Semua Bab 元怪盗令嬢【レッドニードル】レイシャは世界を変革す: Bab 31 - Bab 40

54 Bab

第31話 イミテーションブルーは静かに語る

 が、そこには私達が期待したものは何もなく、綺麗な純銀の平らな表面が見えるだけであった。「うん、これは私があの時見たペンダントではありませんね。しかも、魔石のマナの流れもあれに比べて薄いものです」「……ふむ、クロウの嬢ちゃんが言うなら間違いないじゃろう。ついでで申し訳ないが、何故貴方はこのペンダントをおつくりになったのか、そして何故イハール殿を選んだのか? なども話していただけますかな?」 長は小次狼さんの言葉にゆっくりと頷き、窓から見える満月を眺めながらポツリポツリと語りだした。「そうだな、あれは百年前……。私が初めて人の心を知りたいと思った事から始めた事だった」  長のいや、ブラッド青年の体を借りたコバルトブルーの瞳が私達を見つめ、静かに語っていく。「私はレイシャが組織を抜け、何かぽっかりと胸に穴が開いたようなそんないたたまれない気分になった。……きっとそれは私のバンパイヤとしての人生で初めての気持ちだったと思うのだ」 悲壮感溢れる長のその表情、それは今まで私が見た事も無いものであった。「それがきっかけだったんだと思うが、私はふと思ったのだ。人になればその気持ちが理解できるのでは? と……。結果、私はこのペンダントを作り無事自分の悲願を達成することが出来た……」 合理主義者の長のこの行動、きっと本当の話だろう。(で、その理由が私って事……? そ、それって、つまり……?) 私は少し胸の鼓動が早まるのが自身で理解出来た。 (けど、私はエターナルアザーを、いや、長を嫌悪していたはずなのに、どうして……どうしてこんな気持ちなるの?)「ふむ、貴方が言いたい事はおおむね理解出来ました。が、イハール殿はこの事を承知なのですかな?」「無論だ、なにせ彼との契約なのだからな。ただ、彼は私と貴殿たちとの会話の記憶、即ち私の夜の記憶は引き
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-08
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第32話 青年は夢のために動く

 それから数日後、青空が広がる晴天の昼間に、私達はブラッド青年の屋敷を再び訪れる。  私達の真正面に見える柔らかい物腰と雰囲気は、間違いなくブラッド青年そのものであった。  軽く挨拶を終わらせ接客用のソファーにお互い座っているのだが、正直色々気まずい……。 ブラッド青年も聡いので、何となくはそれを察しているのだろう。 だからか何やら少し考えている様子が伺えた。 私達もその様子を見ながら、頂いた紅茶を静かに飲んでいる状態であった。「……もしかして貴方達は夜間にこちらを伺ったりしましたか……?」 最初に口火を切ったのはブラッド青年だった。「え? 何故そんなことが分るんですか?」「やはりそうですか。私の庭にも何やらエンチャントの魔力の形跡が残ってましたし、他にも色々ですね……」「す、凄い。そんなことから推察できるんですね」「貴方達は私の秘密を知ってしまった。だから正直に話しますが、私も色々と保険はかけているんですよ」 なるほど、流石ブラッド青年、色々と聡いし、これでこちらも気を使わずに済む。「隠しても無駄そうだし正直に言うと、私達は夜のもう一人の貴方にあったわ」「そうですか……。では色々話す手間は省けましたね……」 ブラッド青年は深く頷きながら、陶磁器のティーカップを静かに自身の口に含む。(ブラッド青年はなんとなく察している感じはするけど、その契約者がエターナルアザーの長であるという事実は控えていた方が良さそうではあるのよね)「失礼ですが貴方はまだお若いし、商才もあり聡い。それなのに何故あの方との契約に応じたのですか? 例え国宝エンチャント師になれるとしても、貴方の貴重な人生の半分を他人に捧げることになるのですぞ?」(そうよね、真面目な小次狼さんなら言わずにはいられないよね……) 
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-09
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第33話 ハッピバースディマーガレット

