章真は近づいて画面をのぞき込んだ。その瞬間、表情が一変する。映し出されていたのは、哲乃と自分の映像だった。あまりにも刺激の強い内容だった。正体不明の薬を盛られた男は理性を失い、まるで獣そのもの。哲乃は終始その胸にしがみつき、耳を塞ぎたくなるような声が部屋に響いている。そんな光景は、章真にはまったく記憶がなかった。見たところで、心が動くこともない。彼は一度たりとも哲乃を抱こうと思ったことはなかった。幾夜となく、彼女が子猫のように胸へ寄り添って眠ったことはある。だが、哲乃はあくまで結安の代わりに過ぎない。彼女を抱くつもりなど、最初からなかった。章真は長い指先でノートパソコンを操作し、映像を閉じるとUSBメモリを引き抜き、そのまま力任せに真っ二つへ折り砕いた。すべて終えると、静かに寝室へ視線を向ける。薄暗い室内では、結安が眠っているように見えた。――彼女はどこまで見たのだろう。何度、繰り返して見たのだろう。そして、なぜ見ようとしたのか。章真はゆっくりと寝室へ足を踏み入れた。濃紺のベッドカバーの下には、華奢な身体が静かに横たわっている。呼吸は穏やかだったが、眠っていないことくらい彼にはわかっていた。あんな映像を見たあとで、本当に眠れるはずがない。たとえ彼女が、自分にどれほど無関心だったとしても。章真はベッドの縁へ腰を下ろし、手の甲でそっと彼女の頬をなぞる。起きていると知りながら、あえて声はかけなかった。しばらくそのまま寄り添ったあと、浴室へ向かう。水を勢いよく流し、全身を洗い流す。鼻の奥には、今なお腐った血の匂いがまとわりついている気がした。着ていた服はすべて脱ぎ捨て、そのままゴミ箱へ放り込む。頭の先から熱湯を浴び続けるうちに、穢れた魂まで洗い流されていくようだった。彼を救ってくれる存在は、結安だけ。そして、想乃だけだった。念入りに身体を洗い終え、濡れた髪を拭き、バスローブを羽織って寝室へ戻る。布団へ滑り込み、後ろから細い腰を抱き寄せる。顔を耳の後ろへそっと寄せ、しばらく黙って彼女を見つめたあと、小さく囁いた。「……あのUSBは、哲乃から渡されたのか。結安、俺は彼女を求めたことなんて一度もない。あの時の感覚も、何一つ覚えていない。俺の記憶に残っ
Leer más