会場に入り、私はグラスに入ったシャンパンを受け取ると会場を見渡した。そして、視線の先に小さな子供連れのファミリーを見つけた。その家族の近くに立ち止まった時だった。隣の幼い女の子が大きな声で指をさした。「ねえ、隣のお姉ちゃんすっごく可愛いね!」周囲に響き渡るような声で女の子が私に指をさしてくる。両親は慌てた様子で子供の口を塞ごうとしている。私がニコッと会釈をして手を振ると、女の子は嬉しそうにピョンピョンと跳ねながら手を振り返してくれた。「すみません、この子が失礼なことを言ってしまって…」父親が頭を下げると、母親が凛に話しかけてきた。「とんでもないです。とても可愛いお嬢さんですね。」「私、新橋と申します。隣にいるのは夫と子どもで…」女性はそう言って夫と子供を簡単に紹介してくれた。「今日は、どなたの関係でいらっしゃったんですか?」新橋さんの問いかけに、私は少しだけ間をおいてから答えた。「私は高柳の…あ、でも、まだ家族ではないのですが」
Terakhir Diperbarui : 2025-07-14 Baca selengkapnya