Todos os capítulos de 碓氷先生、奥様はもう戻らないと: Capítulo 1011 - Capítulo 1020

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第1011話

なんだか浩平が手を組む話を持ち掛けてきたのは、何か下心があるようだな。綾は、彼が真奈美を狙っているのではないかと推測した。しかし、今、綾が一番心配しているのは輝のことだった。周りの年長者は皆、輝とあの我妻家の令嬢を気に入っているようだが、綾は輝があまり乗り気ではないように感じていた。綾は彼に尋ねた。「彼女は、どんなお仕事をされているの?」「鑑定士だ。二つのオークションハウスを経営している」輝は答えた。「鑑定士なんだ。じゃあ、二人とも同じ業界だね。共通の話題もあるし、確かに良い組み合わせだと思うけど」綾は頷いた。「彼女は多才な人だ。琴や絵画、書道など、何にでも精通していて、本も出版している。そして、作詞作曲も手掛けているらしい」「そんなにすごい人なのね。H市の我妻家は代々才女を輩出しているってよく聞くけど、本当みたいね」綾は思わず感嘆の声を漏らした。「彼女のおじいさんは絵の収集を大変好んでいて、以前、私の祖父の絵を手に入れるために、わざわざ訪ねてきたことがあったんだ。二人は意気投合し、最終的に祖父は自身の筆納の作品を彼に贈ったんだ。そしてそのお返しに彼から祖父に数十億円相当の骨董品が贈られ、二人の間には強い友情が芽生えたんだ」「それで、彼らは、両家を親睦を深めようとしているってこと?」輝は頷いた。綾は彼を見ながら言った。「家柄や身分が釣り合っているのはもちろん大切だし、あの令嬢も優秀な人よ。こう見るとあなた達はお似合いのように感じるけど、恋愛というのは条件が全てってわけでもないから。私の言いたいこと、分かるでしょ?」それを聞いて、輝のまつげが小さく震えた。彼は綾の言わんとしていることを理解していた。「分かっている」輝は視線を池の鯉に移しながら言った。「確か優秀で、性格も優しい。彼女と結婚すれば、きっと理想的な妻の役割を果たしてくれると思う」夜の庭園は静まり返り、池の滝のせせらぎだけが聞こえてくる中、男の低い声は、響いていた。そして、庭園へと続く小さな扉のところには、音々が立っていた。明かりの下、彼女のすらりとした姿は、どこか膠着しているようだった。輝の言葉は、一言一句、音々の耳に届いていた。彼女の手には、海外から取り戻したばかりの骨董品があった。輝がずっと探していた15世紀の磁器だ。ま
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第1012話

綾が二階に上がると、ちょうど誠也が子供部屋から出てきた。「子供たちはもう寝たの?」「ああ、さっき寝かしつけたところだ」誠也は近づいてきて、「車の音が聞こえたが、輝は帰ったのか?」と尋ねた。「音々が磁器を届けてくれたけど、そのまま出て行ったらしい」綾は寝室のドアを開けて中に入った。誠也は彼女の後に続き、部屋に入ってドアを閉めた。綾はリビングのソファに座った。誠也は綾の隣に座り、片手で腰を抱き寄せ、もう片方の手を上げて、彼女の眉間の皺に優しく触れた。「どうしたんだ?」「今回輝は来てから、どうも上の空なんだ。それで話を聞いてみたら、H市我妻家の三女と会っているらしいの。両家の両親も賛成していて、その令嬢も申し分ない人みたい。条件だけ聞くと、お似合いだと思うんだけど、輝は彼女の話になると、どこか元気がないの」「お前が思うに、輝は本当、音々が好きで色々な事情を考えて、音々を諦めて、その令嬢を選ぼうとしているということなのか?」綾は頷いた。「もしそうだとしたら、それは彼と音々に縁がなかったということだ」誠也は綾の柔らかな指を握りしめた。「しかし、恋愛感情は理性では制御できないものだ。輝は今の時点では、音々に対する自分の気持ちをはっきりと掴めていないようだ。だからこそ、別の女性と向き合ってみることで、自分の本心を確かめようとしているのだろう。もしその過程で音々への想いを手放せるようなら、結局のところ、彼にとって音々はそれほど重要な存在ではなかったということになる」「でも、音々は輝のことを真剣に想っていると思う」綾は言った。「あの15世紀の磁器を見つけるのは簡単じゃない。音々はきっと苦労して手に入れたんでしょう。なのに、今日はそれを置いて帰ってしまった。もしかしたら、私と輝の会話を聞いてしまったんじゃないかと心配なの」誠也は少し間を置いて、「輝は彼女の悪口でも言ったのか?」と聞いた。「いいえ」綾は誠也の目を見て、困ったように言った。「でも、輝はあの令嬢のことを褒めていたの。理想的な結婚対象だって」「......それはまずいな」綾はため息をつき、誠也を見て、「音々は聞いてしまったと思う?」と尋ねた。誠也は少し唇を噛み締め、そして言った。「おそらく聞いてしまったんだろう。そうでなければ、彼女の性格からして、あの
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第1013話

