その日は1日、雪が降りしきるそんな日だった。 夜も更け寒さも厳しさを増す中、少年が1人空を眺めながら佇んでいる。しかし少年の周りは寒さを感じず、寧ろ燃えるような熱さに包まれていた。それもそのはず、少年の周りは火の海で囲まれているのだから。周りはかつて建物があったであろう瓦礫が散乱し、更にその中には、かつて人・で・あ・っ・た・モノすらも… まるでこの惨劇を生み出したかの様に夜空を見上げる少年。それもその筈まだ10歳になったばかりのこの少年こそが、この破壊の元凶なのだから。 これはそれだけの事を行った大人達ヤツらに対する、復讐だった。 当然の報いだろうと少年は思う。なにせ彼等は少年の家族を傷付けたのだ。親にも捨てられ行き場所の無かった自分を、血の繋がりは無くとも家族として迎え入れてくれたあの子達を、あろう事かモルモットとしてしか考えていなかったのだから。 だから少年は懇願したのだ。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-14 Baca selengkapnya