異世界行っても引きこもる〜悠々自適な引きこもり人形使いライフ〜 のすべてのチャプター: チャプター 61 - チャプター 70

71 チャプター

#57

「おいそこのチンピラ共!特にお前だぞミゲル!ただでさえ顔イカついんだから黙ってろ!威圧感ダダ漏れなんだよ!そこの嬢ちゃんが怯えてるじゃねぇか!」「おいギルマス!チンピラがなんだって?誰がチンピラだよ!もう一回言ってみやがれ!いや、やっぱりやめろ二度も言われると傷付く!」「おいミゲル!お前の顔怖すぎて依頼先で助けた女の子に泣かれてたろ。可愛いお面でも被った方がいいんじゃね?それかお菓子でもポケットに忍ばせとけ!」「お前も顔怖いだろゲイン!お菓子はいまどきの子の好みがわかんねぇんだよ!怯えた子におかき食うか聞いたら余計泣かれたわ!」「毎度毎度お前のチョイスは渋いんだよ馬鹿だなぁ。いまどきの子はあれだよ!マリトッツォってやつだよ!あれを渡せばイチコロよ!」「そのイチコロってのは一発でコロッと泣き叫ぶの略じゃねぇだろうなぁ!」「ギクッ……」「マリトッツォか、懐かしい名前だぜ。そいつぁ4、5年前に流行ってたやつだ。流行りというのは泡沫の如きものなのだよ。」「「知っているのかギルマス!」」「今はカヌチュロ(カヌレ×チュロス)ってやつが流行りなんだよ!流行ってのを勉強し直してくるんだなチンピラ共!」※出典 結城書房「まさかそんな菓子が実在していたとは……」◇◇ ちょっとここらでミシェル君を手厚く歓迎してくれた口の悪いお兄さん方の心の中を少しだけ覗いてみよう!「おうおう嬢ちゃん!(あ、あんな小さな子が冒険者ギルドに!?親は何してんだ!ここ帝都のギルドならそう悪い奴はいねぇが外は違ぇ!ちょっと表通りを外れりゃ後暗い事情のやつなんざわんさかいんだぞ!)」『どうしたぁ?ビビってんのか嬢ちゃん!アレか?ママのお使いで依頼でもしに来たのか?俺らにお茶出ししてくれりゃ依頼受けてやってもいいぜ〜?ケッケッケッ!(こんな小さな子供に依頼を任せるだなんて……まさかのっぴきならない事情が!?こうしちゃいられねぇ!金なんざいらねぇ!俺がただで受けてやる!って言いてぇところだがギルドの規約上報酬を受け取ったっつう建前が必要だよな……よし、お茶出しを依頼の対価にすっか!)『おいおい、それ本気で言ってんのかぁ?おめぇら聞いてくれよ!この嬢ちゃん冒険者になろうと思ってたらしいぜ!(そりゃあ冒険者ギルドってのは来るもの拒まずってのがモットーだ。見たところ4、5歳といったところじゃね
last update最終更新日 : 2026-01-10
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#58