「お疲れだろう。お風呂を沸かしておいたから、ゆっくり入って疲れを取るといいよ」誠也はそう言ったものの、綾にはこの「お風呂」は、ただのお風呂じゃないことがすぐに分かった。彼女の頭には、前回「お風呂に入った」時の記憶が蘇ってきた。そう思いながら、顔を赤らめた綾は言った。「誠也、まだ腰が痛むの。だから、今夜はダメよ」「腰が痛いのか?」バスルームで、誠也は綾を壁に押し付け、長い脚で軽くドアを閉めた。ドアが閉まると同時に、誠也は綾の柔らかい唇を奪い、低い甘い声で囁いた。「じゃあ、俺が揉んであげようか......」「やめて......んっ!」彼女の抵抗虚しく、結局彼の甘い言葉で誘われお風呂に連れ込まれた。長い夜、バスタブの中は波立ち、お湯が溢れ出ていた。綾は、白い指先でバスタブの縁を掴んでいた。無意識のうちに、誠也の名前を呼んでいた。そして、彼女の薬指に光るエンゲージリングが、キラキラと輝いていた。しばらくして、誠也は綾の目尻にキスをし、かすれた声で囁いた。「綾、俺の名前を呼んでくれ」綾は唇を噛みしめ、体を震わせ、何も言わなかった。誠也は唇をあげ、綾の耳たぶに舌を絡ませながら囁いた。「いい子だ。早く」すると、まるで催眠術にかかったかのように、綾は誠也の声に惑わされた。「誠也......」彼女は思わず熱い吐息が漏らした。そんな彼女の声を聞いて、誠也はこめかみに血管を浮かび上がらせた。この瞬間彼はすべてを綾に捧げたいと思った。しかし、まだ目的を達成していなかったため、彼は強い意志で溢れそうなほどの想いを我慢した。彼は大きな手で綾を抱きしめ、指先で彼女を優しく撫でた。すると、綾は唇を噛み、涙を流した。「やめて......」「綾」誠也は彼女の蕩けた様子を見ながら、さらに低い声で言った。「先に籍を入れるか、先に結婚式を挙げるか、どっちがいい?何でもお前の好きなようにしよう」綾の頭は真っ白になり、本能的に答えた。「先に籍を......」誠也は動きを止め、彼女の表情を目に焼き付けた。そして目頭に熱いものがこみ上げてきて、喉仏を何度か上下させると、誠也は言った。「ああ、分かった。先に籍を入れよう」綾は、何かおかしい、と胸騒ぎがした。この状況、どこかで経験したような......何か言お
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第1014話

