哲也は色々と考えた末、自分で取りに行くことに決めた。電話を切ると、哲也は窓の外に目をやった。そのペアリングは、今年の大晦日の夜、優希へのプレゼントとして用意したものだ。二人の愛の証、みたいなものだ。でも、このペアリングを渡せるのかどうか、今の哲也には分からなかった......梓の死が、二人の間の大きなわだかまりになっていた。梓の日記に書かれていた彼に関する記述。それは半分嘘で半分本当のことで、明らかに優希の気に障ることを狙って書かれたものだった。だが、そうと分かっていても梓が死んでしまったせいで、本人と話して身の潔白を証明するチャンスすらなくなってしまった。まさに、運命のいたずらとしか言いようがなかった。でも哲也にとって何より辛かったのは、優希が梓と彼のどちらを信じるかという場面で、迷わず梓を選んだことだった。優希から向けられた非難の言葉が、哲也がかろうじて保っていた理性を完全に打ち砕いた。だから彼は興奮のあまり、言うべきでないことを口走り、優希に怒鳴ってしまった......後悔している。ひどく後悔している。朝から今に至るまで、ある声がずっと頭の中で響いていた。「哲也、見ろよ。あの女はお前のことなんか、たいして愛してないんだよ!前から言ってたろ、失いたくないなら最初からしっかり捕まえておけって!東都大学なんかに行かせるべきじゃなかったんだ。お前のそばに、片時も離さず置いておくべきだったんだ!情けをかけるな。彼女は元々お前のものなんだから......」哲也は、この声に流されたくなかった。しかし、いつの間にか、その声は前触れもなく現れるようになった。彼はずっと、その声と戦い、もがき続けてきた。特に梓が優希へ向ける特別な感情に気づいてから、その声はもっと頻繁に聞こえるようになった。自分ではもうどうにもできない。ここまで来ると医師の助けが必要だと、哲也が一番分かっていた。だから彼は海外へ行った。誰も知らない国、知らない医師なら、自分の秘密が家族や友人に知られる心配もないと考えたからだ。だが、医師にできることは限られていた。薬で一時的に感覚を鈍らせても、哲也の心に潜む闇から彼を救うことはできなかった。そして、ここまで来てもあの声は、彼を解放してはくれなかった。哲也は苦しげに目を閉じ、喉
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