Semua Bab あなたと紡ぐ永遠の愛は奇跡でした。: Bab 41 - Bab 50

59 Bab

chapter41

 自分に自信を持つか……。そうだよね。「……うん」 「課長がいくらカッコよくてモテるからって、アンタが彼女である事実は変わらないじゃない。 私はお似合いだと思うけどな、アンタと課長」「……ありがとう」 沙織は「いいわよ、お礼なんて別に」と烏龍茶を一気に飲み干した。「ほら、アンタも飲みな」 沙織は烏龍茶を指差す。「……ありがとう」 それもきっと、沙織なりの優しさなのかな。 沙織は私をずっと見てきたからこそ、私の気持ちを理解してくれているのかも。「ねえ、沙織……?」 ただ一つ疑問がある。「ん?」 そこで私は、沙織に「沙織もさ、もしかしてなんかあった?」と問いかける。「……なんで?」「なんか寂しそうな顔、してるから」「え?そう……?」 沙織の顔を見てると、なんだか沙織の顔が寂しそうに見える。  彼氏と別れたと言っていたけど、それが何か関係あるのかな?「何? 良かったらさ、私に話してよ。話なら聞くよ?」「……航太(こうた)のこと、なんだけどさ」「うん、どうしたの?」 沙織はおかわりの烏龍茶に再び手を伸ばし、「航太のこと……実はまだ好きなんだよね」と私に言った。「え、そうなの?……でも沙織は、村木さんのことが好きなんじゃないの?」 あれ? 私の思い違いだった……?「違う。村木さんのことは、ちょっと気になるってだけよ」 もしかして沙織は、航太くんのことを何か気にしてるの? 別れた理由はすれ違いって聞いてたんだけど……本当は違うの?「そっか。気になるってだけなのね」「そうよ」 そっか。村木さんのこと好きなのかと思ってたけど、沙織はまだ航太くんのことが好きなんだね。 でも別れなくちゃイケない理由が出来たから、別れたんだ。「……どうすれば、いいかなって思って」「ん?」「航太のこと……どうしたらいいかなって」 沙織の顔が本当に寂しそうで、私も沙織に何かしてあげたいと思うけど、何をしてあげられるか分からない。 出来るのはただ、こうやって話を聞くことだけ。  「沙織は、どうしたいの?」「どうなの……かな。分からない」 沙織はかなり、航太くんのことで悩んでいるのかもしれない。「ごめん、こんな話。……ちょっと色々あって、ストレス溜まってるのかも」 二杯目の烏龍茶を飲み干した沙織は、深くため息を吐く。 こんな弱
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-01
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chapter42

 私は何してるんだろうな。 沙織に何も出来ない自分に苛立って、なんだか腹が立つ。「……ごめんね、沙織」   こんな私を許してほしい。 私は沙織のこと、まだ全然分かってなかった。 沙織の心の痛み、分かってなかったね。……ごめんね。「……もしもし、課長ですか」 私はすぐに課長に電話をした。「ああ、どうした?」「すみません……沙織が体調悪いみたいなので、今日は早退させます」 私がそう話すと、課長は「そうか。……まあそういうことなら仕方ないな、分かった。気をつけて送ってやれ」と言ってくれた。「はい。終わり次第、そちらに戻ります」「分かった。気をつけてな」「はい。 じゃあ失礼します」 電話を切った私は、沙織の元へと戻った。「沙織、帰ろう?」 戻るとそこには、寝息を立てて眠りに落ちている沙織がいた。「スーッ……スーッ……」 その寝顔はどこか悲しそうで、涙の跡がまだ残っていた。「今はもう少しだけ……そっとしていてあげようかな」 私は沙織を起こさないようにそっと沙織の肩を抱き抱えると、タクシーに乗せた。 案の定、沙織はまだ眠りに落ちたままでいる。「……大丈夫だよ、沙織」 沙織の頭を優しく撫でる。 「こう……た……っ」 やっぱり沙織はまだ、航太くんが忘れられないんだね。 沙織が航太くんのことを本当に好きだってこと、私はずっと知ってたから。 沙織と航太くんが付き合ってる時の、あの時の沙織の目は輝いていた。  航太くんが好きなんだって見て分かったし、幸せなんだってことも分かった。 だからこそ沙織には、幸せになってほしいと思う。 沙織が私に言ってくれたみたいに、沙織の幸せが私の幸せ。 沙織が私に言ってくれたみたいに、沙織の幸せが私の幸せ。  幸せになりたいのは、沙織だって私だってそう。女は誰だって、幸せになりたいと思うものだ。 「……航太くん、今どうしてるのかな」  沙織と別れてから、誰かと付き合ってるのかな……。もし航太くんとまた戻ったとしても、航太くんが沙織といて本当に幸せなのかどうか、だよね……。 私は沙織が傷つかなきゃ、それでいい。 でもちゃんと幸せになってほしい。 ブーッ……ブーッ……。 沙織のバックの中で、いきなり震え出したスマホ。 カバンの中からスマホを取り出してみると、航太くんからの着信だった。 ブ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-02
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chapter43

