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お嬢!トゥルーラブ♡スリップ のすべてのチャプター: チャプター 81 - チャプター 90

159 チャプター

【第1部】 第43話 ピンチ!①

 あれからずっと、ヘンリーは私を避け続けている。  もちろん対応がそっけないのも継続中。その理由も未だに不明。 さらには、結構精神的に辛いことがあって。 シャーロットと仲良く過ごすヘンリーの姿を目撃することが多くなっていた。  見せつけるようなその姿に、私はただ毎日耐え続けるしかない。  居間でいつものように皆でご飯を食べていると、「はい、あーんですわ。ヘンリー様」 「あーん」 シャーロットがすくったご飯にかぶりつくヘンリー。「美味しい、ありがとうシャーロット」 「うふふっ」 新婚のように仲良くじゃれ合う二人。  その様子を目の前で見せつけられた私の血管は、切れそうなほど浮き出ているに違いない。「おい、おまえたち、いい加減にしろよ」 龍がヘンリー達を睨み凄んだ。「いいから」 私が制すると、龍は納得していないように顔を歪め、口をつぐんだ。 これが最近のやり取りの定番だ。 幾度となく私の目の前でいちゃつくヘンリーとシャーロットに、龍の堪忍袋の緒が切れたのが昨日。  それまでも幾度となく二人に向け、注意はしていた。  それでもやめない二人に、龍がとうとうキレた。 ヘンリーに殴りかかろうとした龍を私は止めた。  そんなことしたからって、何も変わらない。ヘンリーの気持ちが変わることはないとわかっているから。 なんでこんなことになってしまったのか、未だにわからないけれど。  私はもう疲れていた。 ヘンリーのことがわからなくて、彼のことをあきらめようとしている自分がいる。 あんなに私のことを好いてくれていたヘンリーは、もういない。 もう元には戻れない……なぜかそんな気がするのだ。「龍、行こう」 私は立ち上がると、居間を出ていく。「お嬢、どこへ?」 龍に問われ、ふと考える。  とくに目的があったわけではない。ただ、ここから
last update最終更新日 : 2025-08-10
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【第1部】 第43話 ピンチ!②

「あなた、如月流華さん?」 突然見知らぬ男が私に話しかけてきた。 何? こいつ。知らない顔だけど。 私が怪しむように男を見つめる。 すると突然男が私の後頭部を掴んだかと思うと、口元にハンカチを押し当ててきた。「うぐっ、む、むぅ……」 薬品の匂い。 しまった……! と思ったがもう手遅れ。 だんだん意識が薄れていき、私はそのまま眠りについた。  意識を取り戻した私はゆっくりと目を開ける。 ここはどこ? どれだけ眠っていたんだろう。 辺りを見渡すと、錆び付いた機械や廃材が転がっているのが目に飛び込んできた。 床は固いコンクリート。接触面は冷たく、体温を奪われていくように感じる。 壁は古く、材質がめくれかかっている個所が多く目についた。 天井も頑丈そうに見えるが、錆が目立つ。 ……ここは、もう使われなくなった倉庫か何かだろうか。 太陽の光が感じられ、その出所を探すため視線を動かす。 天井の隙間から陽光が差し込んでいるのを見つけた。 その光の加減から、まだ昼間だということが推測できる。 手足を動かしてみると、すぐに痛みを感じた。 見れば、手足はロープで巻かれ、近くの柱にしっかりと固定されているではないか。「よう、目覚めたかい?」 サングラスをかけた、いかにもヤクザ風な男が顔を覗き込んでくる。 ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべるその男に、激しい嫌悪感を抱いた。 なんなの? こいつ。 もしかして、いや、もしかしなくても、私……。 どこかの組の輩に、拉致られた?「あんたら何? どこの組」 私がガンを飛ばすと、男は嬉しそうに口笛を吹く。 それに合わせ、他の連中も笑い声を上げた。 気づけば、私を取り囲む
last update最終更新日 : 2025-08-11
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【第1部】 第44話 絶体絶命!①

