『雷装』を発動し形勢を覆す事に成功したレイだったが、その胸中は穏やかではなく、決して油断出来る状況では無い事を悟っていた。(あの距離で発動した『雷装』の、しかも略式に反応して未然に防ごうとして来た……後ほんの少し遅れていたら私がやられていただろうタイミングで。しかも……) レイは土煙が上がる方を見る。 それぞれブレイズとマーガが吹き飛んだ方向だったが、どちらの気配も感じる。 どうやら2人共戦闘不能には至っていないらしい。(それなりのダメージを負わせた筈だけれど、それ以上に魔法障壁が邪魔をして思った以上に傷を与えられなかった。まさかあの一瞬であれ程の魔法障壁を生み出すなんて……) 現在あの2人には動きが無い。 すぐに動ける様な傷では無い筈だが、土煙が邪魔をして詳細が見えない。 もしかしたら罠か、それともこの『雷装』の対策でも講じているのか。 しかしこの『雷装』を発動している以上、レイも悠長にしていられる時間が無くなったのは事実である。(さっきの攻撃、あの時は『強化+10』に『雷装80%』だった。それで決定打にならないのなら『雷装100%』を使うしか無い。だからこそ魔力の使い道を考えない……と……) そこでレイはある事に思い至る。 それは常に全力でいる事の必要性だ。 魔力運用の観点から見れば、これは非効率も甚だしい。(例えばそう、今みたいに。常に80%を維持するんじゃ魔力を無駄に垂れ流しちゃう。そうじゃなく必要な時だけ出力を上げ、そうじゃない時は下げてしまえば……) そう考え意識を集中させてみる。 いつでも『雷装』の出力を上げれるように強化魔法はそのままで、『雷装』の出力だけを下げていく。 一瞬、解除するという選択肢も浮かんだがすぐに否定するレイ。 再発動の際は、略式とはいえ一瞬だけ発動に時間が掛かる。 先程はその隙を突かれそうになったのだ。 強者との戦いでは出来るだけそういった隙は無くすべきだろうと判断する。(とりあえず30%なら大抵は反応出来る筈。後は都度出力を調整して対応する様気を付ければ……) そして更に考え至るレイ。 この技術は様々な応用が利くのではないか、と。 そう、例えばレイの持つ『神威賦与』にだって……(今
Terakhir Diperbarui : 2025-08-03 Baca selengkapnya