「と、言うわけでだ……。嬢ちゃん、カヌチュロ食うか?」「えっと……いただきます?」「で、本題に入るんだが嬢ちゃん……お前さんは何歳だ?うちの規約上所属は原則10歳からなんだよ。」 は?ま?いやでもあくまで"原則"か。つまり例外がちゃんと用意されているってこと!いやでもとりあえず……「えっと……一つ訂正したいことがあるんですけど、いいですか?」「ん?いいぞ?」「僕……男です。」「はぁ?」「付いてますよ?ちゃんと……。あ、年齢は4歳です!やっぱり所属は無理ですかね……でも実力はそこそこあると思うんですよね。試験させてもらえませんか?(必殺!上目遣い!)」 きっつ!上目遣いきっつ!もうやだぁ二度としない!「ちょ、ちょ、ちょっと待て!少し頭を整理させて欲しい。は?男?おいおいまじかよ……。」「ザワザワ(あのかわいさで男!?)」「ザワザワ(嘘だろおい!俺の妹分にしようと思ってたのに……ミゲルお兄ちゃんって呼ばれたい。)」「ザワザワ(それいいな、俺もゲイン兄って呼ばれたい。)」「ザワザワ(お前らもまだまだだなぁ……慕ってくれる後輩なら性別なんて関係ねぇだろ!しかも今の容姿を見るに将来は美青年!うだうだ言ってんじゃねぇ!黙って推せよ!)」「「はっ!」」「わりぃ……遅くなったな。ここ帝都の冒険者ギルドのモットーは力こそ全てなんでな。その試験、やってやるよ!そうだ、勘違いすんなよ?この力ってのは別に武力に限った話じゃねぇ!人間力、財力なんかも含む総合的なもんだ!仕事をやる以上人付き合いのできねぇ半端モノなんざいらん!俺らはいざという時の帝都民の盾であり剣だ。その時に勝手するやつなんざ邪魔なんだよ。とは言っても聖人君子になろって訳じゃねぇ。そこそこでいいんだよそこそこで。ま、それも坊主が試験を突破出来ればの話だがな。」「頑張ります!」「ところで試験の内容に希望はあるか?一応今は戦闘試験と採取試験のどっちかで考えてるんだが。」 うーん……今の年齢的に戦闘試験だと目立ちすぎるか?いやでも今後上を目指す以上ここで多少目立っても誤差か。身バレが若干不安ではあるけど、それも今更だし学校に通ってるっていうアリバイあるしね。一応僕は分身があるからどうなるかわかんないけどそんなの考えるだけ無駄だしね。「戦闘試験でお願いします!」「ほんとに戦闘試験でいいのか?
last update最終更新日 : 2026-01-11
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#59

「あ、あのぉ……僕はギルドに所属できるんでしょうか。」「は、はい。確か……ウィルさんでしたよね。問題なく当ギルドには所属できます、はい。」 いや、なんで急に敬語!心当たりはあるよ?でもこちとらペーペーぞ!「いや、そんな畏まられなくても……ほら!僕はまだ入ったばかりの新人ですよ?もっとこう……なんかありません?全然雑に扱ってもらっても構わないですよ?問おう。あなたがわたしのマスターか。」 やったー言ってみたかったんだよね。そのために試験で魔法を使わなかったまであるし。いやでもビームはセーフか?剣士はビームを放つものだしね。「え、えぇ!そうです!そうですとも!俺こそが冒険者ギルドが誇る精鋭、帝都支部を統括するギルドマスター……ヴォルシス=ヘンリーです!」「ギルマス家名あったんすね。」「そういやギルマスってそんな名前だったな。普段呼ばんから忘れてたわ。すまん!」「そういやギルマス一応貴族でしたね。一応敬語とか使っときます?」「そうだぞ!俺結構すごいんだぞ!平民から冒険者として成り上がって男爵にまで上り詰めたんだからな!だからお前らもっと敬えよ!地位は別に敬わなくてもいいが功績は敬え!これでもお前らの偉大な先達だぞ?」 いや、普通に凄いな!平民でも騎士爵位くらいなら意外と取れたりするんだよ?ちょっと偉いけどまだ実質的には平民の範疇だしね。でも準男爵位にもなると生半可な功績じゃ貰えないし、男爵位にもなると世襲もできる一端のお貴族様ってやつになる。そもそも平民じゃなかなか功績を得る機会もないんだよね。だからガチで凄い!お世辞とかじゃなくほんとに凄いなこの人!「|すげー憧れちゃうなー《スゲーアコガレチャウナー》」「ヒューヒュー!カーックイイ!」「|だよなー俺も早くこうなりたいぜー《ダヨナーオレモハヤクコウナリタイゼー》」「すごい!しかも男爵位って言ったら騎士爵位とか準男爵位みたいな一代限りの爵位じゃないちゃんと世襲出来る爵位じゃないですか!マジモンの英雄ってことじゃないですか!すっげー!」「これだよこれ!お前らも素直な褒めろよな?見ろよこの素直でキラキラ輝いている瞳を!お前らが失ったもんだぞー!」「あ、あの!なんか秘訣とかあるんですか!」「まぁこういうのは運も大いに絡んでくるからなんとも言えないんだが……一番は死なねぇことだな。戦って勝っても死
last update最終更新日 : 2026-01-12
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#60

