女性3人、男性5人。その中に、駿もいた。学生時代、「立都第一高校」きっての美男子として知られた彼は、今では大手銀行の役員を務め、若くして立都市内に160平方メートルのマンションを購入している。誰もが認める成功者だった。駿と付き合いたい女性は少なくない。この場にいる3人も、その一人だった。しかし、駿が想い続けている相手は、結安だけだった。女性たちは穏やかな笑顔を浮かべながら、結安の話題を口にする。「結安は来ないでしょうね?」「うん。その日は耀石グループの年末パーティーだし、葉山さんにエスコートされるんじゃない?」「そんなことある?」「十分あり得るよ。子どもがいるから一緒にいるだけでしょ。当時だって、結安が妊娠して立場を固めたから今があるだけ。葉山さんみたいな遊び人、本来なら遊んで終わるタイプじゃない?」「そうなの?」「この前のニュース見なかった?飛び降りた女性がいたでしょ。葉山さんが援助していた女性らしいけど、実際は囲っていた愛人だったって噂。つまり結安の代わりなんて、いくらでもいるってことじゃない?」「へえ……私はてっきり特別な存在なのかと思ってた」「葉山さんに『運命の相手』なんていると思う?」「それはないでしょ」「もし本当に大切に思ってたなら、18歳になった途端に関係を持ったりしないわよ。あんな扱いをするのは、遊び相手だからでしょう」……駿は終始、グラスを静かに握っていた。何も言わない。全員が話し終えるのを待つと、静かにグラスを置き、立ち上がる。「……先に失礼します」3人の女性は意外そうに顔を見合わせた。そして、どこか納得がいかない表情を浮かべる。自分たちは本当のことを言っただけではないか。結安は章真の愛人のような存在。そう思われても仕方がない。なぜ駿は受け入れられないのだろう。――受け入れられないのではない。駿は真実を知っていた。同じように章真の子を宿した女性がいた。結安が産んだ子は、何よりも大切に守られ、章真は1日も早く自分の娘として迎え入れた。一方で、哲乃のお腹の子は見捨てられ、条件を突きつけられた末に諦めるしかなかった。その違いだけで十分だった。章真の心の中で、結安だけが特別な存在なのだと。彼は章真の倫理観を責める
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