クラブの中は、赤いライトと緑のライトがチカチカ点滅し、爆音の音楽が鳴り響いていた。ステージでは、イケメンDJがノリノリでシャウトし、フロアは大盛り上がりだ。カウンターの中では、バーテンダーが芸術家のような繊細な手つきでシェイカーを振っている。色とりどりのカクテルは、まるでパレットの絵の具のようで、一口飲めば、様々な味が口の中に広がり、まるで人生の出会いや別れを描いているみたいだ。しかし、そのカウンターの前では、音々が男の頭をカウンターに押さえつけ、もう片方の手で男の腕を背中に捻じ曲げていた。すると、男は悲鳴を上げて叫んだ。「痛い!腕が折れる!」「とっとと失せろ」音々は苦痛に歪む男の顔を見ながら、冷たく言い放った。「手を離したら、とっとと出て行って。いいわね?」男は必死に頷いた。「分かった!今すぐ出て行く!」音々は冷たく鼻で笑うと、男の手を放し、長い脚で男を蹴り飛ばした。「うわっ――」男は派手に転び、慌てて起き上がると、一目散に逃げ出した。それは、夜道で女性にちょっかいを出していた調子に乗ったチンピラで、最低な男だ。「ありがとう!」音々に助けられた女の子は近づいてきて、羨望の眼差しで言った。「あなたってすごいのね!」音々は目の前のベビーフェイスの女の子を見て、少し眉を上げた。「こんな時間に未成年がこんな場所に来ちゃダメでしょ。もう、早く家に帰って」そう言うと、音々はカウンターに戻り、自分のグラスを一気に飲み干した。グラスを置くと、彼女はカウンターを指で軽く叩いた。「もう一杯お願いします」バーテンダーは、音々の華麗な戦いぶりを見ていたので、感心した様子で彼女を見ていた。そして、優しく声をかけてきた。「お客様、ご注文のお酒はアルコール度数が高いので、酔いが回りやすいです。もう二杯もお飲みになっているので、度数の低いカクテルにしませんか?」「大丈夫です」音々は顎に手を添え、軽く笑った。「酔った方がよく眠れますから」それに、この程度の量で酔ったりするものか。バーテンダーは、彼女が本当に強いお酒が好きなんだと理解し、それ以上お酒をかえるように説得しなかった。「あの」突如、隣から女の子の甘い声が聞こえ、音々は眉をひそめて、少し顔を横に向けた。さっきのベビーフェイスの女の子が近づいてきて、キラキ
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第1015話

音々は女の子に手を振って、「興味ない」と素っ気なく言った。瑠依は唇を尖らせて言った。「もったいないよ。あなたの顔立ちとスタイルなら、絶対スクリーン映えすると思うのに!」音々は、ちょっとした親切心がこんな面倒なことになるとは思ってもみなかった。瑠依は、音々をアクション俳優に誘うのは諦めたものの、今度はライン交換を迫ってきた。音々はカクテルを飲み干し、グラスを置いて深く息を吸い込んだ。そして瑠依の方を向き、苛立った様子で言った。「知らない人と友達になる趣味はないの。あっち行って、放っておいて」何度も断られ、瑠依の顔にも落胆の色が浮かんだ。その時、誰かが駆け寄ってきて、焦った様子で「瑠依!」と叫んだ。それは、どこかで聞いたことのある声だった。音々はハッとして、ゆっくりと振り返った。詩乃がこちらに向かって歩いてきて、その後ろには輝の姿があった。二人が一緒に現れたのを見て、音々は思わず眉をひそめた。こんなところで会うなんて。世界って意外に狭いものだな、と思った。詩乃は瑠依のそばまで来ると、彼女を上から下まで見渡し、無事なのを確認すると、眉をひそめて厳しく言った。「やるじゃない。女の子が一人でこんな店に来るなんて」瑠依は現行で見つけられてしまって、服の裾を指でいじりながら、無邪気に瞬きした。「ごめんなさい、お姉さん。もうしないよ」詩乃は真剣な顔で言った。「これはおばさんに言わないと」「だめよ!」瑠依は慌てて手を振り、視線を音々に向けて、突然彼女の腕に抱きつき笑顔で言った。「一人じゃないの。友達と一緒なの!彼女はすごく強くて、男の人を簡単に倒せるのよ!」思わぬ話を振られ、音々は驚きの表情を浮かべた。酔ってもいないのに、何を言い出すんだ、この子は。「巻き込まないでよ!」音々は腕を瑠依から引き離すと、「友達じゃないし、私はただ......」と言いかけた。すると、「音々」輝の声が響いた。音々はハッとして輝の方を見た。目が合うと、輝の視線がどこか冷たい気がした。理由が分からず、音々は眉をひそめた。「どうしましたか?」「あなたがこんな場所に来るのは勝手だけど、なぜ瑠依を連れてきたんだ?彼女はまだ若いんだぞ。こんな場所に来ることがどれだけ危険か、考えたのか?」音々は言葉を失った。恋は盲
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第1016話

