つらい日々だったけど、こうして罪が明らかになるのは、正しいことだと胸を張れる。 (ルシアン様にさえ、知られなければ……僕は大丈夫) 勧められるまま、エマは入口に最も近い椅子に腰を下ろした。 審問の場には、張りつめた緊張感が満ちている。 気を紛らわすように、エマは改めて室内を見渡した。 王太子の斜め前には書記机が置かれ、そこにユリックが座っている。その隣には三十代ほどの書記官が座り、黙々と記録を取っていた。ユリックの背後には、若い補佐官が一人立っている。式典の準備で顔を合わせたことのある人物だった。 エマの右隣にはルシアン、その隣にナタリナが腰掛けている。 その先には空間があり、向こう側に被審問者の席が並んでいた。 レオナールとドレイク。そして、エマたちが着席してから、王太子に召喚された、ノワジエール侯爵とワイール伯爵。彼らの背後には屈強そうな騎士が三人いて、目を光らせて立っていた。 椅子はすべて王太子を正面にする形で配置されており、エマは彼らの顔を見ることなく、座っていられる。 (良かった。王子の顔を見なくてすむ) エマはルシアンの影に身を寄せるようにして、王太子を見上げた。 いよいよ、審問が行われる。 「証人が揃いましたので、ワイール伯爵に関する審議に入ります」 書記机に座るユリックが文書を整え、王太子を仰いだ。 王太子が頷くと、ユリックは淡々とした口調で読み上げる。 「ワイール伯爵。貴殿は自領に有するサファイア鉱山において、本来B級に分類される原石を加工し、A級品として流通させた疑いが持たれております」 ワイール伯爵の肩が、ビクッと跳ねた。 「加工による色調および透明度の補正。ならびに、それを恒常的に行っていた事実。以上をもって、貴殿を等級偽装の実行責任者と認定します」 「異議あり!」 ワイール伯爵が声を張り上げる。小太りの伯爵は額の汗をハンカチで拭い、必死に弁明した。 「それは偽装などではありませんっ! 品質
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