私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか? 今日もお客様が来た。 堺若菜49歳。 私から見ればとても幸せな人。「妹にも、親友にも裏切られました。もう私アラフィフですよ。信じられない。私が幸せになろうとすると皆が邪魔するんです」 私は人生を詰んだと思い命を絶とうとして、処方されていた睡眠薬1ヶ月分を一気に飲んだ。 朦朧としていく意識の中、真っ白な空間に目の前に女神のような存在が現れた。 20代前半くらいの金髪碧眼の美しい女性だ。「堺若菜さん。人生詰んだと死ぬ気なら、異世界で新しい人生を歩みませんか? その代わりあなたの人生はこちらの商品にさせて頂きます」 私の人生を商品にするとはどういうことだろうか。 30歳くらいまでの私の人生は人も羨むような人生だったように思う。 中学生から彼氏は途切れたことがないし、とてもモテていた。 友人関係も良好で、半年に一回は親友の茜と旅行に行っていた。 (まさか茜に婚約者を取られるなんて⋯⋯) 私は声を出そうとするも、全く喉が詰まって声が出なかった。 女神はそんな私を見てうっすらと笑った。 (まあ、まずは話を聞けってこと?)「あなたは美人です。性格も悪くない。なのに、いつも男からは選ばれません。今は昔美人だった女になっていることに気がついてください。何が悪かったたと思いますか? それは若い頃、顔だけで寄ってくる男の相手をまともに相手してしまったこと? 性格が優しすぎるあまり、いつも相手に合わせていたこと?」 確かに、私はいつも彼氏ができると相手に合わせていた。 元々、長女気質で面倒見が良い方だと思う。 妹の玲奈が、私と当時付き合っていた学と同棲していた家に泊まりに来たいと行った時も快く受け入れた。 (まさか、玲奈が私の彼氏を寝取るなんて⋯⋯) 真夜中、水を飲みに起きると玲奈と学がキッチンで真っ最中だった。「全てです。周りを見てください。あなたより不美人で性格最悪な女が幸せになっています。男はバカなのです。本当の美人より美人ぶった女に惹かれ、自分に合わせてくる女より、振り回してくる女を選びます」 風が吹いて、女神の長いウェーブ髪がふわっとあがる。「いつも、私が幸せ
Terakhir Diperbarui : 2025-06-10 Baca selengkapnya