入り口の手前には、目的地と所要時間を一覧にした立て看板があった。その中に『ルミリカの群生地』も書かれていて、『徒歩30分』とある。  森の中にも、入ってすぐの分かれ道に立て看板があり、目的地と方角を示してくれていた。僕たちは店主の地図と看板とを見比べて、合致することを確認しつつ進んでいく。  頭上高く伸びた樹々の間には、まだ朝の涼しさが残っていた。うっすらとした木漏れ日が枝葉の隙間から差し込み、足元の地面にゆらゆらと揺れる斑模様を描く。道沿いには小さな白い花が群れを成して咲いており、淡く甘い香りが風に運ばれてくる。鳥たちのさえずりや川のせせらぎが、どこからか聞こえて耳に
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-18
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49幻目:目覚めの代償

「いいかい新人君、幻覚魔法を使う魔物ってのは、どういう魔物だと思う?」  唐突に、ネイヴァンはまるで教師のような口ぶりで問いかけてくる。 「どういうって、それは……魔法を使えるだけの知能を持った魔物、ですか?」「違いない。だが、さらに言えるのは、そのうえで"真っ向勝負に弱い魔物"だということだ」  僕は頭に疑問符が湧く。彼は、その反応を見越していた様子で続けた。 「つまりな、ヤツらは正面から一撃必殺を狙ってぶつかってはこない。幻覚を使って相手の意識を惑わせ、混乱している隙にじわじわ殺す。その程度の攻撃力しかないわけだ。けれど裏を返せば、そんな魔物は幻覚さえ破れれば、十中八九、俺たちが勝てる」  ネイヴァンは拳を握った。なるほど、彼には一撃必殺を狙える爆発的な一撃《バーストブロウ》がある。 「でも、どうやって幻覚を解くんです?」  僕の問いに、ネイヴァンは親指から中指までの三本指を立てて見せた。 「方法は三つある。ひとつ目は、対幻覚魔法を展開すること。でもこれは、俺もきみもできないな?」  肯定のために僕は頷く。対幻覚魔法は、練習すれば誰でもできる教科書魔法とは違い、使い手を選ぶ。要は才能に左右される。 ネイヴァンは立てた三本のうちの中指を、もう片方の手で折り畳んだ。 「ふたつ目は、幻覚を見せている要素を断ち切ること。多いのは匂い、音、味などの五感に作用する何かだ。だが今のところ、それらしきものの心当たりはない」  同意だった。ずっと森を歩いてきて、何か明確にこの地点から匂いが変わったなどということはない。音にしてもそうだし、森の見た目も、肌に触れるそよ風も変わらない。味にいたっては言わずもがな、だ。 ネイヴァンは人差し指を折り畳み、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-19
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50花目:遠隔幻覚魔法

 両頬を一回ずつ打たれたネイヴァンは、目をしばたいて上体を起こした。 「マジかよ、ファーストキスだってぇ?」「そうですっ!」  と僕は彼を睨み上げる。  初めてはいつか、心に決めたヒトと……と思っていたのに、僕の純潔は前触れもなく散ったのだ。しかも、あんな舌を入れるキス……。  生々しい感触を思い出し、羞恥と怒りで俯いていると、ネイヴァンはそれを落ち込んでいると見たらしく、見当違いのフォローをしてきた。 「そう気を落とすなって。幻覚の中でのキスなんざノーカンだろ。ほら、現実の唇が触れたわけではないんだし」「そりゃそうかもしれませんけど、体がどうであれ、気持ちの問題ですっ」「怒るなって。な? 俺で勉強できたと思ってさ」「な、なにが勉強ですか!」「いや俺、上手かっただろ? とろけた顔してたじゃねえか」「ああ! ああ! もうそれ以上言ったら拘束します! 第七監獄《グラットリエ》の空いてる房にぶちこみます!」  ネイヴァンは両手を挙げて降参ポーズを取ったが、口元は妙に緩んでいた。反省の色が薄すぎる。  だが、怒ってばかりもいられない。幻覚を解いたとはいえ、ここが敵のテリトリーであることに変わりはないのだ。いつなんどき敵が襲ってくるともわからない。 「……で、ここはどこなんでしょう。僕たちに幻覚魔法を掛けていた魔物はどこにいるんです?」「さあな。見たところ、人の歩く道からはずいぶん離れているようだが」  ネイヴァンの言うとおり、僕たちは手つかずの自然に囲まれていた。草は高く伸び放題で、周囲の樹々からは邪魔な蔓があちこち垂れている。獣道すら見当たらない。 「僕たち、幻
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-20
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