All Chapters of 誰が契約結婚だって?ハイスぺCEOは私しか見ていない: Chapter 261 - Chapter 266

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261.写真に隠された真実①

佳奈side十日の午前十一時。私が指定したファミレスの一番端の席に座り、葉山と向かい合っていた。ドリンクバーにも遠く、モーニングも終わった時間帯で店内は閑散とし、あたりには誰もいなく、店内はほぼ貸し切り状態だった。この静けさが、これから話す内容の重さを際立たせていた。「この前は本当にごめんね。お酒が回ったみたいで、坂本ちゃんに失礼なことをしたね。それで今日はどうしたの?」写真に隠された真実と言うのは、最近匿名で私のところにメールが送られてくるようになったんです。そのメールには、毎回画像も添付されていて……これなのですが。」私は、啓介と女性が親密そうに歩く、昨夜送られてきたばかりの一枚の写真を見せた。葉山は、画面に視線を落とすと、ほんの一瞬のわずかな時間だけ表情を固めていた。「そう、なんだ。恋人同士?なんか訳がありそうな感じの写真だね。」彼は感情を押し殺すように、淡々とした口調で感想を述べる。「ええ。この写真なんですが写っている男性は、私の夫です。」その言葉に、葉山は一瞬目を泳がせた。「そうなんだ。こんな写真が送られてきたら気になってしょうがないね。それで元気がなくて話を聞いてほしかったのか?」葉山は、困ったような顔をしながら注文したオレンジ
last updateLast Updated : 2025-09-29
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262.写真に隠された真実②

佳奈side「坂本ちゃん?何が言いたいんだい?」彼の声や仕草には、僅かな動揺が混ざっていた。私は、自分の考えが正しいことを確信した。「葉山さんが、私を信頼して担当の変更を希望して下さったように、私も葉山さんのことを尊敬していたということです。先生の作品は、どれもチェックしており、他の人には分からない小さなクセも把握しているつもりです。今回の写真、被写 体の男性が綺麗に映るように、少しだけ男性の周りの背景をぼかしていますよね?これは、先生の初期の作品に見られた手法です。それに、夜の道で撮られた写真なのに男性側だけ鮮明です。」沈黙が、重い空気となって二人の間に横たわった。私は、葉山の目を真っ直ぐに見つめた。「夫は一般人です。もちろん、素材の提供も許可していません。この写真は、先生ご自身の意思で作られたのですか?それとも依頼だったんですか?どちらにせよ、勝手に素材を使うことは今後の先生の活動に影響します。教えてください。」しばらくの沈黙のあとに、葉山は重い口を開いた。諦めと感心がない交ぜになったような表情だった。「さすが坂本ちゃんだね。僕が見込んでいただけのことはある。確かに、これは僕が作ったものだ。」「やっぱり
last updateLast Updated : 2025-09-29
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