「あ、そうだ!お前さんに言っておきたいことがあったんだ。敬語を使うのはやめておけ。舐められるだけだぞ?貴族相手なら話は変わってくるがな。タメ口の方が緊急時に意思疎通が取りやすい上に誰が指揮官か敵に伝わりにくいし良いことづくめだしな。そんなわけでゆっくりでいいから気を付けてみてくれ。」「あれ?でもさっき僕に対して敬語……」「それは……あれだ!格の違い見せつけられちまったからついな。もしかしてお前さん英才教育を受けたお貴族様の令息だったりするのか?いやでも俺とて腐っても貴族の端くれだからな。一人で四歳の子供が家を出てギルドに来るとなりゃ多少なりとも情報が入ってくるはず。いや、過信はよくないな。うちの諜報部の体制見直しをするべきか……。」「ぼ、ぼ、《ボ、ボ、》僕は貴族の令息じゃないよ《ボクハキゾクノレイソクジャナイヨ》?」 やばいやばいやばい!余計なこと言った!余計なこと言った!冷や汗が止まらん手汗もびっしょりだ。ワンチャンギルマスに身辺調査されるか?その前にサクッと今いるメンツを消してトンボ帰りするのも視野に入れて……いや、その前に今の状況を何とかできないか試みるのが先だ。「ど、どうしたんですか?そんな黙り込んじゃって〜やだなぁ〜貴族の令息がこんな所にいるわけやいじゃないですか!いたとしてもきっと護衛付きですよ?もし一人でこんなとこにいたら関係部署は大慌てですね。もし誘拐でもされてしまえばその親がどう動くか分かりませんし。国土急速に拡大した影響でまとまりきれてないですし。離反の可能性もゼロじゃない。大変ですねお貴族方は!アハハハハッ!僕には関係ないんで観客気分ですけどね!」「お前さぁ、テンパると口数増えてボロ出すタイプだろ。」「…………」◇◇――彼……やったね ――だね ――評価上げたのにすぐこれだよ ――ほんとにね、でもバレたのがギルドで良かったよね。まだやりようはあるし ――とはいえギルマスが帝国出身で貴族でもあるからなぁ〜 ――ギルマスはギルドを大事にしてるしギルド内で入手した機密相当の情報は口外禁止の規則を守って報告しない可能性もあるんじゃない? ――国外の貴族家の人間が帝国に侵入。しかもそれが仮想敵である王国からだとなるとギルドの規則を盾にするとしても無理があるんじゃない? ――いやはや、相変わらず退屈させない子だねぇ
last update最終更新日 : 2026-01-13
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#61

「余計なこと言ったらぶち〇すよ?今僕がここにいることが親にバレてもこの国の上層部にバレても面倒なことになるのが目に見えてるんだよ。だから……ね?わかるでしょ?危険な魔物と戦い続けて優れた察知能力と勘を持つ貴方たちなら。そういう訳でランク上げたいんで条件とそれを達成する方法を教えてよ。」「はぁ……わかったよ。で?条件を言えばいいのか?その前に処理しておきたいことがあるんだ。ちょっと待っててくれ。」「ん?」「えーっと、これでいい……かな?よし!悪い、待たせたな。この処理はギルドマスターがやる決まりでな、久々だったせいか時間かかっちまった。こいつがお前さんの質問に対する答え、条件付きBランクギルド証だ。」「え?B!?え?まだ今日登録したばっかりですよ!?」「Bまでは支部長権限で上げられるんだよ。ただまぁ、色々すっ飛ばしてる関係上条件付きではあるんだがな。で、ここまで上げた理由だったか。まぁいくつかあるんだが一番は狩場の問題だな。F,Eランクのうちはいわゆるお使いクエストってのがメインになるんだよ。お前にそれをやらせるのはもったいない。限られたリソースだってのに孤児とかの必要な奴らの分をお前さんが奪うことになっちまう。」 あぁ〜そりゃ僕邪魔だわ。あれでしょ?ゲームとかでいうと前線組が初心者の狩場荒らすみたいな。たまーに急遽素材が必要になる時あるけど買い取りすりゃいいしね。そりゃ嫌がられますわ。「D,Cランクになると採取、討伐クエストがメインなんだがそっちもだいたい同じだ。実績の為に弱い魔物を乱獲されちまっちゃあ困るんだよ。奴らの稼ぎが減る上に生態系が変わっちまう。条件付きってのはBランクの昇格条件に護衛クエストをこなすってのがあんだわ。だからとりあえず護衛をさっさとこなして条件付きを外してこい!」 護衛かぁ……防衛戦は経験ないからなぁ。ていうかそもそもチーム戦の経験もそんなないし。まぁ、なんとかなるか。最悪僕が後衛に下がって援護してればいいし。「了解!で、護衛クエストって次いつ受けれそうなの?」「うーん、とりあえず今週は無さそうだな。まぁ来週辺りになれば新しく護衛の依頼も入ってくr……」"バタンッ!!"「ギルマス!炎竜の牙が重症を!」 重症!?治癒できる人間はこの場にいるか?場合によっては僕が出張ることも考慮するべきか?ここで見捨てたら飯が不味く
last update最終更新日 : 2026-01-14
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#62