 それから数週間後……。 早朝の晴天の最中、小さな小さな友達が私の花屋に遊びに来ていた。 遊びに来たというか、実は私が招いたのだけどね。 その理由は……。「ハッピーバースデーツゥユー! マーガレット10歳の誕生日おめでとう!」 私とクロウの小気味よい拍手音がテラス周辺に響き渡る。 そう、今日はマーガレットの誕生日だったのだ。 それで外のテラスにテーブルなどを持ってきて、皆でわいわい騒いでいる最中だったりする。 ちなみにメンバーは私にクロウ、マーガレットに子羊のモコである。「えへへ……。みんなありがとう!」  テーブルの上に乗った生クリームいっぱいのホールケーキ。 その上には10本のローソクが火を灯し、揺らめいている……。「じゃ、消すね! ふーっ!」 が、ローソクの本数が多いからか、ローソクの炎はなかなか消えない。「メ、メエエ!」 しまいにはモコが気を使って息をかけてしで、なんとも微笑ましい。「頑張って! ほら、あと1本よ!」  私とクロウはその様子を笑顔で見守りながら、紅茶などの用意をすませていく。「き、消えたー!」「メ、メエエ!」 はい、ということで、私達はローソクを除いたそれを切り分け美味しく食べていきますよっと。「わあ、このケーキいちごが沢山入っていて美味しい!」「ふふ、それはね、イッカ国の特産品であるイチゴを使ったケーキだからよ」「わあ、すごーい!」 マーガレットは口元に生クリームまみれにしながらも満面の笑みを浮かべている。(うん! マーガレットも喜んでくれているし、買ってきて正解だったね) 私は紅茶を美味しく飲みながら、ウンウンと頷く。「あ、マーガレット、はいこれ!」「え? なになに?」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-10
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第34話 夜のとばりが訪れて

 ……私達は疲れていたからか、はたまた気分転換のためか何故か一斉に窓の外を眺めてしまう。 するといつのまにかすっかり日は沈み、漆黒の闇に三日月がぼんやりと輝く姿が見えたのだ。  そう、夜のとばりが訪れたのである……。「……あ、ああっ!」「ど、どうしたのクロウ?」 クロウの急な叫び声と、その何かを感じずにはいられない三日月夜に私は自身の胸の鼓動が早くなるのが分る。「マ、マーガレットのいる場所にモンスターの気配が!」「え、ええっ!」「2人とも詳しい説明は後です! とりあえず私につかまって!」「お願い!」「了解じゃ!」 クロウお得意の高速詠唱テレポートが完成し、私の視界がぐにゃりと歪むのを感じた! 意識が戻り目の前を見ると、漆黒の闇夜に巨大な白い十字架が見える。 屋根の上に飾られている十字架、即ち教会だろう。 なんと驚いた事にその教会周囲から、大量の幼子の悲鳴、それに大量のモンスターが蠢く姿が見えるではないか! 更によく目を凝らすと、黒装束に身を包んだ者達が鎧に身を包んだ骸骨兵らと戦っている姿が見える! 黒装束らの腕は確かだったが、如何せん相手が悪い。 というのもこの骸骨兵達はただのモンスターではない。 リッチー=アガンドラが操る特殊なアンデッドモンスター竜牙兵なのである。 竜牙兵、名の通りドラゴンの骨から生み出された強靭な力を持つスケルトン……。 粉々にあるいは真っ二つに切っても、しばらくしたら何事も無かったように元の姿に戻ってしまう。「ひ、ひいっ! 何だこいつらはっ!」「ふ、不死身のバケモンだ……」 その異様な姿に、黒装束の男らはついには悲鳴を上げる始末。「クロウ! 小次狼さん!」 私は腰に下げていたレッドニードルを素早く抜刀し、叫ぶ!「了解じゃ! というか彼らは儂の部下じゃ!」「なるほど、とりあえず私は後方で援護します!」 2人もそれぞれ周囲を警戒しながら戦闘態勢に入る。 なお、この竜牙兵達は倒すのに何種類か方法がある。 それは……。「燃えよ、レッドニードル!」 私の命にて、私の胸のペンダントは真紅の輝きを放ち、それに呼応するようにレッドニードルの刀身は真紅の炎に包まれる!「はあっ!」 気合一閃! 私は業火に包まれたレッドニードルで竜牙兵達を易々と切り裂いていく! 切り裂かれた竜牙兵達はそのま
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-11
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第35話 オリジナルを追え!

