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異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜
異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜
작가: 専業プウタ

1.1つ目の断罪直前の悪役令嬢を選びます。

last update 최신 업데이트: 2025-06-10 16:34:40

 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?

 今日もお客様が来た。

 堺若菜49歳。

 私から見ればとても幸せな人。

「妹にも、親友にも裏切られました。もう私アラフィフですよ。信じられない。私が幸せになろうとすると皆が邪魔するんです」

 私は人生を詰んだと思い命を絶とうとして、処方されていた睡眠薬1ヶ月分を一気に飲んだ。

 朦朧としていく意識の中、真っ白な空間に目の前に女神のような存在が現れた。

 20代前半くらいの金髪碧眼の美しい女性だ。

「堺若菜さん。人生詰んだと死ぬ気なら、異世界で新しい人生を歩みませんか? その代わりあなたの人生はこちらの商品にさせて頂きます」

 私の人生を商品にするとはどういうことだろうか。

 30歳くらいまでの私の人生は人も羨むような人生だったように思う。

 中学生から彼氏は途切れたことがないし、とてもモテていた。

 友人関係も良好で、半年に一回は親友の茜と旅行に行っていた。

(まさか茜に婚約者を取られるなんて⋯⋯)

 私は声を出そうとするも、全く喉が詰まって声が出なかった。

 女神はそんな私を見てうっすらと笑った。

(まあ、まずは話を聞けってこと?)

「あなたは美人です。性格も悪くない。なのに、いつも男からは選ばれません。今は昔美人だった女になっていることに気がついてください。何が悪かったたと思いますか? それは若い頃、顔だけで寄ってくる男の相手をまともに相手してしまったこと? 性格が優しすぎるあまり、いつも相手に合わせていたこと?」

 確かに、私はいつも彼氏ができると相手に合わせていた。

 元々、長女気質で面倒見が良い方だと思う。

 妹の玲奈が、私と当時付き合っていた学と同棲していた家に泊まりに来たいと行った時も快く受け入れた。

(まさか、玲奈が私の彼氏を寝取るなんて⋯⋯)

 真夜中、水を飲みに起きると玲奈と学がキッチンで真っ最中だった。

「全てです。周りを見てください。あなたより不美人で性格最悪な女が幸せになっています。男はバカなのです。本当の美人より美人ぶった女に惹かれ、自分に合わせてくる女より、振り回してくる女を選びます」

 風が吹いて、女神の長いウェーブ髪がふわっとあがる。

「いつも、私が幸せになろうとすると妨害してくる人間がいるんです」

 突然、声が出せるようになったので、私は自分の思いの丈を話そうとした。

「被害者意識が強いですね。この世は弱肉強食。幸せそうにする美人を喰らうブスが幸せになる。それが真理です。あなたは自分が美人だから、いつだって大切にされる本命だと勘違いしていた。その間、策を巡らせ努力をしてたブスに負けただけの愚か者です。死のうと思ったならば異世界に転生しましょう。あなたには、異世界に転生する際3つの選択肢があります。お好きな道を選んでくださいな」

 女神の言葉は優しいようで、私にとってはキツイ言葉だった。

 彼女のいう通りかもしれない。

 私は、美人なのに控えめな自分は絶対に大切にされると勘違いしていた。

 異世界転生を提案されているようだが、どうせなら美人令嬢とかになりたい。

 そして、今度こそ美人らしく男どもを振り回したい。

「この世界ではない場所が存在するのですね。女神様、3つの道をお示しください」

 私はもはや今の自分の人生にも、世界にも未練はない。

 強いてゆうなら、ネット環境の整った便利な世界に行きたい。

「女神様ではありません。私は異世界転生案内人カイです。あなたが選べる道3つをお示しします。1つ目は断罪直前の悪役令嬢であるリンド公爵令嬢、2つ目は貧しいけれど特殊能力持ちなので貴族界に入る平民レオナ、3つ目は世界を旅するユアンです。さあ、どれを選びますか?」

