Tous les chapitres de : Chapitre 101 - Chapitre 103

103

決闘の行方

 遅れてやってきたニイル達一同が目にした光景、それは正しく死闘と呼ぶに相応しいモノだった。 レイとディード、両者共に満身創痍であり、最初の頃の高速戦闘では無くなっている。 しかし一瞬一瞬の鋭さ、瞬間的な速度は寧ろ増しており、少しの判断ミスが敗北に繋がる、そんな様相を呈していた。(まるで『前剣聖』を彷彿とさせるな。流石弟子だっただけある) その光景に、かつて出会った老人を思い出すニイル。 全盛をとうに過ぎた身体であった筈なのに、彼の振るう剣筋はニイルですら見切るのが困難だった程。 刹那に込められた速度は、人間の出せるソレでは無かった。 レイも今、その域に達したのだと一目見て理解する。(魔法を使っているとはいえ、『剣聖』を超えた訳だが……) そんなレイの成長に、思わず笑みを浮かべそうになるニイル。 しかしそれ以上に、今まで感じていた違和感が大きくなっている事にも気付く。 その違和感を確かめるべくニイルが『神威賦与』を『発動した』時、戦況が大きく動き出した。「そうと決まりゃあ!」 ディードが叫んだ瞬間、更に攻撃の鋭さが増す。 それだけでは無い。 攻撃のタイミングで絶妙に緩急を付け、そこにフェイントも織り交ぜていく。「くっ……!」(今まで直線的な行動が多かったから対処しやすかったのだけれど、いきなり戦い辛い戦法になったわね!) その急な戦い方の変化に表情を歪ませるレイ。 現在、レイは移動直前のディードを視て、次の攻撃を予想して対応している。 それは『神性』による身体能力の変動が、レイの『眼』に映らないからであった。 移動や攻撃の軌道は読めても、タイミングまでは完全に把握する事は出来ず、経験と勘、そして『雷装』で無理矢理埋め合わせていた。 そんな状況でタイミングを狂わされれば、如何にゾーン状態と言えど苦しいものが有る。 何せ綱渡りの状
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乱入者の正体

 自らの右腕を犠牲に放った一撃。 必殺とはいかずとも、確実に戦闘不能に陥らせると確信していたソレを凌がれ、更に今までの傷が瞬く間に回復していく。 流石のレイも、脳内に敗北の2文字が浮かび上がった。(やっぱり手加減してもらっていた訳ね。悔しいけれど受け入れるしかない、か……) 唇を強く噛み締めながら、折れそうになる心を叱責する。 ディードの怒気も合わさり、心身共に震え上がりそうになるが、剣を構え直し真っ直ぐに前を見つめる。(私が負けるだけなら良い。でもこの戦いには私の家族も巻き込んでしまっているのよ。なら、せめて刺し違えてでも彼を倒す。でなければ合わす顔が無いわ) 決闘だから死にはしない。 そんな甘えた考えを捨て、ここで生命の全てを燃やし尽くす事を覚悟した時、突然目の前に巨大な銀狼が現れた。 その幻想的な迫力に、戦闘中であるにも関わらず。 思わずレイは見入ってしまうのだった。【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎?】『原初の海獣』と同じく脳内に声が響く。 しかし、それはとても柔らかな声色だとレイは感じた。「⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎……」【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎。⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎?】 急いで森人族達が膝をつき、代表して長老が口を開くが、その表情には多分に焦りが含まれている。 見ればディードですら恭しく頭を下げている状況。 誰もが動けないでいる中、ただ1人だけ、ニイルだけがその銀狼に近付いていく。(泣いてる?) その表情を見たレイがそんな風に思う程に、ニイルは今までに見た事が無い表情をしていた。【⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛
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継承

 突然の、耳を疑う提案。 誰もが反応出来ないでいる中、フェンリルは意に介さず続けた。【もちろん、存在そのものが『神喰の巨狼』になる訳じゃない。あくまで比喩的な表現さ。正確に言うなら僕の『神性』を受け継がないか、という提案だね】 本当に神になる訳じゃないから安心して、と続けるが、それでも理解が及ばない一同。 特に言われた本人であるランシュは、今までレイが見た事のない表情で固まっている。【あれ?ここは笑いどころだと思ったんだけどな?そんな簡単に神になれるかって】「お前はもう少しジョークセンスを磨いた方が良いな……どこも笑う要素が無かったぞ……」【そうなの?おかしいな……】 ニイルの指摘を受けて笑うフェンリルに、ようやく緊張が解れたのか、空気が弛緩するのを感じる一同。 そのタイミングで、代表してニイルが疑問を投げ掛けた。「まず、何故彼女なんだ?候補なら他にも居るだろう?ここは亜人の国なんだから、獣人族ならいくらでも居る筈だ」 その問いに、逆に今度はフェンリルが首を傾げる。【ん?なんでそんな事を聞くんだい?君の『眼』なら何だって視える筈じゃなかった?】 それにバツが悪そうな表情で、ニイルが答える。「今はお前と同じでほとんど『力』を使えないんだ。だからかつて程色々と視る事が出来ないんだよ」【なるほど。道理で君の力の反応が薄い訳だ。ならちゃんと説明しなきゃね。初めて聞く子達も居るし】 得心いった風に頷きながら、全員に語る様にフェンリルは続ける。【亜人達の成り立ちはニイル、君も知っているだろう?】 その問いに頷きを返すニイル。 それを確認してフェンリルは続けた。【なのでここでその事を詳しく話すつもりは無い。言わなくても良い事だしね。
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