「その方に触れるな!」 大きく響きわたる怒号。 この声は……。  私は声のした方へ視線を向ける。 それと同時に、男たちの視線も集中する。 入口付近に立っている人物に、目が釘付けになった。 龍だ! 少し遠い場所にいるので、はっきりとした表情は見えなかった。 しかし、あれは龍だ。 私が彼を見間違えるはずがない。 たった今走ってきたのか、龍の肩は激しく上下に揺れている。 その鋭い眼差しは、こちらへ向けられているようだった。 私の傍に立つ男が、大きな声で龍に向かって吠える。「ほう、早かったじゃねえか! 如月組の若頭……神谷龍之介!!」 龍に向かって力の限り叫んだ。「龍っ!」「お嬢!」 龍が私の方へ向かって駆け出した。 私まであと五、六メートルという場所に龍がやってくると、男が声をかける。「おおっと、それ以上近づくなよ。お嬢の顔を傷つけたくなかったらな」 男は私の頬にナイフを向ける。 龍はピタリと足を止めた。 男をぎろりと睨みつけた龍が、静かに問いかける。「何が、目的だ? こんなことをして……おまえらの組長は知っているのか」「組は関係ねえ。これは俺個人の問題だ」 男はニヤッと笑うと、私の頬にナイフの側面を何度か軽く当てて見せた。 きっと龍への牽制のつもりだろう。  ナイフの冷たい刃が皮膚に当たり、不快に感じた私は眉を寄せ男を睨みつける。「貴様っ……」 龍は拳をギュッと握りしめ、湧き出てくる怒りを懸命に抑え込んでいるようだった。 彼の目は、狼のように鋭く鈍い光を放ち、相手を捉えている。 その目に睨まれると、誰もが恐れ体がすくむ……という噂を耳にしたことがあった
last update最終更新日 : 2025-08-12
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【第1部】 第44話 絶体絶命!②

「龍……」 そんな風に思ってくれていたの? 初めて聞かされた龍の本心に、感動した。 龍が私たちのことを大切に想ってくれていることは知っている。 でも、改めて気持ちを聞くと、心にじんとくるものがあった。 こんな状況なのに、私の心は龍の想いに満たされ、温かくなっていく。 ところが、男はその龍の態度が気に食わないのか、悔しそうに顔を歪め歯を食いしばっている。 ギリギリと歯の摩擦音が聞こえてくる程に。  どれだけ力込めてるのよ! と私は男を凝視する。  男は突然、苦しそうに呻き出したかと思うと叫んだ。「そうかよっ! ……なら、この女のためなら、なんでもするんだな? おい、おまえら!」 男が合図すると、一斉に他の男たちは龍を取り囲んでいく。 あっという間に龍は男たちに包囲されてしまった。「ちょっ、何すんのよ! 大勢でなんて卑怯よ! それに人質まで取って。 そんなことまでしないと勝てないの!」 私は縄を解けないかと、体をうねらせながら手足をばたつかせる。 しかし、しっかりと固定されている縄はいっこうに解ける様子はなかった。 喚き散らす私に向かって、男が怒鳴る。「おまえに、何がわかるっ! 俺はなあ、俺は……龍さんに、憧れてたんだ!」「はあ?」 思いもしなかった言葉に、その場にいた全員の動きがピタリと止まった。 一体どういうこと? 皆の視線が今度は男に集中した。 男はふっと微笑むと、静かに語り出す。「俺は昔、最強の龍に憧れ、暴走族に入った。 そしたら、いつの間にか龍は族抜けし、ヤクザになってるって言うじゃねえか。 んで、俺も龍を追い、ヤクザの道へ足を踏み入れた。 そしたら今度は、おまえみたいな小娘に龍はうつつを抜かしてるじゃねえか! 俺は、こ
last update最終更新日 : 2025-08-12
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【第1部】 第45話 愛しい人①