 貴族が登場するということは、おそらく昨今、流行している中世西洋風の異世界だ。

(ネット環境は諦めるしかないか⋯⋯)

「3つしか選べないのはなぜですか?」

 はっきり言って、3つの選択肢どれもイマイチに聞こえる。

(他の選択肢もカモン⋯⋯)

「あなたは自分の人生において詰んでいます。それ以下の人生しか用意できません。しかし、詰んだと思って死をも考えた人生でしょ。何も選ばないでこのまま現世を生きる選択肢もあります。しかし、選んで別の人間の人生を歩む道もあります。ちなみに、選択肢のお三方にはあなたの人生を選択肢として異世界転生を提案しております。自分ばかりが詰んだ、不幸だとお思いにならないで。世の中追い詰められて、不幸だと感じながらみんな必死に生きているのですよ」

 女神は私の半分も生きていない20代くらいに見えるのに悟っている。

 確かに、私は勝手に自分が一番不幸だと思い込んでいた。

「では、1つ目の断罪直前の悪役令嬢を選びます。私は経済的にも苦労したことがありません。自分の人生を一度リセットして、同じ状況で詰んだ彼女の人生で戦いたいと思います」

 公爵令嬢、一択だと思った。

 他、2人は貧乏過ぎる。

 食べるものにも困りそうな生活をするのだけは嫌だ。

「ふふ。どうぞ、ご勝手に! それでは転生します。ご機嫌よう」

 そう告げると女神のようなカイと名乗ったその方は光の中に消えていった。

♢♢♢

「マリア・リンド公爵令嬢、君との婚約を破棄する。君は身分を理由にアカデミーに入学してきたナタリアを虐め抜いた。そのような女が次期王妃にふさわしいとは思わない!」

 これは悪役令嬢ものでよくある、婚約破棄イベントだろう。

 いかにも王子様と言った金髪碧眼の男がピンク髪の女を抱きしめながら、断罪してくる。

 みんなが私に注目している。

「私も自分が次期王妃にふさわしいなどと思いません。しかし、このような場所で女を血祭りにあげるあなたも次期国王にふさわしいのでしょうか? 婚約者がいながら、他の女を抱きしめるあなたなど私の方から願い下げです。下半身で物事を考える浮気男が国王になるこの国ともお別れしたいです。ぜひ、私を断罪して国外追放にでもなさってくださいな」