音々は輝を見つめた。彼女の職業柄、人の心を簡単に見透かすことができた。ましてや、輝は心に何かを抱えていると、すぐに顔に出てしまうタイプなのだから。音々は唇の端を少し上げ、落ち着いた声で言った。「岡崎さん、私に謝りたいことがあるなら、はっきり言ってください」輝は一瞬、言葉を失った。「私はそんなに根に持つタイプでもありませんので、誠実に謝ってくれれば、水に流しますよ」輝は手を離し、軽く咳払いをして、少しぎこちない口調で言った。「ごめん、ついさっきは誤解してた」その時、一台のタクシーが彼らのそばに止まり、助手席の窓が開いた。運転手は大きな声で尋ねた。「タクシー、どうですか?」「大丈夫です。わざとじゃないって分かっていますから。もう気にしてません」音々はそう言い、輝に手を振った。「じゃ、タクシーで帰るから、あなたも恋人といてあげてくださいね」彼女はタクシーのドアを開け、乗り込んだ。ドアが閉まると、音々は運転手に言った。「ケイティホテルまでお願いします」「かしこまりました!」すぐさま、タクシーは走り去っていった。輝はその場で立ち尽くし、ついさっきまで音々の手首を握っていた手のひらからその感触が一気に消えていくのを感じた。それと共に心の中も、ぽっかりと穴が開いたようだった。彼はうつむき、戸惑いを隠せないでいた。音々はやっと自分に付きまとわらなくなった。なのに、なぜだか自分はそれがぎこちなく感じるようになった。「岡崎さん」そう思いを巡らせていると背後から、優しい女性の声が聞こえた。輝が振り返ると、そこには心配そうな顔をした詩乃がいた。「岡崎さん、ごめんなさい。瑠依が失礼なことをしてしまって。お友達に何か誤解を解く必要があるなら、いつでも言って」「大丈夫だよ」輝は軽く笑った。「ちゃんと説明して謝ったから。彼女は気にしてないよ」それを聞いて、詩乃は安堵の息を吐いた。「よかった。もう遅いので、瑠依を学校に送って行くね。また今度、改めて」「ああ、気をつけて帰ってくれ」輝は紳士的に頷いた。「夜道は危ないから」「ありがとう」詩乃は優しく微笑んだ。「あなたも」......詩乃と別れ、輝は自分の車に戻った。運転席に座ると、彼は自分が何をすべきか分からなくなっていた。今夜の音々の態度は、以前
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第1017話

誰もいない遊園地で、メリーゴーラウンドが静かに上下しながら回転していて、そして童謡だけが響き渡っていた......そして音々は、激しい胸の痛みと動悸を感じ、目を覚ました。彼女は胸を押さえながら、ベッドから起き上がった。部屋の中は薄暗い。音々はうつむき、大きく息を吸っていた。しばらくして、ようやく呼吸が落ち着いてきた。彼女は髪をかきあげ、再びベッドに横になった。天井のシャンデリアを見つめ、瞬きをした。失恋の痛手は、こんなにも尾を引くものなのか......18歳を過ぎてから、あの夢を見ることはほとんどなかったのに。夢を見るたびに、胸の痛みと動悸がする。内容はいつも同じで、メリーゴーラウンドとあの歌以外、何も出てこない。しかし、こんな短い夢が、18歳になるまでは、音々を悩ませていたのだ。その後、祐樹のカウンセリングを受け、訓練を重ねたことで、ようやくこの夢から解放された。それが、32歳になった今、輝のせいで、またこの夢を見るようになってしまった......音々はため息をついた。「もう、北城にはいられない」スマホを取り出し、番号をダイヤルした。「真央、飛行機のチケットを取って。北城発、行き先は......」とっさに、どこに行けばいいのか分からなかった。「適当に決めて」手下の原田真央(はらだ まお)は少し間を置いてから言った。「旅行に行くつもりですか?」「ええ、お金も貯まったし、男を口説くのも疲れたし、暇を持て余してるからね。イケメンが多い場所にしてくれる?羽を伸ばしてくるよ!もしかしたら、そこで素敵な出会いがあるかもね!」最後の部分は、ただの冗談だった。真央は笑って言った。「了解です。調べて、決まったら連絡します」「ええ」電話を切ると、音々はスマホを脇に置き、ベッドから出てバスルームへ向かった。バスローブを脱ぎ、シャワーブースに入った。あの夢を見るたび、必ず冷や汗がびっしょりになるからだ。詳しい記憶はないけれど、あれは幼い頃の記憶の断片だってことは分かっている。何歳の頃の記憶なのかは、分からない。6歳以前の記憶は、あの夢以外、何も残っていない。......綾は目を覚ますと、輝からの不在着信に気づいた。昨夜、午前1時にかかってきていた。彼女は輝に折り
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第1018話