「龍っ! 龍っ!! いやっ、どうして!」 今の状況を理解することができない。 混乱しながら、ただ必死に龍の名前を張り叫んだ。 目の前の男も先ほどの余裕はどこへやら、放心状態のようにぽかんとした表情で倒れた龍を見つめている。「え? どうして、龍が……」 発砲した人物は、龍を撃ったあとすぐに正体をくらました。 遠くの方で人影が去っていくのが見える。 その身のこなしから、その筋の人間の仕業だとすぐに理解した。 男たちは戸惑い、動揺した様子で辺りをうろついている。 誰もこの状況を把握している者はいないようだ。「ねえ、解いて! 縄解いて!!」 私が叫ぶと、呆然としていた男は素直に頷いた。「あ、ああ」 緊張からか男の手が震え、なかなか縄が解けていかない。 私はもどかしくて、身悶える。 縄が解かれると、龍のもとへ全速力で駆けていく。「龍っ!」 龍の傍らで膝をつき、弱々しく息をするその体をそっと支えた。「龍、龍! しっかりして!」 私の声に反応した龍の目がわずかに開いた。「お、お嬢……」 弱々しい龍の姿に、私は眉をひそめながら彼の状態を確認していく。 大丈夫、まだ意識がある。 それに致命傷にはなってない、と思う。心臓から少し離れた場所を打たれている。 血は出ているけど、これぐらいなら大丈夫……。って私にはわからないけど。 無事だと思いたいじゃない! 私はポケットの中にあるスマホの存在を思い出し、手を伸ばした。 触れた感触にほっとする。 幸運なことに、これは奴らに発見されずに済んだようだ。 震える手で操作し、救急車を呼ぶ。 ふと私は辺りを見回した。 いつの間にか、先ほどの男たちの姿は忽然と消えていた。 あの男も、他の連中も全員&hell
last update最終更新日 : 2025-08-13
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【第1部】 第45話 愛しい人②

 病院へ到着すると、龍はそのまま手術室へと運ばれていく。  私はなす術もなく、ただ茫然と扉を見つめ続けていた。 何も考えられず、ただそこに立ち尽くしている私のもとに祖父がやってきた。 血相を変え慌てた様子の祖父は、私を見つけると安堵した表情になる。「流華! よかったっ、無事で」 祖父は私を強く抱きしめた。「おじいちゃん……龍が、龍がっ」 震える体で、すがりつくように祖父にしがみつく。「うん、わかっとる。大丈夫、わしがついとるからな」 そう言うと、祖父は私の頭を優しく撫でてくれた。  一人恐怖と闘っていた私は、祖父の温もりと優しさを感じ、肩の力が抜けていくのを感じた。「何、心配いらん。龍はわしが知っとる奴の中でも一番頑丈じゃ。  こんなことくらいで、死なない」 そう言う祖父の声音は、いつもと違って緊張感の漂うもので。  それが私の不安を増長させた。  それから、一体どれくらいの時間が経ったのか。  時間がいつもより遅く、永遠のように感じられた。 手術室のドアが開き、中からたった今手術を終えたばかりの医師が姿を現した。「先生! 龍は?」 私が掴みかかると、医師は困った表情を見せる。「これ、流華」 祖父が私を優しく引き剥がすと、医師は私に微笑みかけ、静かに告げた。「大丈夫……彼は、助かりましたよ。  いやあ、驚きました。彼の生命力の強さには。普通の人間なら、まず助からなかったでしょう」 その言葉にほっとした私は、足の力が抜け廊下に座り込んでしまう。 あとのことはあまり覚えていない。  安堵感からか、頭が真っ白になって何も考えられなかった。 祖父が医師と何やら話したあと、私を支えながらどこかへ連れて行ってくれたのだけは覚えている。  「こちらです」 看護師が案内した部屋に入ると、ベッドに横たわ
last update最終更新日 : 2025-08-14
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【第1部】 第46話 告白①

