玲奈の訴えに対し、警察は当然のように一つひとつ頷いた。「わかりました。できるだけ早く手続きを進めます」玲奈をひとまず落ち着かせると、警察は病室を出て行った。だが、そう時間も経たないうちに、再び戻ってきた。病床のそばに腰を下ろした警察は、申し訳なさそうな表情で言った。「先ほど調べたのですが、この病室の監視カメラは故障していました」その言葉を聞いた瞬間、玲奈の心は一気に冷え切った。感情を抑えきれず、涙を滲ませながら警察に詰め寄る。「それを私に言ってどうするんですか?調べてください。他の監視カメラを」彼女の様子が尋常ではないと察したのか、警察は声を落として言った。「ご安心ください。すでに記録は取りました。あとのことは、こちらに任せてください」納得がいかず、玲奈は今すぐにでも美由紀、涼真、星羅、そして明人たちを全員捕まえてほしいと思った。だが、警察がそう言う以上、これ以上騒ぎ立てることもできない。警察が去ったあとになって、玲奈はようやく気づいた。おそらく、新垣家はとっくに手を打っていたのだ。警察に通報しても無駄で、何ひとつ明るみに出ないのだろう。その夜、玲奈は一睡もできなかった。翌朝になり、医師の回診があった。全身に傷や痣が残っているにもかかわらず、彼らはそれを見て見ぬふりをし、形ばかりの気遣いで尋ねた。「春日部さん、ご家族は?」玲奈は答えず、充血した目で彼らを睨み返しただけだった。先頭に立っていた主任医師は、穏やかな口調で言った。「今のお体はまだとても弱っています。たとえ産後の養生をしないにしても、せめてご家族の付き添いは必要ですよ」それでも玲奈は黙ったままだった。その態度を見て、医師たちもそれ以上は何も言わず、回診を終えた。医師が去ったあと、玲奈はようやく空腹を自覚した。胃がきりきりと痛むほどだ。昨夜から今まで、何も口にしていない。それどころか、水すら一滴も飲んでいなかった。今の彼女は、起き上がることさえつらく、食事に行くなど到底無理だった。先ほどの医師の言葉は、確かに正しい。今の玲奈には、誰かの世話が必要だった。――だが、誰に頼めばいいのか。春日部家には連絡できない。秋良の激しい気性を考えれば、事情を知った瞬間
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