「……そう?」「うん。私ならもう大丈夫だよ。 だから心配しないでね?」 私は「わかった」と返事をした。「それから……航太のこと、なんだけど……」「ん……?」「私……航太とまた、ちゃんと話したい」 と、沙織は私に言うのだった。「うん、そっか」 心配そうに沙織を見つめていると、沙織は私に「だってさ、これは私たちの問題だもん。 自分たちで解決しなきゃ、意味がないと思うんだ」と話してくれた。 それは、沙織の固い決意のような気がした。「……分かった。頑張ってね」「ありがとう。なんかあったら、瑞紀のことまた頼るからさ」「うん。 じゃあ私、会社に戻るけどいい?」 沙織のことが心配だけど、そろそろ会社戻らないと……。「うん。色々、ありがとう」「うん、じゃあまたね。……あと、あまりムリしないでね」「うん、またね」 私は沙織に見送られて、会社へと戻った。 * * *  「課長、ただいま戻りました」「お疲れ様です。倉本さんの様子はどうですか?」「はい。……寝てれば良くなると思います」「そうですか。お疲れ様でした」「はい。 失礼します」 仕事場での課長はやっぱり、私と付き合ってる時は全然違う。  なんというか、本当に仕事が出来る上司って感じがしてカッコいい。 でも仕事場では課長で、プライベートは彼氏という枠の中にいて……。 嬉しいけど、彼氏と言えないのがちょっと残念な感じがするのは私だけかな。  デスクに戻ると、英二が「先輩、沙織先輩どうしたんすか?」と聞いてくる。「ちょっと具合が悪いみたい。ムリして会社に来たのが響いたのかもね。 今は家で安静にしてる」「そうですか。早く良くなると、いいっすね」「ね。明日には良くなると思うんだけど」 私がそう答えた後、英二が私に「そういえば、沙織先輩って、なんかあったんすか?」と聞いてくる。「え? なんで?」「いや、一昨日、誰かと電話で話してたみたいなんですけど……なんか深刻そうな顔してたんで、なんかあったのかなって思って」「そうなんだ……」 それってもしかして、航太くんかな……?「多分……」「え?」「多分、航太くんのことだと思う。……沙織、航太くんと別れたみたいでさ」 私がそう言うと、英二は「そうなんですか……」とパソコンに顔を向ける。「ま、沙織は優しいから、航太くん
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-03
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chapter44

