佳奈side『ごめん、タイミング見計らってすぐに戻るから。』少ししてから啓介からメッセージが届いた。私は、テレビをつけて啓介が戻ってくるのを待った。しかし、一時間経っても、二時間経っても、啓介は戻ってこない。部屋には、テレビの音だけが虚しく響いている。「あーもう、なんなのよ。全然戻ってこないじゃない。」痺れを切らした私は、道中で買った赤ワインを開けて一人で飲み始めた。啓介が用意してくれた日本酒は、二人で飲もうと思っていたのに、日付が変わっても帰ってこない。怒りにまかせて日本酒も開けて飲み始めたが、一人で飲むお酒はちっとも美味しくない。虚しくなって途中で封をして布団に入った。怒りと悲しみと寂しさが胸の中で渦巻いていた。そして、啓介が部屋に戻ったのは、うっすらと陽の光が部屋に差し込んだ明け方だった。啓介は飲み過ぎてまだお酒が残っているのか、ぐったりと布団に横になっている。(せっかく、せっかく二人でのんびり過ごせると思ったのに!!!)二日酔いで気持ち悪そうにしている啓介をひとり部屋に残して、朝風呂へと向かった。冷たい水を顔に浴び、私の心と身体は冷え切っていた。
 최신 업데이트 : 2025-09-21
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