「あ、そうだ!もうこの護衛クエストは僕のものですよね?」「ん?あ、そうだが……なにかするつもりなのか?」「はい、炎竜の牙の皆さんが結構な重症みたいですしサクッと治療を済ませちゃおうかと。」「治療って言っても何するんだ?ポーションとかがあったりするのか?あるのなら助かるが……お前さん用の一個しかない物とかなら無理する必要もないぞ。あいつらもそれなりに稼いでるからな、治療院に治療を頼むから死にはしないさ。」 あ、ポーション!ポーションって設定でいこう!まぁポーションはポーションで目立ちはするだろうけど、治癒の魔法使うよりマシだろ。ポーションならお金を積めば揃えられるし、貴族って疑われてる今ならどうとでも言い逃れられる。最悪さっきみたいに口止めすればいいしね。「僕一応ポーションを作成の心得もあるのでポーションのストックがいくつかあるんです。それで少しでも治療の助けになればと思って!」 と、いうわけでさっそくドバーッ!「えいっ!これでひとまず安心ですかね。」「んっ……んんん!はっ!みんなは!良かった……ってん?なんで怪我がもう治ってるんだ!?」「そこのウィルがポーション持ってたんでそれを使ったんだが……効果高すぎないか?おいこらお前何したよ。」「何を使ったかなんて今重要じゃないだろ!ウィル、いやウィルさん!助かった!ウィルさんのおかげで後遺症もなく冒険者に復帰できそうだ!治療院も万能じゃないからな。命は助かってただろうがこんなに早く完璧に治らなかっただろうよ。この恩は一生懸けて返させてもらうよ。」「そんな一生を懸けてなんて重たいって!対価はそうですね……貸1ってことで!僕が困った時にできる範囲で手伝ってください!」「それくらいお易い御用だ!まぁ、あんな代物用意出来て数も揃えられるウィルさんの助けになれるかは分からないがその時が来れば全力を尽くすと約束するよ。」「なぁウィル……あれ水なんじゃねぇか?」「ギクッ!!」「パッと見た感じ大した力を感じられなかった。そんなんより遥かに大きくて力強いエネルギーがお前さんの中を渦巻いてアイツらの中に流れ込んでた。お前、まさか……」「ではまた後日〜!!!」 マズったなぁ。でもまぁ、護衛クエスト終わる頃にはほとぼりも冷めてるでしょ!
last update最終更新日 : 2026-01-15
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#63

