買い物を終え、私たちは家に帰ってきた。伊月くんと協力してリビングを飾りつけ、料理を作って……急いでパーティーの準備をした。「ただいまー」ちょうど準備をし終えたとき、玄関からお母さんたちの声が。「陽菜、伊月くん……」「せーのっ」パンパンッ!パーンッ!!お母さんたちがリビングに入ってきたのと同時に、私と伊月くんは一斉にクラッカーを鳴らした。リビングには、ひらひらと紙吹雪が舞う。「父さん」「お母さん」「「入籍、おめでとう!!」」笑顔の私たちを見たお母さんは、口元を手で覆い、光佑さんは「まさか、二人がこんなことをしてくれるなんて……」と、目を潤ませている。お母さんと光佑さんにソファに座ってもらうと、私と伊月くんで花束とケーキを出す。「父さん、翔子さんを幸せにしろよ」「ああ、もちろんだ」伊月くんがケーキを切りながら言うと、光佑さんが力強く頷く。「このお花も料理も、二人で頑張って用意してくれたのね……ありがとう。こんなふうに二人に祝ってもらえて、すごく幸せだわ」オレンジのバラの花束を手に、お母さんが涙をこぼす。「もう、お母さんったら大袈裟だよ」そう言いながらも、私も胸がじんわりと熱くなる。今日、伊月くんと一緒に準備した時間も楽しかったし。お母さんたちに喜んでもらえて、本当に良かった。そして、涙するお母さんと光佑さんを見ていたら、二人の幸せを……家族の幸せを絶対に守らなくちゃいけないのだと、私は改めて思った。**パーティーの翌朝。学校に着いた私が教室に入ると、クラスメイトの視線が一斉にこちらへと集まるのが分かった。えっ、何?それに、教室がいつもより騒がしいような……。「あっ、陽菜!大変だよ!」私を見つけた羽衣が、慌ててこちらに駆け寄ってくる。「羽衣、大変って一体どうしたの?」「実は……陽菜と佐野くんが付き合ってるんじゃないかって、学校中の噂になってるんだよ」心臓がドクンと音を立てる。「つ、付き合ってるって、どうしてそんな……」「昨日、陽菜と佐野くんが街で一緒にいるところを誰かが見ていたみたいで……」うそ。昨日、お花屋さんやケーキ屋さんで買い物をするところを学校の人に見られていたの?「ちょっと、菊池さん!」戸惑っていると、クラスメイトの女子数人が私の机を取り囲んだ。伊月くんファンとして有名な、リーダー格の森本さ
Terakhir Diperbarui : 2025-06-07 Baca selengkapnya