 いつも人に合わせて来た自分と決別したい思いで、私は高らかに声をあげた。

 誰かが拍手を始め、それに合わせて周りがみんな拍手をしだす。

「なんだ、リンド公爵令嬢、君の仕業か?」

 私を断罪した王子様がうろたえている。

「まさか、これは皆の総意ではございませんか? 浮気男は地に落ちろということでございます。私の人格とあなたの浮気は無関係です」

 婚約者がいながら浮気をする。

 私のトラウマを抉る行為、許す訳にはいかない。

「その通りだ。リンド公爵家を侮辱したお前は廃嫡とする!」

 参列していた国王陛下だと思われる方が高らかに宣言する。

「ち、父上。」

「え、王子様じゃなくなるの。だったら私もいらないわよ」

 壇上で王子とナタリアの痴話喧嘩が行われている。

 私はどうして今まで自分の意見を言わなかったのだろう。

 人に合わせて笑顔でいれば幸せになれると勘違いしていた。

 そっと会場の外に出ると1人の男が私を待っていた。

 黒髪に澄んだ青い瞳が美しい青年だ。

 格好からして、相当身分の高い人間だろう。

「マリア・リンド公爵令嬢、あなたに惹かれた隣国の王子です。来賓として訪れましたが、あなたの堂々とした振る舞いに惚れました」

「ふ、迷惑な人。私はそのようなことを言われて、簡単についていく女ではないのよ」

 私は彼の登場を嬉しいと思いながらも、これからは思ったことを言っていこうと決意していた。

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최신 챕터

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   15.私の意識はそこで途切れた。

     精神的におかしくなりそうだ。 他人の人生に関わるほど、他責体質の人が多くて突っ込みたくなる。 割と皆適当に生きてきて、勝手に不満を持っていた。(まあ、私も人のこと言えないか⋯⋯) 500年近くこの孤独な空間で過ごして思うのは、私の人生は詰んでいなかったということだ。 自分を愛してくれる両親も、友達もいて金を稼ぐ能力もあった。 貯金などなくなっても、また稼げば良い。 稼ぐ能力を付ける為に学生時代は真面目に勉学に取り組んでいた。 それなのに、男に弄ばれただけで自分の人生は詰んだと思い詰めてしまった。 男性経験が全くなかったから、初めての男に自分の全てを捧げてしまった。相手が自分をどう思っているかよりも、初めて味わう感情に酔っていた。(今の私ならもっとうまくやれるわ⋯⋯元の私に戻りたい) 深く願った瞬間私は戻れたのだろうか。 500年異世界転生案内人をやるという自殺者に課せられた刑罰を私は全うしたのかもしれない。 季節の感覚も、時間感覚もない空間で私はずっと後悔していた。 反省期間としては十分で、もう私を解放して欲しい。 今の私ならば、誰よりも時間や人⋯⋯何よりも自分の命を大切に生きて行くだろう。 私の人生は騙されて多くの借金を負い、男性不信に陥っても恵まれていたものだった。 今度生まれ変わったら、間違わない。 私は私を大切にしてくれる人と自分の命に感謝しながら生きていく。「500年経ちましたね」  その時、頭上から私の心を天にも昇らせる声がした。 どうやら刑期である500年が過ぎたらしい。 苦しい500年だった。 我儘なだけだと突っ込みたくなるような死人が、異世界に転生して来世を謳歌しているだけでイライラした。 私は確かに自ら命を断つという罪を犯した。 しかし、自殺した時の私の精神状態は異常だった。 そのような状態で犯してしまった罪は軽減されて然るべきなのではないだろうかと何度も思った。 

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   14.私は小学校5年生の時に、万引きをした。

    私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 澤村菜々子34歳。 私から見ればとても幸せな人。 私はあと100年くらいすれば、刑期の500年を終えるはずだ。 今まで何人の人の進路の案内をしただろう。 何人分の人生経験を積んだだろう。 早く私は私の人生が生きたい。 ここに来る人間は、横柄で贅沢な人間ばかり。 私ならもっと大切に自分の人生を生きる。 今度、生き返ったら人のために何かをするのもいいかもしれない。 ボランティア活動をしたりしたら、来世では良い選択肢を与えられる気がする。 男は浮気するものだと今の私にはわかっている。 男になど惑わされず自分の人生を生きていきたい。 1人で生きて行くだけのスキルを身につければ問題ない。 運よく美人に生まれてきたら男などあちらから跪いてくるだろう。 もう、2度と搾取される側にはならない。 今の私ならもっと上手くやれる。 早く刑期が終わってくれますように⋯⋯。 私は生きたい! 自分の人生を⋯⋯。  ♢♢♢ 何もかもに恵まれてきた私、澤村菜々子は常に刺激に飢えていたのかもしれない。 美貌も金も生まれながらに持っていた。 静かにしていれば、黄金のレールに乗った人生を生きられた。「菜々子お嬢様は、本当に勇気がないね。ドラッグストアが1番万引きしやすいんだって」 私は小学校5年生の時に、万引きをした。 それは、みんなの仲間だということの証明だった。 ポケットの中にそっと入れたリップスティックが仲間の証。 それで私は仲間と認識された。「私らって、ずっと将来的にもつるんでいるんだろうね」「菜々子様って、金持ちだし将来大物になりそう!」 小学生にして万引きを平気で