「……って、なにやってんのよ私」 こんな時に泣きそうになるなんて……。本当にダメだな、私。  今は泣いてる場合じゃないのにね……。もっと強くならないと。  とりあえず、早く仕事を終わらせて帰りたい。一刻も早く、この寂しさから逃れたい。「……やるしかないか」 と、気合を入れ直した。 * * *  それからどのくらい経ったのか、全然分からない。  気づいたら見覚えのある部屋のベッドの中にいて、その隣には見覚えのある男性がいる。「……あれっ?」 ここはどこ……? 私はなんでここにいるの?  これは……夢なのだろうか。 私は、幻覚を見てるのだろうか?「み……ずき……」「……ん?」 えっ……? いやいや、なんか幻聴まで聞こえてきた?  おかしいな。私、本当になんでここにいるのかな? 確か私、残業してたはずだったよね……。「……っ!」 違う!これは夢でも幻覚でも、幻聴でもないっ! ふと隣に視線を向けると、そこにはやはり見覚えのある男性がいた。……いや、完全に課長本人がいた。  課長は私が起きてることには全く気づかず、瞬きもせずにぐっすりと眠っている。「……え、なんで?」 待って待って? なんで課長がここにいるの?  ていうかここって……課長の部屋?「なんで……?」 私、なんで課長の部屋に来たんだっけ……?  ダメだ。全然、思い出せない。  別にお酒を飲んでいた訳でもないから、特に酔ってるって訳でもないし……。 あれ、本当にどうしたんだっけ……?  なんとなく時間を確認したら、もう夜中の三時半をとっくに過ぎていて、いつもならぐっすりと眠ってる時間なはずだった。 なんで……こんなことになってるんだろう?  私、課長と会ったような記憶もないし、ちゃんと仕事をこなしてたはずだと思ったんだけど……。「みず……き」 でも課長の寝顔って、なんかカワイイな。 子供みたいな寝顔してる。  それにしても、まつげが長いなぁ。 顔立ちだって整ってるし、目もパッチリしてるし、鼻筋もキレイに整ってる。  それに声だって低めだけど、なんか透き通ってるし。 色は白いのに、顔にはニキビなんて一つもなくて。 私は本当に、課長が羨ましいような気がする。  課長は男なのに、女の私よりも肌がキレイとか、なんか嫉妬しちゃうな……。  まあ……課長に
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-04
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chapter45

「……んんっ……」 私はカーテンの明るい光が差し込んだことで、再び目が覚めた。 ふと隣を見ると、案の定ベッドの中に課長の姿はなかった。「あれ?どこ行ったんだろ……?」 それにしても会社に行くには、まだ早い時間帯だし……。いつもなら、朝ごはん作って待っててくれるのにな、課長。 んーと伸びをして、ベッドから抜け出す。 リビングに行っても課長の姿はなく、キッチンにもバスルームにも姿はなかった。「……あれっ」 本当にいないな……。買い物でも行ったのかな? でも買い物に行ったとしても、こんな早くにスーパーは開いてないよね……? もしかして今日、仕事会議とかなのかな? そう思っていると、ガチャッと玄関が空いた。「課長……?」 玄関が開いて帰ってきたのは、やっぱり課長だった。「おう。起きてたのか」 その右手には、コンビニの袋を持っていた。「もしかして、コンビニ行ってたんですか?」「そうだけど?」「なんだ。……良かった」 それを聞いてホッとして、安心した。少し不安になったから。「悪い。心配かけたか?」「いえ……大丈夫です」 てっきり、いなくなったのかと思った……。「悪かった、心配かけて」 課長の手が、私の頭の上にポンッと乗っかった。「……いえ」「腹減ってるだろ? おにぎりとか、パンとか買ってきたから食えよ」「はい。ありがとうございます」 課長が戻ってきてくれて、本当に良かった。「そんな顔するな。俺はどこにも行かないから」「……はい」 課長はほんとに優しいな……。私に本当に優しくしてくれる。「さ、今日は忙しくなるぞ。さっさと食ってシャワーでも浴びてこい」「はい。すいません」 私は朝ごはんのパンを食べた後、シャワーを浴びさせてもらった。 「課長、シャワーありがとうございます」「ああ、着替えたら先に行ってていいぞ。 俺はちょっと寄るとこがあるから、そっちを済ませてから行くから」「はい、分かりました。……では、失礼します」 私は課長をバスルームで見送ると、仕度を整えて会社へと向かった。「おはようございます」 会社に出勤すると何人か来ていて、それぞれ仕事を始めていた。 私はパソコンを開き、すぐに仕事を始めた。 メールボックスを開き、メールの内容を確認していると、「ごめん。 悪いんだけどこれ、コピーして課長に渡して
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-05
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chapter46