そう言われ、輝はハッとした。「それに輝、昨日の夜、あの令嬢のことを褒めてはいたけど、本気で惹かれてるようには見えなかったよ」それを聞いて、輝は何も言わなかった。「それって、理屈では彼女を受け入れようとしてたけど、気持ちの面ではまだ引っかかってたんじゃない?」そこまで言われ、輝はスマホを握りしめ、しばらくして、ため息をついた。「綾、私は間違ってるのか?」「誰にだって、それぞれの事情がある。岡崎家の跡取りとして、あなたの選択は最も堅実なものだった。だが、本心では本当に音々のことを諦められるのか?もし諦められないなら、別の女性と関係を続けるのは、結局みんなにとって不公平なんじゃないか?」「分かってる」輝の声は疲れていた。「だけどなんとかやり遂げられると思ったんだ......」「それが、一晩悩んだ末出した結論だったの?」輝は言葉に詰まった。「輝、感情は理性では抑えられないものよ。もし抑えられたら、私と誠也もあんなことにはならなかったわけだし」「分かった」輝は深く息を吸い込んだ。「彼女の番号知らないから、教えてくれないか」「まだ連絡先交換してなかったのか?」「前に交換したんだけど......消しちゃったんだ」綾は絶句した。......綾は音々の番号を輝に送った。輝はすぐに電話をかけることはせず、先にラインで友達申請を送った。午前中ずっと待っていたが、音々からの承認は来なかった。意を決して、ついに音々に電話をかけた。しかし......繋がらない。せっかく勇気を出したのに、輝の心は一気に崩れ落ちた。まさか、ブロックされてるのか?......音々の連絡先を輝に送った後、綾はスマホを置き、凝り固まった腰を揉みほぐした。すると、寝室のドアが開き、スーツ姿の誠也が入ってきた。彼は綾のために朝食を用意していた。誠也の姿を見ると、昨夜お風呂で二人でイチャイチャしていた光景が、綾の脳裏に蘇ってきた。恥ずかしさと悔しさで、彼女の顔は赤くなった。一番納得いかないのは、いつもイチャイチャした後は、自分がぐったりしているのに、誠也はスッキリした顔で元気いっぱいなことだ。かつて聞いた、男は25歳を過ぎたら、一気に60歳になってしまうという噂もどうやら、誠也には当てはまらないようだ。それ
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第1019話