「龍! 龍、気づいたの?」 龍にしがみつき、至近距離から見つめる。 瞳がゆっくりと開いていき、彼の瞳が私を捉える。 力のない瞼を何度かゆっくりと開閉させた後、龍は柔らかく微笑んだ。「お嬢……」 久しぶりに聞く龍の声は、かすれていた。 感情を抑えることができず、私は瞳に涙をいっぱい溜めたまま龍におもいきり抱きついた。「よかったあ、無事で……龍っ」 力を込めぎゅっと抱きしめると、お互いの体は隙間なく密着する。 すると、龍は激しく動揺し狼狽えはじめる。「あ、あの、お嬢」「龍、私、私……」 溢れる想いを言葉に出しかけた、そのとき、「うおっほん!」 突然、祖父の咳払いが病室に響いた。「っおじいちゃん!」 少し離れた場所で居心地悪そうに佇む祖父は、あきれた表情をこちらに向けている。 そういえば、おじいちゃんと一緒だったんだ。と私は今更ながら気づいた。 すっかり存在を忘れていた。  龍が目覚めたことが嬉しくて、脳内から他のことはどこかへ消え去った。 気まずい視線を祖父へ送る。 隣にいる龍も、どこか恥ずかしそうにたどたどしい視線を向けていた。 祖父はゆっくりとした足取りで、私たちへ近づいてくる。 そして目の前で立ち止まると、祖父は龍をまっすぐ見つめた。「よく生きていてくれたな、龍。 ありがとう、流華を守ってくれて」 深く頭を下げる祖父を前に、龍が慌てふためく。「やめてください! 当たり前のことをしたまでです。私はお嬢を守るためなら」 と龍が言いかけたところで、私が横やりを入れる。「いや、死んだらもう守れないじゃない! ……傍にいられないじゃん。 これからもずっと傍で守ってくれるんでしょ? もう絶対危ないことしないで
last update最終更新日 : 2025-08-15
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【第1部】 第46話 告白②

 龍が愛おしそうな眼差しを向けてくる。  瞳が重なると、また鼓動がドキドキとうるさく鳴り始めた。  どうしよう、なんだかすごく恥ずかしい。 見つめられたくらいで“ときめく”なんて……重症だわ。 私は気を紛らわせるため、先ほど気になったことを聞いてみることにした。「あの……さ。こんな時になんだけど。 龍って彼女とかいるの?」 突然そんなことを聞かれ驚いたのか、龍は鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする。  私は恥ずかしくて龍の目を見ることができずにいた。 「いえ、私に恋人はおりません。お嬢が一番わかっているでしょう? 四六時中あなたの傍にいて、どうやって作れると思いますか?」 はっきりとそう答える龍にほっとしつつ、次の質問を投げかけてみる。「そ、そうだよねっ。じゃ、じゃあ……好きな人とかは?」 その質問を聞いた途端、龍の顔から笑顔が消え黙り込んでしまった。 ん? 沈黙……いるってこと? 不安になった私はそっと龍の顔を見た。 真剣な眼差しの龍と目が合う。「お嬢は、ヘンリーですよね?」 なぜか聞き返されてしまった。 もしかして話を逸らされた? 龍の真剣さに押され、私が答えるはめになる。 「う、ん。ヘンリーだと思ってたんだけどね……」 なんだか言いにくいなあ、と声はだんだん弱まっていく。 そんな私を龍は訝しげな表情で見つめてくる。 「思ってた?」「うん……どうやら勘違いだったみたい。 私の過去生の記憶や気持ちとごちゃごちゃになってて、わからなかったの。 前世でヘンリーと私、恋人同士でさ。 そのときの気持ちが流れ込んできて、今の自分の気持ちと勘違いしちゃってたみ
last update最終更新日 : 2025-08-15
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【第1部】 第47話 やっと……①

