『そろそろこちらからも攻めるとしよう。』 フッ、そっちから攻める?何言ってんの?今の僕は目の前にいる筋肉ダルマの射程からは外れている。それに僕が今いるのは上空。空を制するという絶対的優位。見たところこの人(?)は戦士系。なら遠距離でチマチマメテオってれば負けはないはず。ないはずなんだけど……何だこの悪寒は。何か重要なことを見落としているような。 片足が沈む前にもう片方の足で踏みしめれば空中を歩ける。そんなありふれた設置。気付けたはずの可能性。それに気付けなかった代償を僕は不意打ちという形で払うことになるのだった。「えっと……ど、どうやってるんです?」 思わず口から出た疑問。だが、今は戦闘中。相手が自らの手のうちをそう易々と晒すようなことをするわけもなk……「そんなもん簡単だよ。まず思いっきり地面を踏みしめて身体を浮かせるだろ?そしたら空気を踏みゃいいんだよ!空気がいくら目に見えなくて掴めないからって確実にそこに存在するんだ。そしたらそれを足場にできねぇ道理はねぇだろうよ。」 脳筋だ〜!答えてくれたけどすっごい脳筋だ。水の上の走り方で似たようなこと聞いたけども!足が沈む前にもう一歩出しゃいいんだよって聞いたことあるけども!あれば一応バジリスクって実例があるからいいけど宇宙を駆けるってバカじゃん!やめろよ物理法則守ってくれよ!なんだよそこにあるなら踏めるって!せめて魔方を使ってやれよ! はぁ、腹ただしいことにこの筋肉だるま、魔力を使っていない。一応魔力循環による強化はされてるんだろうけど……空気の操作は一切していない。必死に空を飛ぶ術を身に付けた僕が馬鹿みたいじゃないか。なんせ小回りでいえば筋肉だるまの方が上なのだから。最高速度では勝ってる。まだ全てを見たわけじゃないから断言はできないけど。 このまま三次元の高速戦闘を続けていれば僕に負けはない。負けはないけど……勝てもしない。このまま手数でせめて戦闘技術を見せれば合格はできるんじゃないかな。なんかしたの方でなんであの方が!とか校長!?とか言われてるし、きっとこの学校で一番強い。とはいえこのまま終わるのは正直悔しい。すげぇムカつく!まだまだ僕は未熟な身だ。それでも、最後に一矢報いて終わりたいじゃないか! そうと決まれば"アレ"の準備をしないとね。少し時間がかかるから操作範囲ギリギリに分霊を作って速攻大
Last Updated : 2025-09-06 Read more