「なんだろうね?いきなり集めたりして」「……さあ、なんだろうね?」 それにしても課長、出勤して早々どうしたんだろうか?  いきなりみんなを集めたりなんかして……。何かあったのかな?「みなさん、改めておはようございます」 課長が真剣な眼差しで口を開く。「皆さん、いきなり集めたりして申し訳ありません。 みなさんに今から、とても大事なお話があり、集めさせていただきました」「……大事な話?」「なんだろうね?」 沙織と小さくそんな会話をしていると、課長が再び口を開く。「実はこの度、我社は、とある会社と正式に契約を結ぶこととなりました」「えっ……?」 契約……?なにそれ?「そしてその会社とは、話し合の末、わが部署と正式に契約を結ぶことになりました」 えっ、なんで……? なんでうちの部署と?「あの……それは、一体どういうことですか?」 私は課長にそう問い詰めた。「実は前々から契約を結ぶかどうか、迷っていたみたいなんですが、先程ようやく返事をもらい正式に契約を結ぶとい形になりました。……皆さんには正式に決定してからお話しようと思っていたので、遅くなってしまいました」「課長、その会社ってどこなんですか?」 沙織が首を傾げながら問いかけると、課長は「……藤堂グループです」と口にした。 え? 藤堂グループ……? 藤堂って、まさかーーー。「藤堂グループの社長のご令嬢、静香さんが今回契約をしたいと申し出てくださったんです。 そして今回、見事に契約をすることになりました」 それはその"まさか"だったーーー。 課長が言った言葉がまだ、私たち自身飲み込めそうにない。  周りが急にざわつき始める。 ウソでしょ、なんで……? なんでウチの部署と、藤堂さんの会社が契約なんて……。「今回ウチで契約することになったので、早速な何かプロジェクトを始めようかと思っています。 み皆さん、今後ともご協力をよろしくお願いします」「「「はい」」」「では、仕事に戻ってください」 みんなが一斉に戻り始める。 おかしい。 ……何かがおかしい。こんなの、絶対におかしい。  課長の言葉を聞いた私は、すぐにそう思った。「ねぇ、藤堂ってまさか……」 沙織が私に小さくそう囁いた。「……その"まさか"だよ」 沙織の言いたいことは、すぐに理解できた。「なんかこれって
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-06
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chapter47

「決まってるよ。彼女の策略」「まあ、それは分からないけど。……でも課長はまだ、その藤堂って女の策略を知らない可能性もあるとは思う」「……どうしよう、沙織」 私が不安になっていると、沙織は「どうするもなにも、課長に気付いてもらうしかないんじゃない?……その藤堂って女の策略を」と答える。「でもどうやって?」「それは、あの女のやり方次第ね。 もしあの女がまだ課長を好きだとしたら、絶対課長を取り戻そうとするはずよ。……何がなんでも、ね」 沙織の言うとおりかもしれない。 どんな手を使っても、彼女は必ず私から課長を奪い返そうとするはずだ。 「やっぱりそうだよね。……藤堂さんはなんでそこまでして、課長を取り戻そうとするのかな」 沙織はデスクに戻ると、沙織は「私が思うに、課長がその女にとってそれだけ大切ってことでしょ。……アンタが課長を大切に思うのと、同じくらいにね」と言った。「課長は、藤堂さんのことはもう関係ないって、前に言ってたのに……」「だとしたら、そうしなくちゃいけない理由が……そこにあるのかもね」「……そうしなくちゃいけない理由?」 沙織のその意味深な言葉が、妙に気になる。  一体、そうしなくちゃいけない理由って、何なんだろう……。「うん。課長がもし藤堂さんにアンタのことで何かを言われたとすれば、辻褄が合うけどね」 まさか……藤堂さんは、課長のことを脅してるとか……?  でも、そんなことするかな……。いや、ありえない話じゃない。「……なんか藤堂さんのことが、ますます分からなくなってきた」「よく考えてみて。 課長がもし、そうせざるを得なかったとしたら?」「え……?」 そうせざるを得ないって……?「課長は、瑞紀のことが大切なのよ?」「……なに?」「そうするしかなかったのかもよ、きっと」 そうするしかなかった……? 「……藤堂さんは、私が邪魔なのよ?」「邪魔?」「うん。 だからなんとしても、私と課長を引き離そうとするはずだよ。彼女なら、そうしてもおかしくない」 私がパソコンの画面を見ていると、沙織は「じゃあ課長は、まだそれに気づいてないってこと?」と私に聞いてくる。「いや、それはないと思うよ。……課長は勘がいいから、多分気づいてると思うけど」「じゃあなんで?」 この状況で考えられることは、一つしかない。「……私の
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-06
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chapter48