 しばらく進んでいくと私達は人気の多いイッカ国の城下町に辿り着く。「ふむ、してクロウ嬢ちゃんどうするつもりなんじゃ?」「……こうします!」 クロウは自慢の高速詠唱しているようだけど……?「……やっぱり」「何か分ったの?」「はい! ついてきて下さい!」 私達は駆け足で進んでいくクロウの後を再びついていく。 ほどなくして、目的地についたのか足を止めるクロウ。「えっ! 此処ってまさか……?」 そう、私達が来たのはあの花屋『リランダ』だったのである。 その時、店周りを掃除していたオヤジさんが私達に気が付き、こちらに歩み寄ってきた。「おや? 貴方達はいつぞやの……?」 それからしばらくして、ここは花屋リランダの店の中。「えっ! ええええ? け、経営主様がゆ、行方不明⁈」「そうなんですよ……」 私達は店のオヤジさんに此処に来た理由を端的に話すことにした。「……そ、それで経営主様のいそうな場所を探していると?」「はい」 店のオヤジさんは目を忙しく泳がせ、真っ青な顔で私達の顔を見つめている。「あ、あの、おっしゃる意味は分かりますが、私はそもそも経営主様が行方不明になった事を今貴方達から聞いて知ったんですよ?」「でしょうね……」「そのようですな……」 クロウと小次狼さんは深く頷いているが、この感じだと2人とも系統の違う読心術を使ってるんでしょう……。 この人畜無害そうな店のオヤジさんを疑うのは大変心苦しいが、時間が勿体ないので今回ばかりは仕方ない。「すいません、時間が勿体ないし、単刀直入にオヤジさんに目的を言います」「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-12
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第36話 保管庫にて

「す、凄い! 初見でカラクリを見破るなんて!」「まあ、この重そうな本棚。何処かに動かすスイッチがあるはずじゃしなあ……」 小次狼さんは忍びの元統領としてこの手の作業は長年の経験則で網羅しているのであろう。 流石の一言である。「ねえ、どうしてこの本数冊がそのスイッチって分かったの?」「……ここは長のコレクションの保管庫じゃろ? その長は人を理解するのに様々な勉強を本で学んでいた」「あ、なるほど! 本棚に心理学とかの本が沢山ありますね!」「でな、ピンときたわけじゃよ。その長が人になろうとしたきっかけを作った人物が花を好きだった事をな……」 私は小太狼さんが手に持っている複数の本のタイトルをチェックしていく。(マーガレット、わすれな草、そして最後にヘリオトロープ……⁈ こ、これって……?) 「あ、よく考えたら、ここ花屋ですもんね」 クロウも気が付いたみたいだけど、本のタイトルには全て花の名前が付けられていたのだ。「ふ、まあ、お互い色々鈍そうじゃしなあ……」「周りからしたら、気が付くのに歴史が色々変わりそうで怖いって思ってるんですけどねえ……」 2人とも私を見ながら何故かぼそぼそいってますが……?「……貴方達一体なんの話をしているの?」「……さ、時間を無駄にしたくないのでとっとと進みましょうか?」「ぷっ! そ、そうじゃな……」 クロウは肩をすくめながら、暗がりの空洞をスタスタと進んでいく。 その後には小次狼さんがにやけながらついていってますが……。「ちょっと! なに怒ってるのよクロウ! こら無視しない! そして小次狼さんも笑わない!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-13
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第37話 忍びの駆け引き