【ギルマス視点】 えーっと、久しぶりに使うがここに外線通話用の魔道具があったはず……お!あったあった!一斉通話かけて〜っと。「ちょい会議すっぞー!イツメンしゅうごー!」「軽いなぁ……いつもの威圧感タップリの喋り方はどうした?」「そうだぞ〜!立場に見合った話し方をする〜って言ってたのにね。厨二病が治ったか?」 チッ「やめてやれ……そんなことより例の件だろ?」「そうだな、今は例の件への対応が最優先だ。お前らもふざけてないでそいつの話を聞いてやれ。」「すまんな、商業ギルドマスター。場をまとめてくれたのは普通に助かった。」「ふん、気にするな。こんだけのメンバーを集めたんだ。よほどのことなのだろう?ならそれを早急に解決すべきだと考えただけだ。俺とてこの街が荒れるのは好まんからな。で、例の件ってのは?」「いや、知らんのかい!」「ずっと例の件例の件って言い続けてるからてっきり把握した上でここに来たもんだと……。」「俺の管轄はあくまで商業ギルドだ。商売のまとめ役を担う関係上情報収集はしているが詳しくは知らん。俺が知ってるのは新人がベテラン冒険者共をまとめて叩き潰したくらいだ。その後なにかがあったからこその呼び出しだろうが普段は口の軽い冒険者共の口が妙に固かったせいで情報が入ってきてない。まぁ、厄介事なのは予想できるがな。」 そんだけ知ってりゃ十分だろうよ。てか今回ばかりはあのバカ共もちゃんと口を噤んだか。酒入っても言わないとなると余程あいつが怖かったか。まぁ俺でもそうするし当然か。
last update最終更新日 : 2026-01-16
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#64

【ギルマス視点】前回のあらすじ!やらかしたウィル……もといミシェル君!彼が立ち去ったあとのギルドでは緊急会議の為にこの街の幹部クラスが召集されていた。荒れる中、商業ギルドマスターの一声でひとまず落ち着きを取り戻した会議場内!そしてついに!|バカ《ミシェル》の尻拭いが始まろうとしていた。「端的に言えば新人が治癒魔法を使った。」「はぁ!?あれは神の奇跡を扱う教国と王国の賢者殿の専売特許のはずだろ!?いや、今そんなことを議論している場合じゃないな。」「ん?帝国の賢者……弟子……ハッ!いや、そんなことがありうるのか!?|賢者が最近弟子をとったとは聞いていた。《ぶつぶつぶつぶつ》|そしてその弟子が侯爵家の幼い次男だと。《ぶつぶつぶつぶつ》|治癒魔法の使い手である賢者の幼い弟子《ぶつぶつぶつぶつ》……|そして今回現れた謎の幼き治癒魔法使い《ぶつぶつぶつぶつ》……いやいやいや!|でもそこを繋げるのが一番自然で《ぶつぶつぶつぶつ》……|いやでも学校に入学したとの情報もあるし《ぶつぶつぶつぶつ》……いや、でもなぁ。」「何か知っているのかラグドール!」「商業ギルドマスターと呼べと何度言ったらわかるんだ貴様!まぁいい、一つ荒唐無稽な説を思い付いただけだ。」「荒唐無稽な説だと?」「あぁ、その新人冒険者がリングスト侯爵家の次男、ミシェル=リングストである可能性です。彼はかの賢者の弟子でもある上に冒険者ギルドで目撃された彼の年齢とも一致する。俺としても全然ある可能性だとは思うんだが幼い侯爵家の次男が一人で帝国彷徨いてるって点だけが気になっていてな。」「いや、ないだろ!ここ帝国だぞ!?ただ……他に治癒魔法を使えそうな人間に心当たりがないのも事実か。」「あとミシェル=リングストは王国の学校に在学中だ。」「なら尚更ありえねぇじゃねぇか!」「そうも言ってられないのが賢者の弟子というものだ。なんせ賢者ってのは魔法大好きの魔法バカだからな。何が出てくるのかわからん!あぁもう!ここでうだうだ悩んでいてもしょうがない!俺はもう帰る!何か情報が入れば追って連絡する!お前らもなんか掴んだら俺に寄越せ!じゃあな!」 こうして進んだような進んでないような議論はこうして終わった。「あの……治癒魔法の件は?」
last update最終更新日 : 2026-01-17
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#65

