Semua Bab 正義のヒロインとあの日の約束: Bab 21 - Bab 22

22 Bab

第13話 二人で……①

「あゆ!」 突然自分の名前を呼ばれ、ビクッとあゆの肩が上がった。  振り返ると、大地がこちらへ向かって走ってくるのが見えた。「……大地か、びっくりした」 あの幼馴染の男の子が大地だとわかってから、二人の距離は急速に縮まっていった。 会えなかった時を埋めるかのように、二人は磁石で引かれ合うがごとく側にいることが増えていく。  お互い傍にいることが嬉しくて、居心地が良くて。幸せで。 そんな日々を送る中、いつの間にか自然とお互いのことを名前で呼び合うようになっていた。「何で一人で帰っちゃうんだよっ、一緒に帰ろうって言ってるだろ?」 大地が息を切らしながらあゆに視線を向ける。  その表情は少し拗ねていた。「だって、いつも一緒に帰っていたら周りに誤解されるじゃない」 あゆは大地から視線を外した。  本当は自分を探して追いかけてきてくれることがすごく嬉しいのに、素直になれない。「いいじゃねえか、何て思われても。それに……誤解じゃないかもしれないだろ?」 「え?」 あゆが聞き返そうとしたそのとき、「だーいちっ」 突然現れた美咲が、いきなり大地の背中に抱きついてきた。「おまえなあ、いつも急に抱きつくなって言ってるだろ!」 大地が美咲を離そうとして体を左右に振る。  美咲は振り子のように揺れながら、大地にギュッとしがみつくと笑った。「もう、大地は照れ屋さんなんだから」 「な、違う! 離れろっ」 大地の背中にピタリと体を密着させ、美咲はあゆに余裕の笑みを向ける。「木立さん、私も一緒に帰っていい?」 あゆはなんだかモヤモヤしたが、それを無視して美咲に微笑んだ。「どうぞ、私は一人で帰るから。さよなら」 大地を軽く睨んで、あゆはさっさと一人で行ってしまう。「ちょ、待て! あゆ」 美咲の耳がピクッと動く。「大地、あの子のこと、“
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-02
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第13話 二人で……②

 河川敷に広い原っぱがあり、その中心に大きな木があった。 春には桜が咲き誇る。  今は緑葉が茂り、その葉が風になびくたび自然の音を奏でていた。 葉の隙間から零れる太陽の光が、地面に綺麗な模様を描いている。「あの時と変わらないなあ、懐かしい」 大地が嬉しそうに伸びをし、原っぱに大の字に寝転んだ。  あゆもその隣に腰を下ろす。「私、ここが大好きだった。  よく悲しいことや辛いことがあると来てたんだ。  そして、大地と出会った」 夕日が水面に反射してキラキラと綺麗に輝いていた。  それを見つめながら、あゆは懐かしそうに語る。「家でも学校でも居場所が無くて……寂しくて、辛かった。誰かに傍にいてほしかった。  そんなとき、大地がいつも傍にいてくれた。  たわいもないことを話したり、一緒に遊んだり、そんな普通のことが嬉しくて、大切だった。  ただ一緒にいるだけで、私はすごく救われてたよ」 あゆが語る姿をじっと見つめていた大地が、ふいに起き上がる。  そして、あゆの肩を抱くと自分に引き寄せた。 あゆは驚いて大地を見つめる。彼の頬はほんのり赤く染まっていた。  大地と密着したあゆの心臓がうるさく音を立て始める。「俺だって、おまえといるの楽しかったよ。  一緒にいると時を忘れたし、別れの時間になるといつも寂しかった。  俺はおまえの嬉しそうに笑う顔が好きで、見てると俺まで嬉しくなった。  なのに、こっちに戻ってきたとき、その笑顔は曇ってて……俺の好きだったあの笑顔はどこにもなかった。  すごく悲しくて、悔しかった。  俺がずっと側にいたら、その笑顔を守れたかもしれないのに……そう思った」 大地は真剣な眼差しをあゆに向ける。「俺、おまえを守りたい。あゆがまた心から笑えるように。  ……俺に守らせてくれ。  そりゃ、俺は特殊な力もないし、選ばれた人間でもなんでもない。足手まといになるかもしれない。  でも精一杯守ってみせる。……だから一人で頑張るな。  辛いとき、疲れたときは、俺を頼ってほしい」 あゆは大地の顔を見ていられなくて、顔を背けた。「どうした?」 大地が慌ててあゆの顔を覗こうとするが、あゆは大地から顔を背け続けた。 嬉しくて、嬉しくて、どんな顔をすればいいのかよくわからな
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-04
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