「後ろっ!」 私のその叫び声に反応し、慌ててその場を離れるクロウと小次狼さん。 気が付くと、間一髪で私達のさきほどいた場所何かが勢いよく振り下ろされ、鈍い金属音が周囲に響き渡る! よく見るとプレートメイルを着込んだ1体の竜牙兵が重そうな金属の大斧を手に持っているが分った。「……な、何の騒ぎだ?」「きっと、見張りの竜牙兵が武器を振り下ろした音だ。俗だっ、迎え撃て……!」 不幸な事にその金属音で感知されてしまい、私達の目の前にはバタバタと現れた数人の黒ずくめの男達が武器を構え現れる!(黒ずくめの男達が全部で5人に竜牙兵が1体か……)  私は瞬時に状況を把握し、最適な戦闘方法を考える。 困ったことに狭い通路なので魔法は使いにくいし、下手をすると粉塵爆発とかで私達も巻き添えを食らいそうだ。 ということは、クロウの魔法は援護以外期待出来そうにない。 よく見ると黒ずくめの男達も手に持っているのは剣や弓矢などの武器のみであった。「貴方達、もしかしてエターナルアザーのリッチー=アガンドラ様の部下?」 お互い武器を構えにらみ合うその最中、クロウは何を思ったのか黒ずくめの男達に話しかける。 クロウのドストレートな言葉に黒ずくめの男達の顔つきが変わりのが分ったが、相手も馬鹿では無いので、無言でこちらの様子を伺っている。(クロウ、上手い! 彼女なら答えなくても読心術で情報をくみ取れるし、見事だわ……)「……リッチー=アガンドラ様のお名前を知っているとは、お前さてはエターナルアザーの者だな?」「えっ! じゃあこいつらは俺達の仲間って事ですかい?」 黒ずくめの中の一番強そうなリーダー格の男が一言ボソリと呟き、他の男達も顔を見合わせざわつきだす。 その反応を見たクロウは私と小次狼さんを見て軽く頷く。 なるほど、クロウは私に対応を任せて下さいと言い
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-14
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第38話 幽閉されし者

「……で、儂らは何を守ればいいんじゃ?」「……この奥は牢屋になっていてな」「なるほど、ここはイッカ王家が昔使っていた罪人用の牢屋か……」「そうだ、そこにいる男が脱獄しないように見張っていればいい。ほら、これがその鍵だ」 リーダー格の男は一本の錆びかけた牢屋の鍵を見せ、それを小次狼さんに投げ渡す。「じゃ、俺達はいくぞ……」「ふむ、ご苦労様じゃった……。残りの1人には儂が直接伝えておくから安心するが良い……」「ああ、じゃあな。後は任せたぞ……」 黒づくめの男達はぶつくさと悪態をつきながら、暗闇の何処かに消えていってしまった……。(さ、流石小次狼さん、超頼りになる……) 大した胆力と強さである。 それからしばらくして私達は古びた牢屋の前に辿り着き、そこで見張りをしていた1人の黒に先程の話をし、帰って貰った。(さて、これで邪魔者はいなくなったけど……) 牢は古いからか錆びだらけであり、周囲にはかび臭い何とも言えない匂いが立ち込めている。 一体いつごろからこの牢屋は作られたのであろうか……。 私がそんな事を考えている間、クロウは暗がりに照らされた光の精を頼りに黙って牢の鍵を開けていた。「こんな暗いとこに閉じ込められて……」 よく見るとクロウのその瞳にはいつもの明るい覇気は無い……。 なお、クロウが話しかけているその相手は1人のボロ布を覆ったみすぼらしい老人であった。「あ、あうあう……」 その老人はクロウに向かって何か喋りかけているが正直何と言っているか分からない。 ク
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-15
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第39話 情報整理