どうやら、本当みたい......「誠也、またずるしてるのね!」綾は箸を置いて、眉をひそめて彼を睨みつけた。「そんな約束受け入れられないから。前も言ったけど。あんな状況で、私が正確な判断をだせるわけないでしょ?」「そんなわけないだろ」誠也は彼女を見つめ、深い目元に笑みを浮かべた。「綾、お前の言うことは、俺はいつだって本気で受け止めるつもりだ」それを聞いて、綾は言葉に詰まった。「まさか、なかったことにしようってわけじゃないだろう?」綾は目を閉じ、深く息を吸い込んだ。「だけどずるさをしたのはあなたの方じゃない」誠也はゆっくりとスマホを取り出し、録音データを再生した――「綾、先に籍を入れるか、先に結婚式を挙げるか、どっちがいい?」「先に籍を......」それを聞いて、綾の顔は一瞬で真っ赤になり、スマホを奪おうと手を伸ばしたが、誠也はすかさずそれを避けて、彼女の腰を抱き寄せた。すると、綾はそのまま彼の膝の上に倒れ込んだ。「誠也、どうして録音なんてするの!」彼女は焦って、頬を赤らめた。誠也は、その様子がたまらなく可愛かった。「悪かった、職業病が出ちまった」誠也は綾を見つめ、柔らかい唇にキスをした。「綾、もし気が進まないなら、俺はもう少し待っても構わないよ」綾は彼をじっと見つめ、疑わしげに言った。「本当に?」「ああ」誠也は視線を落とし、低い声で言った。「お前がまだ籍を入れたくないのは、きっと俺の努力が足りないせいだな」「......そんなこと言わないで」「俺は本気で言ってるんだ」誠也は彼女を見つめた。「籍を入れなくても、お前と一生離れないつもりだ。でも、この録音だけは残させてくれ。せめての慰めにするから」そんな彼の言葉に、綾は唖然とした。「綾、俺は構わないんだ」綾は目を閉じた。「誠也、もういい加減にして。私は騙されないからね」「ああ、分かってる。無理強いするつもりはない」誠也は彼女の唇にキスをした。「プレッシャーを感じるな」綾は何も言えなくなった。実は、誠也と復縁することに、綾は抵抗していなかった。ただ、それほど焦ってもいないと思っていた。子供たちが小学校に上がる頃に籍を入れればいいかなっと思っていたのだ。しかし、復縁を迫るために、誠也がこんなにも買いかぶってくるとは。綾は内心
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第1020話

「音々には連絡してないのか?」輝はため息をついた。「連絡はしたんだが......」「で、どうだった?」「ブロックされたんだ」綾は驚いた。「本当に?」輝は頭を掻きながら言った。「ラインを追加しようとしたら承認されなかったし、電話も繋がらないんだ」それを聞いて、綾は何も言えなかった。「だとしたら、昨日の夜、あなたが言ったは間違えなくことを聞かれたんでしょうね」輝は眉をひそめた。「俺は詩乃さんと会ってただけだ。付き合ってるわけじゃない!」「でも、昨日の夜の言葉を聞いたら、誰だってあなたは彼女と結婚する気でいるって思うよ」「正直、今日までは私もそう思ってた」「......心変わりするの、早くない?」輝は両手で頭を抱えた。「......冷やかすなよ。今、すごく後悔してるんだ!」「音々に電話して説明するのを手伝ってあげてもいいけど、輝、それはよく考えてから行動した方がいいよ」綾は真剣な表情で言った。「音々が身を引いたのは、あなたの選択を尊重したから。彼女の行動は間違ってないと思う。そして輝、もし本当に彼女と一緒にいると決めたなら、これから家族からのプレッシャーに耐えなきゃいけない。二人とも私にとって大切な友達だから、あなた達には幸せになって欲しいの。だから、結果的に家族の反対で別れるなんてことになるのは見たくないのよ」輝は頷いた。「分かってる」綾はもう一度確認した。「本当によく考えたのね?」輝は真剣な眼差しで綾を見た。「うまくやれるか分からないけど、全力を尽くす」「分かった」綾はスマホを取り出し、音々の番号を探して電話をかけ、スピーカーモードにした。数回コール音が鳴った後、電話が繋がった。スマホから音々の声が聞こえてきた。「二宮社長、急に電話なんて、どうしたの?」「音々、実はね、輝があげたあの磁器がとても気に入ったみたいで、お礼に食事に誘いたいって言ってるんだけど、電話が繋がらなくて」音々は少し間を置いて言った。「お礼はいいよ。あの磁器は偶然見つけただけだし、岡崎さんを探してたついでに買ってきただけだから。別に大したことじゃない」綾は輝の方を見た。輝は眉をひそめ、顔色が悪かった。綾は唇を噛み締め、尋ねた。「音々、昨日の夜、裏庭にいた?」音々は少し驚いたようだった。彼女
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