「……なんだ、静香」 俺はある日、元妻である静香に呼び出されていた。「いきなりごめんなさい。あなたに、話したいことがあるの」「……俺は話すことなんて何もないが」「そんなこと言わないで。とても大事な話だから聞いてほしいの。……お願い」 俺はため息を吐き「……わかった」と答えた。 別れた旦那に頭まで下げるなんて、どうかしている。 なぜもうニ年も前のことなのに、今さら俺に会いに来たりするんだ……。  お互いに納得して離婚したはずなのに、今さら俺の元に来られても困る。 俺にはもう瑞紀がいるし、瑞紀はとても大切な人なんだ。「適当に座ってくれ。 今お茶煎れる」「ありがとう」 ソファーに座る静香を遠目で見つめると、あの頃を思い出す。 俺たちがまだ夫婦だった頃、俺たちは毎日一緒に過ごしていた。 例え仕事がどんなに忙しくても、きちんと家に帰って、静香の作ってくれたご飯を食べていた。 今日は遅くなるって連絡すると、静香はいつも俺が帰ってくるまで、起きて待っていてくれたりもした。 今思うと、あの頃の俺はきっと幸せだったんだと思う。 静香みたいな妻を持ってよかったと、あの頃は毎日思っていた。 でもずっと待ち望んでいた子供は出来なくて、それが原因ですれ違いになり、結局離婚することになった。 離婚してからは、何もかもが変わった。 静香がいない生活が、こんなに虚しいものだなんて思ってもいなくて。 静香がいたあの時、何よりも温もりがあったことを離れてからわかった。 今思うと静香にはたくさん迷惑ばかりかけたし、たくさん悲しませたりもした。 本当に申し訳ないと思うし、謝って許してもらおうなんて今さら思ってもない。 でも今の俺たちは、夫婦でも家族でもない。 もう赤の他人なはずなのに、今さら話したいことがあるなんて、一体なんなんだ……。  俺はもう静香には関わるつもりなど、ないのに。 それに瑞紀を悲しませたくないし、傷つけたくないが本音だと言うのに。 まあ静香にだって、静香なりの考えがあるんだと思うけど……。「……ん」 静香の目の前に紅茶を置く。「ありがとう。悪いわね」「それより話ってなんだ。忙しいから手短に頼む」 俺が静香の目の前に座ると、静香は淹れたての紅茶を口にし、カップを置くと「単刀直入に言うわね」と俺を見る。 俺の中でも、なんとなくは
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-07
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chapter49