 再びイッカ国の宿屋の近くに移動してきた私達は花屋リランダのオヤジさんに会いに行く。「あ、どうも……」「えっ! ええっ! な、何故こちらから?」  店に入るなり目を大きく開きたいそう驚いている花屋のオヤジさんでした。(あ、オヤジさんはテレポートとかの魔法の事は知らないからか) というわけで、色々話せる内容を私達はオヤジさんに簡潔に説明することにした。「……ああ、そんなわけでしたか。ビックリしたあ……」「ええ、実は探しものの本を見つけて、関係した文献を調べる為に一度帰宅したんですよ。ね、皆さん!」 「……そうじゃな」「そ、そうね……」(勿論、これは本当の事が言えないためクロウが適当に作った作り話だけどね)「そ、そうですか。あ、話は変わりますが貴方達に朗報がありますよ!」「えっ! なんです?」「経営主様が無事見つかり、お屋敷にご帰宅されたとこの街の自警団の皆様から連絡を受けました」「え、ええっ! い、いつ……?」「丁度先程ですね。いやー良かった良かった」 私達はお互い顔を見合わせ信じられないという表情をする。 何故って? だって本物のブラッド青年は実は先程私の花屋にかくまった老人と私達は予想しているからだ。(何故、何故老人の姿になっているかは不明なんだけど、まーアガンドラなら色々出来そうなんでね) 「そ、そうですか……。わ、分かりました……。良かったですよね何事もなくて……」「ええ、そうですね!」 私達は店のオヤジさんに別れを告げ、イッカ国のいつもの宿屋に向かうことにした。「あの老人がブラッド青年じゃなかったの?」「うむ、儂も魔術には疎いからさっぱりじゃ」「&hellip
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-16
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第40話 闇の従者

 ほどなくし屋敷に到着する私達。 前とは異なり、屋敷内にはイルミネーションの明りは無く、周囲は漆黒の闇に染まっている状態であった。「ごめん、ここでしばらく待っていてね?」 下馬した私達は馬を門近くに待機させ、うっすらと輝く月明かりを頼りに屋敷内の庭園を静かに歩き進んでいく。 聞き耳をたて、五感を張り巡らせながら木々の間を歩いていたその時……! 静かにだが草がかすれる音が聴こえる。 いや、これは草を搔き分けこちらに向かってきてる! 私は静かに鞘から剣を抜き、クロウ達にそれを知らせようと振り返るが既に2人とも戦闘態勢に入っていた。(流石は私の相棒達、いらぬ心配だったかな)  そんな事を考えていると、私達の正面に月光にて照らされる者達がその姿を現す! それは要所要所に部分鎧を着こんだ骸骨、即ち様々な武器を構えた竜牙兵達であった。(斧、剣、槍など近接武器を持つ者が4体に弓矢を持つ者が1体か……。さて、どうしよう?) 私がそんな事を考えていると、その弓矢を持つ竜牙兵が静かに矢を弦に添える姿が見えた!「疾っ!」 戦闘開始の合図ともとれる小次狼さんの気合一閃! その声と共に、小次狼さんの手元から無数の苦無が放たれる! それらは丁度矢を射ようと構えていた竜牙兵の指を貫き、結果その矢は明後日の方向に飛んでいく。 流石小次狼さん! 後の先をとりつつ、一番厄介な遠距離武器を持つ敵を無効化してくれた。(というわけで、折角のこの好機っ、活かすしかない!) 「クロウっ!」「分かってます!」 クロウは私のアイコンタクトに軽く頷き、安全そうな位置に移動し呪文の詠唱を始める。(竜牙兵がこれだけ屋敷に配置されているってことはつまり、ここに奴かその関係者がいる……!) 私はレッドニードルを胸元に構え、高らかに叫ぶ!「燃えよレッドニードル!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-06-17
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