真実を知らされた瞬間、秋良は全身が凍りついたように動けなくなった。しばらくして我に返ると、心晴を回り込んで病室のほうへ向かおうとする。「......会ってくる」だが、心晴は再び彼の前に立ちはだかり、ほとんど懇願するような声で言った。「お兄さん......玲奈は、もう二日もまともに眠れていないんです。さっき、やっと眠ったばかりで......お願いです、起こさないであげてください。もし起きたら、また一晩中眠れなくなってしまいます」その言葉に、秋良の足が止まった。妹に会いたい気持ちは強かったが、それ以上に、彼女を思う気持ちが勝った。心晴の話には、どこか辻褄の合わない部分もあった。だが、秋良は賭けることができなかった。――もし本当だったら。自分の軽率な行動で、せっかく眠りについた妹を再び起こしてしまったら。その後悔は、きっと一生消えない。心晴は、彼の心が揺らいだのを感じ取り、すぐに言葉を重ねた。「医師からも言われています。今は、とにかくたくさん眠らせてあげてくださいって」秋良は俯き、くぐもった声で答えた。「......ああ。休ませてやろう」それでも、綾乃は不安が拭えず、思わず口を開いた。「じゃあ......せめて、病室の前まで行って、玲奈ちゃんの顔を一目だけ......」そう言って歩き出そうとした、その瞬間。秋良が彼女の腕を掴んだ。振り返った綾乃に、秋良は黙って首を横に振る。その仕草だけで、綾乃は、彼の言いたいことをすべて理解した。彼女はそれ以上は何も言わず、心晴に向き直った。「明日、食事を持ってまた来るわ。今日は、私たちは帰るわね。玲奈ちゃんが目を覚ましたら伝えて。秋良も私も、とても心配しているって。何があっても、私たちは家族として、必ず味方でいるって」心晴は目を潤ませ、力強く頷いた。「......はい」綾乃と秋良が産婦人科病棟を後にしてから、心晴はようやく病室へ戻った。そのとき、玲奈は仰向けに横たわり、天井を見つめたまま、黒い瞳いっぱいに涙を溜めていた。兄と義姉の会話は、すべて聞こえていた。胸が痛み、それと同時に、言いようのない哀しさが込み上げる。心晴はベッド脇に腰を下ろし、ティッシュでそっと玲奈の涙を拭いながら言った。
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