思えば私は、鳥飼さんにも救われてきた。 苦しい時も側にいてくれた鳥飼さんに、私はいつも感謝してる。 それにしても、キャスリンの演技には正直、驚かされてしまう。 豪快なトーン、そして自信満々の表情。 全身を使ってのダイナミックな演技。 手紙を持ち変えたり、あるいは手紙を伏せたりして、キャスリンは目線は力強く上に持ち上げた。 恋人への信頼感が強い、前提の手紙。 私達は揺るがない関係。 怖いものなどない、といった内容。 大成功を収めた、等身大の彼女を見事に反映している。 もしも、キャスリンから昴生がこんな手紙をもらったら少しはクラっとしてしまうんだろうか。 少し前ならそう思っただろう。でもあの夜、昴生と愛し合ったから。 私はもう大丈夫だ。 そんな私が彼にラブレターを書くとしたら…… 「Great!すごいわ、キャスリン!さすがよ!」 あっという間にキャスリンの演技が終了し、彼女のマネージャーが手を叩きながら椅子から立ち上がる。管理人や佐久間さんも、感心したようにため息を吐いた。 確かに息を呑むほど、良かった。 私、自分が役者だって忘れるくらい、キャスリンからいい刺激をもらってる。 負けられない。そんな闘志が湧き上がる。 「どうだった?侑。さっきのは…コーセーに宛てた手紙よ。彼に、今の私の全ての気持ちをぶつけたの! さあ、次はあなたの番よ!」 「私も……昴生へのラブレターを読みます。」 シン、とスタジオ内が静かになった。 キャスリンを含めた皆が、一斉に私を見てる。 真っ白な手紙を持つと、スゥッと息を吸い込む。 そうして私は彼らの前で静かに瞳を閉じた。 「"...Hey, do you remember? The strange words you said to me. You were there, who was comple
Terakhir Diperbarui : 2025-08-27 Baca selengkapnya