「俺はお前にはふさわしくない。 俺はお前は幸せにはしてやれないし、俺だって幸せになれない。 この意味がわかるだろ?」「そんなことないわ!私たち一度は結婚してたじゃない。 それなりに夫婦生活だって、上手くいってたじゃない。だったらまた一からやり直せる、と思わない?……ねっ?」 焦りを見せているのか、静香は必死な顔で俺を取り戻そうとしているのが、目に見えて分かる。「静香、それとこれは違うだろ」「……え?」 そんな静香が見苦しくて、見ていられない。「確かに表面上では、上手くいってたかもしれないは。……でも結局、俺たちは上手くいかなかった。それが事実だろ?」「でも私には、あなただけだった。 あなたとだから、結婚しようと思ったの」   「俺だってお前と結婚したいと思ったから結婚した。 でも結局、お互い結婚する相手を間違えた。俺たちは合わない」 なんで静香は、こんなに俺に執着するんだ。 瑞紀が気に入らないからか?   それとも、自分の地位を手に入れたいからか?  寂しさを埋めたいからか?「いいか、俺にはもう瑞紀がいる。瑞紀のこと、幸せにしてやりたいと思う」「なんで……私じゃダメなの?」 「ダメとかじゃない。……俺たちはもう終わったんだよ、あの日に」 お願いだからわかってくれよ、静香……。「……私のあなたへの想いは、もう届かないってこと?」「そうだ。 静香、俺はもうお前のそばにはいられない。……やり直すことなんて、出来ないんだよ」「そう……やっぱりもうダメなのね」 静香は下を向いてしまうからか、どんな表情なのかは分からない。   「ごめんな。俺は静香じゃなくて、瑞紀を大切にしたいんだ。この先もずっと」「そうよね……。ごめんなさい」 静香はわかってくれたのか、小さく声を漏らす。「いや、わかってくれたならいいんだ」 俺はてっきり、わかってくれたのかとばかり思っていた。「じゃあ、身体だけの関係でもいいわ」「……はっ?」 俺には静香が何を言ってるのか、わからなかった。「もう恋人じゃなくてもいいわ。ムリにやり直してとも言わない。 せめて身体だけの関係でもいい。だから、あなたのそばにいさせて」 身体だけの関係って……何を言ってるんだ。「なに言ってんだよ。そんなこと出来る訳がないだろ」 そんなことしたら瑞紀を余計に苦しめることに
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-08
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chapter50

「恭平さん……?」「瑞紀は、お前なんかよりずっとイイ女だ。俺のことを理解してくれてるし、俺が悩んでる時は、一緒に悩んでくれる。……彼女はそんな心の優しい人なんだよ」 俺がそう話すと、静香は下を向いて唇を噛み締めている。「俺のことを本当に好きでいてくれてるし、愛してくれてるんだ。……それにちゃんと、外見だけじゃなくて中身も見てくれる」「……私だって、そうだった」 違う、静香は違ったんだよ……。「お前は俺の中身なんて、一度も見てくれなかっただろ? 俺がエリートでカッコイイって理由だけで結婚したんだろ?お前は」 俺が静香にそう言うと、静香は顔を上げて「それは違うわ!誤解よ!……私はあなたの全部を好きになったの。 あなたとだから、結婚しようと思ったの」と俺の腕を掴む。「……悪いけど俺は、お前と結婚したことを今さらながらに後悔しているよ」 俺が静香の腕を引き離すと、静香は「えっ……?」と悲しそうな顔で俺を見る。「お前みたいな重い女とは、離婚して正解だったかもな。……俺にはお前の言うことが、信じられない」「そんな……!」「ハッキリ言って、俺はお前みたいな女、今はすごく嫌いだよ。自分勝手でわがままで、傲慢な女がな。……金輪際、相手にしたくない」 自分でもひどいことを言っていることは、充分理解している。 だけどそこまでしないと、静香はきっと俺を諦めてはくれないだろう。「恭平さん、そんなこと言うなんてひどいわ……」「何を言っている。俺よりお前の方がよっぽどヒドイと思うけどな。 彼女は俺の大切な人なんだ。瑞紀のことを傷つけたり苦しめたりしたら、俺は絶対お前を許さない」「私はただ……!」 そう口にを開く静香に、俺は「言い訳なんてしなくていい。 聞きたくもない」 と突っぱねた。「待って、恭平さん……!」 腕を掴まれ阻止させれるが、掴まれた腕を「……離せ。帰ってくれ」 と、無理矢理引き離す。「恭平さん……!」 「いい加減にしてくれ!  俺はお前とは違うんだよ!」「……っ」 静香は唇を噛み締めると、その場に座り込んだ。「わかっただろ。 俺が幸せにしたい女は、お前じゃない。 わかったなら、さっさと帰ってくれ」「私にはもう……望みはないの?」 その問いかけに、俺はすぐに一言「ある訳ないだろ」と冷たく返答した。「なんで……私たち、あんなに愛し合
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-07-09
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