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   13.全部、モテなそうですね。

    「女神様ではありません。私は異世界転生案内人カイです。あなたが選べる道3つをお示しします。1つ目は断罪直前の悪役令嬢であるリンド公爵令嬢、2つ目は貧しいけれど特殊能力持ちなので貴族界に入る平民レオナ、3つ目は世界を旅するユアンです。さあ、どれを選びますか?」「全部、モテなそうですね。選びません。どれもキモい人間の人生です」 私は目を瞑って自分の罪について考えた。 流されてしまった瞬間が確かにあった。 唯一愛したいと思っていた捨てた息子は自分を殺した。 ならば、私の存在には何の価値もない。「モテなければ、キモいですか? あなたがモテた瞬間がありましたか? 高校教師はあなたでなくても若い肉体を持っている女なら誰でも良い人間でした。あなたが結婚相手を条件で選んでいた通り、結婚相手も頭が悪くて扱いやすいあなたを顔だけで選んでましたよ」 カイはとても辛口に私が既に知っている事実を反芻する。私が誰よりも自分に対した価値がないと知っている。「価値はありましたよ⋯⋯少なくてもあなたの親御さんと、息子さんにとっては⋯⋯」 カイは私に苦い言葉を投げかけた「私は、私に価値があると信じた人間を捨て殺されたのですね。もう、何の未練もありません。無になりたいです。私は十分に生き恥を晒しました」 私が「生」への未練を持った瞬間、私は「無」になった。「カイ⋯⋯あなたは裁判官にでもなったつもりですか? あなたに権限は与えられています。しかし、あなたがするべき事は異世界転生を案内する事です」 頭の中でまた声がこだまする。 私は人を裁く裁判官になった気などない。 ただ、目の前に現れる人たちが新しい人生を望んでない。 私は未練を残して死んだが、意外にもそうではない人間が多く存在する。「人を裁いているつもりはありません。私は自分が罪人だと自覚しています。ただ、予想外に死を迎えた人間たちがいて⋯⋯案内人としての役割を自分なりに果たしているだけです⋯⋯」 頭の中にこだまする声に反発するように私は1人呟いた。 この孤独な時間

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   12..僕が今、あなたに届いたよ⋯⋯。

    「仕事をちゃんとしてください⋯⋯転生させるのがあなたの役目です」 頭の中に声がこだまする。 聞いたことがないこの声は神様の声だろう。 私は杉崎美香を異世界に転生させず「無」に返した。容姿に恵まれ意地悪な彼女が私を中学時代に虐めた女に似ていたからだ。「ちゃんとやります⋯⋯すみません。人は力を持つとダメですね⋯⋯」少しの権力を持たせてやると、その人間の本質が分かると聞いたことがある。私は死んだ人間の行先を決められる権力を持ち、それを自分の思うがままに使い始めていた。「あなたに異世界カイは務まらないのかもしれません。このまま無に返しましょうか?」 頭に響き渡る声に震え上がる程の恐怖を感じた。 「無」になりたいと願った事もあったのに、ここで死んだ人間に関わるたびに「生」に執着したくなる。 みっともなくても、生きて何かしたいという感情が湧き起こってくる。 刑期は500年なのに、まだ数日しか経っていない事実に絶望する。「ちゃんと、やりますから⋯⋯どのような方でも自ら神より与えられた命を捨てた私よりは尊い存在だと認識してます」 「無」になるのが怖くて絞り出すように言った言葉と共に、頭の中にこだまする謎の声が消えた。 私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 高野茉子29歳。 私から見ればとても幸せな人。  顔が良いだけの男。 体育祭で活躍するだけ足が速くて活躍するだけの男。 口が上手いだけの浮気性の男。 笑顔が可愛いだけの頭の軽い年下。そんな多くのどうしようもない男たちに振り回されて来た人生だった。でも、やっと辿り着いた私の幸せ。「汝 宮坂俊哉は、この高野茉子を妻とし、病める時も、健やかな時も、貧しい時も、豊かな時も、喜びあっても、悲しみあっても、死が2人を分

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   11..私が1番悪かったのは中身かもしれません⋯⋯。

