「あ、あのっ。エマヌエーレ・イーリスですっ。本日は私たちの結婚式にご臨席いただき、誠にありがとうございますっ」 皇太子夫妻の前だと思うと緊張して、舌がもつれそうになる。 そんなエマに、オデットが楽しげに笑みを浮かべた。 「まあ、なんて可愛らしい方。婚礼衣装も、帝国のものと違って、素敵ですわ」 「あ、ありがとうございますっ。私は聖樹ですので、婚礼用の法衣になります」 「そのブドウのブローチも素敵だわ。ルシアンからの贈り物かしら?」 「はい。ルシアン様が贈って下さいました」 エマは首元のブローチにそっと指を這わせて、はにかむ。 すかさず、ルシアンが横から口を出した。 「私のブローチは、エマが選んでくれたのですよ。対になったブローチで、縁起物なのです」 「あら。ルシアンがそのように自慢するなんて、珍しいこと。よき伴侶を得たのですね」 「はい。私の唯一の番ですから」 ルシアンはさらりと答えて、エマを見つめる。 甘い眼差しに胸が高鳴るけど、オデットが思いがけないことを言い出した。 「エマヌエーレ。貴方の金の髪は美しいけれど、薄紅も似合うのでしょう?」 「ぇ……?」 エマは、きょとんと目を瞬かせる。 (あれ? 皇太子妃様って、僕が女装したときと、同じ髪色……?) 自然と、女装デートしたときのことを思い出した。あのときルシアンは、エマを「帝国の高貴な血筋」と説明していたはずだ。 (えっ? ちょっと待って……?) 目の前のオデットは、薄紅の髪を持つ皇太子妃だ。 それはつまり……ルシアンはエマを、皇太子妃オデットの妹であると、暗に告げていたのではないだろうか。 (えぇっ!?) エマは慌てて、ルシアンの腕を掴む。 「る、ルシアン様っ!?」 「すみません、エマ。オデット様には事後承諾でした」 「よく似合っていたぞ? 姉妹だと言っても通じるだろう」 皇太子がニヤニヤ笑いながら、口を挟ん
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