会場の片隅で、佐藤は全ての状況を目撃していた。佐藤が咄嗟に流した予備の映像が、あの不穏な空気を一瞬で払拭しパーティーを成功に導いた。そして、啓介が堂々と佳奈を婚約者として紹介した瞬間、佐藤は思わず口笛を吹いた。(へえ、社長もやるじゃん。あの坂本をここまで惚れさせるとはねぇ…)佐藤の視線の先には、啓介と佳奈が手を取り合う姿があった。そして、顔を真っ青にして会場を後にする凛の後ろ姿も見ていた。パーティーが終わり片付けが始まった頃、佐藤は飲み物を持って佳奈の元へ向かった。佳奈は、社員たちから祝福の言葉をかけられ笑顔で応対している。「坂本、お疲れさん。いやー、見事な手際だったな。それにしてもいいもの見させてもらったよ」「恥ずかしいからあんまりからかわないでよ」そう言いながらも坂本は、本当に嫌なわけではなく照れているように苦笑を浮かべていた。「…あと映像、ありがとう。とっさに切り替えてくれたおかげで変な雰囲気にならずにすんだわ。」「ああ、あれね。それにしても社長さんもお前も大変そうだな。まさか、あのパステルブルーのドレスの美人があんな映像用意するほど粘着質な女だったとはねえ。」「え?中身見たの?」
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-07-19 อ่านเพิ่มเติม