今だにこの世界は、私には全然甘くない。 あの会見後、SNS上で一部の人がまた私を叩いてる。 器用じゃない私には本当に生きにくい世界。 それでも。 こんな私だけど。昴生にだけはずっと側にいて欲しいと思っている。 「もしも私が——————この世界中の皆に嫌われたとしても。 お願いだから、昴生だけは私の側にいて欲しい。」 貴方だけはずっと側で、味方でいて欲しい。 それが今の私の望み。私の願いだ。 「侑さん……っ、俺、おれは…………っ。」 感情が昂ったのか、ぐすっと涙ぐむ昴生がいる。 本当に何て可愛いんだろう。 国民的人気俳優で、これまで色んな役を演じてきた昴生だけど、こんな風に人前で素直に涙を浮かべるのは見た事がない。 「侑さんのバカ…………っ。」 完全に拗ねていた。可愛く私を睨みつける。 オフだというのもあるけど。着ているシャツも、髪もなんかグシャグシャだ。 なのに色気があって、大変。 「誤解を招くような行動をして、本当にごめんね。昴生。」 昴生は首を横に振った。 「俺もバカ、だな。 怖がらずにもっとちゃんと、侑さんに聞けば良かった。」 また昴生は涙ぐむ。それがあまりに愛おしくて、私は思わず彼を抱き締めていた。 体は私より大きくて、逞しいのに。 こんなにも愛おしくなるなんて。 まさかあの日、私を飼いたいと言った昴生を愛するなんて。 こうして、また心から愛する人に出逢えるなんて。 あの時人生を終わらせなくて本当に良かった。 心からそう思える。 「侑さ…………寂し……&helli
Last Updated : 2025-08-03 Read more