 とうとう言っちゃった。 っていうか気づいたばかりですぐ告白って、軽薄に思われるかな。 つい最近までヘンリーのこと好きって言ってたんだし。 信じてもらえる? 私の心は不安でいっぱいだった。 龍へ視線を向けると、ぽかんとした表情であっけにとられている彼の姿が目に入る。 こんな腑抜けた龍、初めて見た。「りゅ、龍?」 顔の目の前で、ひらひらと手を振ってみる。 すると、はっと気づいたような顔をして、龍が私を凝視した。「そ、それは! 好きとは、あの、家族とか友達とかの好き、ですよね?」 そうくると思った。「違う。ちゃんと恋愛感情の好き」 私がはっきりとした口調で告げると、龍はまた停止する。 なんだか、さっきから止まったり動いたり……ロボットみたいで面白い。「なななっ、なんで! なんでいきなり、そんなっ、今まで微塵もそんな風には」 慌てふためき、取り乱し、しどろもどろな龍。 そんな龍を落ち着けるように、私は冷静に言い返す。「だって、しょうがないじゃない。 私自身ずっと気づいてなかったんだもん。 最近貴子に言われたり、今回のこともあって、やっと気づけたの。 ……何よ、龍は私のこと、好きじゃないの?」 拗ねた表情で問いかけると、龍はおもいきり頭を横にブンブン振った。「と、とんでもないっ! そ、そ、そんな、こんな夢のような展開が起ころうとは。 ……驚きすぎて、何て言えばいいか」 ふと気づけば、龍の顔は真っ赤だった。「龍、顔赤いよ?」「はっ! す、すみません。嬉しくて……これは隠すことができませんでした」 龍は乙女のように顔を手で覆い、下を向いてしまう。 え? 何この反応。 この反応はOKってことでいいのかな?「ねえ、龍&he
last update最終更新日 : 2025-08-16
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【第1部】 第47話 やっと……②

「嬉しいっ」 今度は私から龍に抱きついた。 龍の息を呑む気配を感じる。 しかし、すぐにたどたどしい動きと手つきで、龍も私を抱き返してくれる。「龍はさ、私のことずっと前から好きだったの?」「はい、出会った時から……ずっと」 照れくさそうに答える龍が、可愛くて愛おしい。 そんなにずっと想っていてくれてたんだ……。 嬉しい反面、私はふと考えた。 龍は、私と一緒にいて辛くなかったのだろうか。最近はヘンリーのこともあったし。 私は一度少し離れ、もう一度真正面から龍のことを見つめる。「私も、龍のことずっと前から好きだったんだと思う。 でも鈍いから……今まで気づけなかった。ごめんね、辛い思いさせて」 申し訳なさそうに下を向きつつ、上目遣いで見つめる。 すると、龍はゆっくりと首を振って、優しく笑った。「いえ、こうしてお嬢と一緒にいられるだけで幸せですから。 辛いと思ったことは一度もありませんよ。 もちろん、両想いになれたことは本当に嬉しいです。一生、片想いだと思っていましたから」 龍のはにかむ笑顔を前に、私の心は愛しさで満たされていく。 ああ、なんて愛しいんだろう。 この人のことが、愛しくて堪らない。 もしかして、龍もこんな想いで傍にいてくれたの?「……信じてくれて、ありがとう。 ずっと私、ヘンリーのことばかりだったじゃない? 私の気持ち誤解して、信じてくれないかもって心配した」 そう、最近の私は過去生からの気持ちに振り回され、ヘンリーに夢中だった。 きっと龍は、私がヘンリーを好きなのだと思っていたに違いない。 だから、告白をすんなり信じてくれたことに驚いた。 「私はお嬢の言うことなら何でも信じますよ、無条件で。 今までもこれからも、変わりません」 慈し
last update最終更新日 : 2025-08-17
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