    「杉崎さん⋯⋯突然殺されて不本意かもしれませんが、あなたも悪いですよ。加害者を非難できないくらい、あなたも見た目でしか人を判断できない最低な人です」 目の前の女神のようなカイは私を非難してくる。 「だって、私は美しいもの。15年の時を経て不細工になった佐々木太郎と一緒にしないで!」「み、見た目は美しいかもしれないけれど、性格がブスです。絶対に誰からも選ばれませんいよ」 美人、ブス問答をすることに何の意味もあるのだろう。 目の前の金髪碧眼のこの世のものとは思えない美しいカイは、まるでブスの代弁者のようなセリフを吐いてくる。「美しさって何なんでしょうね。見た目など化粧や整形で変えられます⋯⋯」 美しさを具現化したような姿のカイの言葉に私は笑けてきた。「整形しても、化粧しても不細工は不細工だから! あんた、頭悪いの? これって夢?」「頭は悪くないです。顔は悪いけれど、私が1番悪かったのは中身かもしれません⋯⋯夢じゃありません。杉崎さん、あなたは死にました異世界に転生で来ますがいかが致しますか?」 目を泳がせながら私に語るカイは見た目とは全然違う性格をしている。まるで、自分に自信がないブスのようだ。 どれだけ美人でも振る舞いが不細工だと、彼女自身もブスに見えてくる。「異世界に転生? 話を聞かせて貰おうじゃない」私が言った言葉に挙動不審にカイが頷いた。(美人だけど、キモい女⋯⋯)「あなたが選べる道3つをお示しします。1つ目は断罪直前の悪役令嬢であるリンド公爵令嬢、2つ目は貧しいけれど特殊能力持ちなので貴族界に入る平民レオナ、3つ目は世界を旅するユアンです。さあ、どれを選びますか?」 提案された3つの選択肢はどれも私にとって魅力的ではなかった。「どれも選ばないわ。私は杉崎美香の人生に別に失望はしてなかったの。運悪くブ男に殺されたみたいだけどね」 私の言葉にカイは苦虫を潰したような顔をした。「あなたを殺したのは大罪ですが、さ、佐々木太郎さんの言った事は間違ってなかったと思

  • 異世界転生案内人カイ〜私の人生をあげるので、貴方の人生を私にください〜   10..整形も加工もしていないのに私はまだ美人だった。

     私は異世界転生案内人『カイ』。今日も私の元に来客が来る。死んだ人間に私は選択肢を示す。異世界に転生できるなら、貴方は次はどんな人生を選びますか?  今日もお客様が来た。 杉崎美香30歳。 私から見ればとても幸せな人。♢♢♢ 私、杉崎美香はずっと周囲の男のマドンナだった。 過去の栄光? でも、その栄光時代の私の好きだった人に今日再会する。 ずっとあなたに会いたかった。 佐々木太郎⋯⋯私の初恋の人。 30歳を迎えた日、中学校の同窓会の案内が届いて私は会場へと向かった。 佐々木太郎は2人いた。 私の初恋の人⋯⋯背が高く足が速い佐々木太郎。 彼は同窓会には来なかった。 そこにいたのは、もう1人の佐々木太郎。 高身長の私からは許せないレベルの身長にだらしのない体。 中学の時から、目立たぬモブだった。「美香ちゃん。本当に、ずっと綺麗だね」 私が存在さえ忘れていた佐々木太郎は私に頬を染めて近づいてくる。 昔は虐められていた彼がなぜか今は周囲の注目の的。 IT分野で成功をし、時代の寵児となっていた。 SNSのフォロワーも10万をこえるらしい。 今回の同窓会で彼と会えることを周りが楽しみにしていた事は知っている。 私はそんなミーハーな奴らとは違う。 彼がマドンナだった私と会えるのを渇望する事はあっても、私にとって彼は未だ大勢の私を称賛していた男の1人に過ぎない。(まあ、でも今の彼なら、少しは相手してやっても良いか⋯⋯)「太郎君、今ならあなたと付き合って良いかも」 私も三十路でそろそろ落ち着こうと精一杯の譲歩で言った言葉だった。「ごめん⋯⋯君レベルの女、相手にする程落ちぶれているつもりはないから」 一瞬聞き違えたかと思った彼の言葉。 周囲を見回すと周りは私を嘲笑していた。 私はその場にいられなくなり、外に出た。 外はバケツをひっくり返したような土

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