 名も無きモブ君の一言は周囲の喧騒に掻き消された。ちなみにミシェルは絶賛買い物中である。「うーん……何買えばいいのかわからん。」 この男、マジックバックを持っている上に空間魔法にも雑に荷物をぶち込めるせいで冒険者的には何を用意すればいいのか分からないのである。なんなら寝る時は帰宅してベッドで寝てるためテントすらまともに使っていない。「護衛クエスト中の荷物くらいは入ってるし料理とかも入ってるんだけど、冒険者的にはこう干し肉とかの方がいいのかなって思って一応商会まで来てみたんだけど……何を用意すれば聞いておけば良かったな、全然わからん。今から聞きに行けばいいような気もするけど逃げるようにギルドから出てきた手前戻りにくいし……。」 とまぁそんな具合でずーっと「ぐぬぬぬぬぬ」と悩んでいるわけだが、ここはそれなりに評判のいい商会。悩んでいる客には声をかけるのだ。「何かお探しですか?お客様。」「あぁ、はい。今度初めての護衛クエストを受けるんですけど何を用意していいのか分からなくって」 このままでは護衛クエスト中に一人だけ鞄から出来たてほやほやの料理を出すことになりかねない。護衛クエストの成否……というかクエスト中にごたつくかは全て店員さんAの手にかかっていると言っても過言では無いだろう。「あ、もしかしてうちの商会の護衛クエストを怪我をした炎竜の牙の代わりに受けてくださった冒険者さんですか?すごい強いらしいじゃないですか!お若いのにすごいですね!」 依頼を受けた冒険者だと今の会話で察するとはなかなかやるではないか店員A!「そうですそうです。護衛するのってどんな商会なのかなぁ〜って気になったついでに必要なものも買おうと思いまして。」「たしか護衛って7日でしたよね。なら……これとこれとあとついでにこれとこれで『初めての護衛クエストもこれでバッチリセット』の完成!」「また護衛クエストを受けた時もこれを参考にしながら日数で食料なんかを調整すれば大丈夫だと思います!会計はギルド証をかざしていただければ終わりますので。」「わかりました。お、すごい!ちょー早い!何から何までありがとうございました!また何か買いに来ますね!」「またのご来店をお待ちしております!」 さすが大手商会の店員さん。って……ん?あの店員さん商会長じゃね?てことは最初から全部気付いて近付いてきた
last update最終更新日 : 2026-01-18
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#66

 始まりました護衛クエスト当日!とは言っても特別なにかすることがあるわけではない。そこそこ暇なので今は御者さんに馬の扱いを習っているところだ。僕の数少ない弱点が馬なのだ。 いや、乗れないことはないんだよ?乗ろうと思ったら馬の背に魔法で身体を固定して、身体に覇気を纏った上で翻訳魔法を使って直接指示を出せばちゃんと従ってくれる。よゆーだね!ちょっとそこ!ズルとか言わない! しょうがないでしょ?こちとら白兵戦想定やぞ!突っ込んでドカーンやドカーン!たしかに魔法でどうとでもなるからそこまで真剣に取り組んでなかったのもあるよ?でもさ、土台この身体じゃ身長も筋力も足りないせいで練習するとしても魔法前提なのよ。となるとその練習時間も魔法のために使いたいと思うのは自然でしょ?馬車の操作に関しては貴族のする仕事じゃないって言われたから経験ゼロ。【回想】「ねぇねぇ!僕も馬車を操れるようになりたい!」「ダメです!ミシェル様にそのようなことをさせる訳にはまいりません!それは我々使用人の仕事なのです。ミシェル様と言えどそこだけは譲れませぬ。そ・れ・に!万が一が考えられるのです。」「大丈夫だよ?僕も結構強いしさぁ。」  場の空気が突如張り詰めだす。息が詰まりそうだ。なにやら先程より圧が強い気がする「それでもです。万が一馬車が襲われた場合一番に狙われるのはどこだと思いますか?」「馬、かな?」 身体から溢れんばかりに漏れ出す圧が徐々に強くなる「惜しいです。さすがミシェル様ですね。正解は御者です。馬も狙われないこともないのですが、やはり馬というとは価値が非常に高い。御者〇せば貴重な馬を入手できる上に馬車の機動るんです。だから盗賊などは狙ってくる。で、なんでしたっけ?侯爵家の次男であらせられるミシェル様が、何をしたいんでしたっけ?」「すいませんでした。」「よろしい。」 その瞬間いつもの好々爺然とした表情に戻り、圧が霧散した。二度と怒らせないようにしもうと思った。怖かった漏れそう。
last update最終更新日 : 2026-01-19
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